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カカの天下  作者: ルシカ
863/917

カカの天下863「楽しい楽しい罠タイム、前」

 どうも、引き続き中学生のカカです。


「暇」


「カカちゃん、最近いっつもそれ言ってるよねー」


「でもわかるわっ。授業がつまらないものっ」


 ただいま昼休み中。給食も終わってサエちゃんとサユカンとのんびりお喋りしています。


「うんうん、やっぱテンカ先生の授業だよね。あの怒鳴り声がないと」


「そうそう、てめぇーとか、コラーとか、っしゃんなろーとかがないとー」


「A先生ってばほんと、普通に授業するだけだもんねっ」


 そんなわけで中学は退屈なのだ。


「なんか面白そうなものないかな」


「じゃー探しにいこうよー」


「あ、それいいわねサエすけ。わたしたち、この学校に来たばかりだもの。どこに何があるのか全然わかってないしっ」


「そいえば、そだね。よし、なんか探しにいこう!」


 そうして私たち三人は教室から旅立った。




 そして放送室にたどり着き、なんか見つけた。


「録音用のラジカセだねー」


「待った、サエすけは触っちゃダメ」


「なんでー?」


「君、自分の機械オンチを自覚したほうがいいわよ? いきなりラジカセが核爆発して世界が滅んだらどうするの」


「そしたら反省するー」


「しても遅いわよっ!」


「じゃー反省しないー」


「しなさいよっ!」


「どっちー?」


「……ふむふむ。ほー」


 二人がじゃれあってる間に使い方を観察。んっと、ここが、こうで、こうか。


「録音できそうだよ」


「わ、ほんとー? 私が先に声いれたいー」


「はいどうぞ。ポチっとな」


「サユカちゃんのえっち」


「なんちゅー言葉を入れるのよっ!?」


『サユカちゃんのえっちサユカちゃんのえっちサユカちゃんのえっち』


「とめてええええええ!」


 あ、奪われた。止められた。


「ふう……」


「サユカちゃんのえっちサユカちゃんのえっちサユカちゃんのえっち」


「えっ、止めたのになんでっ」


「私の肉声」


「かーかーすーけぇー!!」


「きゃー! えっちサユカちゃんが!」


「変な風にくっつけるなっ!! こらー!」


 わたわたとおっかけっこを始める私たち。でもまぁいつものことなんでサエちゃんは冷静で。


「んー、これ面白そうだけど、ハッキリ録音できすぎて誰が言ったのかモロわかりなのが惜しいねー」


 確かにそれは悪戯する側としては致命的だ。


「よし、私に任せろ」


「きゃん! 急に止まんないでよっ」


 私を追いかけていたサユカンは止まりきれずマイ背中に激突。そのまま乗り上げてしまったので、半分おんぶする形に。でも私はそのまま移動を始めた。




「あ、あそこによさげな男子が」


「通りすがりのクラスメイトだねー」


 私たちは適当に歩いて、適当にカモを見つけた。ちなみにサユカンはまだ私の背中に乗っている。


「名前は忘れたわっ」


「じゃあ男子Bと名づけよう」


 Aは先生のものだからとっておこう。


「ねぇね、男子B」


「え、俺のこと?」


「うん。なんか面白いこと言ってみてよ」


「なんだよいきなり」


「いいからさ。変なこと言ってみて」


「わかった。実はさ、最近妙な三人組にいきなり話しかけられたんだよ。それで変なことを言えって要求してくるんだ。どうすればいい?」


「素直に変なことを言えばいいと思うよ」


「わかった」


 うむ、話のわかるやつだ。


「でも変なことって言われてもなぁ」


「サエちゃん、サユカン。見本」


「はーい。やろうサユカちゃん」


「おっけー。カカのマネやりまーす!」


「私、トメお兄さんの役やるねー」


 突然始まったカカ天劇場。ちなみにサユカンは私の背中に乗ったまま。


「こほん。カカ?」


「なーにーとめにー」


「テストの成績はどうだった?」


「電柱」


 劇場終了。


「うん、こんな感じな言葉をお願い。男子B」


「どんな感じなのかさっぱりだけど、わかった」


 おお、やはり話がわかるやつ。


「じゃあコメントをどうぞ。ポチッと録音開始」


 さぁどうぞ。


「それって緑色すぎるだろう!」


 録音終了。


「ありがとー」


「お、おう」


 サエちゃんに笑顔でお礼を言われた男子Bは途端に顔を真っ赤にして逃げていった。サエちゃん、また一人落としたな。それにしてもサユカンはいつまで私の背中にいるんだろう。


「よし、程よく変な録音もできたところで、どうしよう?」


「再生ボタンを押してリピートにして、その辺に放置しよー」


「それって、どんな意味があるのよっ」


「さぁー? 単なる悪戯。もう休み時間終わるからそれくらいしかできないしー」


「よし、放課後に回収してまた遊ぼう」


 運がよければ(悪ければ?)移動教室の人たちが通りすがりで何かリアクションしてくれるかも。そう思って私たちは無意味に罠を仕掛けたのだった。


 そして、その間に予想外な誰かさんたちが通過したとは夢にも思わないのでしたとさ。


 つづく。 




 むぅ、またもや金曜日に更新となってしまいました。もう一話書きたかったんだけどなぁー。まぁとりあえず三話更新で勘弁してくだせぇ。

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