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カカの天下  作者: ルシカ
862/917

カカの天下862「ノゥノゥぶっちょさん」

 ども、カカです。最近中学生始めました。なのにあまり変わったことはありません。一番の変化はテンカ先生の授業がなくなったことですが……


「テンカせんせ、あそぼ」


「あぁん?」


 まぁ、こうして何度も小学校に遊びに来てるわけで。


「てめぇよぉ、中学生っつったら勉強難しくなるんだから遊んでばっかいんじゃねぇよ」


「そんなこと言われてもねぇ、まだテストもしてないからわかんない」


「算数が数学になっただけでわかれよ、そんくらい」


「む、言われてみればすごく難しい気がしてきた」


「だろ?」


 でも勉強めんどい。


「そんなことよりせんせ、まだ終わんないの?」


「今日はもうすぐ終わるが」


「お、ラッキ。トメ兄が残業しまくるって言ってたから暇だったんだよね」


「へぇ……そういやこないだサエたちから面白い話を聞いたんだが」


「あぁ、うん。私も聞いた」


「行くか?」


「行ってみよう」 




「そんなわけで、兄の仕事ぶりを観察しに来ました」


 いつぞやサエちゃんサユカンが言っていた会社訪問を決行。


「なんていい妹さんなんでしょう! 工場内は無理ですが、せめて放送室へどうぞ!」


 そして噂に違わず受付の人は緩かった。


「さぁ、笠原さんに思いを伝えてください!」


 なぜかいきなりマイクの前に立たされる私とテンカ先生。


「どうしよう、先生」


「よし、とりあえずスイッチONだ」


 さすが先生、男らしい。




『あーあー、テストテスト、ただいまマイクのテスト中……これ言ってみたかったんだよな』




「で、何を喋るの?」


「考えてなかったぜ」


 さすが先生、男らしすぎる。




『よし、とりあえず笠原トメの恥ずかしい性癖シリーズ第一弾。ヤツは酔うと少し脱ぎたがる。これだけ聞くと犯罪者だが、セクシーだから許してしまうんだぜ』




 そうなんだぁ。


「私もやる! マイク貸して貸して」


「む、早く返せよ? 第十二弾まであるんだからな」


「うんうん。よーし!」




『トメ兄の上司の愚痴シリーズ第一弾。あのクソ部長! グダグダ喋ってる暇があるなら手を動かせ! 口ばっか動かしてんじゃねぇよ、そこにしか筋肉ないのか――』




「会社内でそれはいくらなんでもヤバイだろおおおおおお!!」


 あ、トメ兄本人だ。


「なんなんだおまえらは! 僕を困らせて楽しいか!?」


「でもトメ兄、遊びってこういうもんでしょ?」


「どういうもんだ!?」




『トメ兄の同僚の愚痴シリーズ第一弾――」




「やめいっつうに!!」


「や、どういうもんかって言うから例を見せようかと」


「こんな放送が部長に聞こえてたら――」


「そもそも社員全員が聞いているがね、笠原君?」


 ダンディな声にビクッと肩を震わせたトメ兄は恐る恐る振り返り……いつの間にか立っていた、のっぽな眼鏡のおっさんと顔を合わせた。


「ぶ、部長」


「君が私のことをどう思っていたのか、よくわかった」


 む、これは冗談では済まされなさそうな雰囲気。助けねば!


「ぶっちょさん! ノゥノゥ、ぶっちょさん!」


「なんだそのエセ外国人のホステスみたいな言い方は」


「トメ兄黙れ。えっとね、違うの。あのシリーズ第一弾にはまだ続きがあったの」


「そもそもおまえが黙ってれば――」


「よし聞こう」


「聞くの!?」


 トメ兄と違って話がわかるね。


「私はこう続けるつもりだったんだよ。 あのクソ部長! グダグダ喋ってる暇あるなら手を動かせ! 口ばっか動かしてんじゃねぇよ、そこにしか筋肉ないのか? でもそこがいい、大好きだ。いつもそう言ってるって」


 よし、これでフォローはオッケーだ。ねぇテンカ先生?


「…………(バンバン!)」


 なんで肩を震わせながら机を叩きつつ腹を押さえて声なく爆笑なんかしてるんだろう。


「そうか、君はそんな風に私のことを思ってくれていたのか」


「ぶっちょさん……」


 見つめ合う二人。背景はなぜか薔薇。


「ヒュー、くっついちまうのかコレ」


 先生は完全に面白おかしく見学モードだ。


「君は、私のことが好きなのか?」


 真面目な顔して阿呆なことを聞くぶっちょさん。


「は、はい」


 上司に嫌いと言えるわけもなく、頷いてしまうトメ兄。


「私は嫌いだ」


 そしてフラれた。


「口ばかり動かしているのはどっちだ? 黙ってさっさと仕事に戻れ」 


 そして帰った。


「……あれ、僕って、いったい」


 呆然とするトメ兄。テンカ先生はなぜか極限まで大爆笑。


 とにかくなんか言わないと。


「トメ兄、ドンマイ!」


「おまえらこそ黙ってさっさと帰れええええええ!!」


「仕方ない。先生、仕事場に戻ろう」


「よっしゃ」


「なんで工場内へ入っていくんだおまえら!!」


「こちらですよー」


「なんで案内するんだ受付の人!!」


 この後もトメ兄と先生と楽しく遊んだ。


 ぶっちょさんは現れなかった。残念。もっと遊びたかった。




 GWが忙しすぎて一話しか載せられなかった……しかもいつの間にか更新日が金曜日になってる件。いやまぁ昨日とか夜中三時にヘトヘトで仕事終わった直後に「GW終わったぁぁぁ!」と一人でカラオケ一時間かましたら本気でくたばってて書けなかったんですほんとごめんなさい。

 でも二連続で金曜日に更新しちゃったなぁ。まぁ次は木曜に。多分二話以上載せれます。調子に乗ったら四話とかいきます。それは周りが私のテンションをどれくらい上げてくれるかによります。カモン面白いこと!

 んではー!

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