カカの天下847「楽しみですねバレンタイン」
こんにちは、トメです。
もうすぐバレンタインデーですね。彼女のいない一男としては不安だったり楽しみだったりする日です。
「今年は手作りだよ! 楽しみにしててねトメ兄」
「お、おお……あのカカが手作りだと!?」
「おうよ!」
兄としてこれほど嬉しいことはなかなか無いと思う。ただコイツの場合、『手作り』という言葉を額面どおりに受けていいものか……
「トメお兄さんやー」
「あ、サエちゃん」
「今年は私も手作りですよー」
なんと! 僕はこれ以上ないほどの幸せ者ではないだろうか! 相手は妹だったり小学生だったりして喜ぶのも恥ずかしいんだけど、嬉しいもんは嬉しい!
「トメさんっ!」
「ん、サユカちゃんか」
「わたしも本命手作りチョコです! 頑張りますっ!」
本命と言われるといささか照れるが、かなり嬉しい。しかしチョコをもらえるのが全員小学生というのもロリコン全開に思われそうで嫌だなぁ、普通の人からもらえないかなぁ……などと思ったのが天に通じたのだろうか。
「こんにちは、トメさん!」
「あ、普通のサラさん」
「どうせ普通ですよ! そんなこと言ってたらチョコあげませんからね!」
「ごめんごめん! サラさんも手作りでくれるの?」
「いいえ。作れませんもん」
「やっぱ普通だ」
「もう! そんなこと言ってたら手作りの皿とかあげちゃいますからね!」
「それはなかなか普通じゃないな」
なにも自分からダジャレっぽいネタを振らんでも。
「文字を間違えて『血』を送ってもいいんですよ?」
「ごめんなさい」
とにかく、今年は幸先が良い。こんなにチョコがもらえるなんて……まぁ、中には絶対に例外というか、もらっても首を傾げたくなるようなのが混ざってそうだけど。
「おぅトメ」
「テンじゃないか」
「もうすぐバレンタインデーだな」
「そだな」
「楽しみにしてるぜ、チョコ」
「僕があげんの!?」
でました例外。
「ったりめぇだろうが。百人に聞いたら百人が全員『おまえの方がチョコ作りそう』って言うぜ?」
否定できないのが悲しい。
「それにオレの方が男らしい」
「それだけ断言されると確かになーとか思ってしまう。で、ちゃんとホワイトデーは返してくれるんだろうな」
「は? 何言ってんだ。ホワイトデーは男が女にモノを渡す日だろうが。しかもバレンタインの三倍で。そっちも楽しみにしてるぜ、じゃな」
えぇぇ……言いっぱなしで去ってくの……? うーん、どうしよう。
「やぁトメ君!」
「え、キリヤ?」
「うふふ! 今年は手作りチョコをあげるから楽しみにしててねキャラーン♪」
可愛らしくポーズをとっている例外その二が現れました。
「うふふふふー」
そして高らかに笑いながら去っていきました。なんだアレ、ただネタを振るためだけに来たのか。
「よぉトメ」
「あれ友人A」
「バレンタインはおまえんち行くからな。彼女いない者同士、一緒にチョコでも食おうぜ。じゃな」
いや待て。だからなんでどいつもこいつもネタを振りっぱなしで去っていく?
「トメ君よ」
「おおお? ゲンゾウ兄弟のお二人さん」
「バレンタイン、楽しみにしているがいい」
「ええええええ!? あんたらもくれるの!?」
そして言うだけ言ってさっていくゴツいおっさん二人。
「シュバッと!」
「うお! なんだ父さんか」
「息子よ、バレンタインは楽しみにしているがいい」
「あんたもか!?」
なんだなんだ今年のバレンタインは。一体どうなるんだ、僕にくれるって言う半分が男だぞ。しかも僕も作らなきゃいけないらしいし、一体どうなる!?
「あ、トメさん! 久しぶりです、タケダで――」
「おまえもか! もういい!!」
これ以上混沌とするのは耐えられなかったので、そいつをおもっきし蹴り飛ばす。即座にぶっ飛ばしたのでそいつが誰かは見ていない。何も聞いてない。
「あ、挨拶しようと思っただけなのに……なんで……」
何も聞いていない。
さーてどうなるバレンタイン。
まぁバレンタイン当日に投稿できるかはちょっと怪しいですが、なるべくその辺りに更新します笑
私のバレンタインはもう終わったんですけどねー、一昨日にチョコレートフォンデュ飲み会したので。夜21時から朝7時まで飲んで寝てすぐ仕事というのはなかなかキツかったですが……まぁたまにはこれくらいしないとね! 書けるもんも書けないということで!