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カカの天下  作者: ルシカ
837/917

カカの天下837「ここはもうすぐ始まる模様」

 皆さんあけましておめでとう! サユカです!


 え、もう「あけましておめでとう」って日でもない? いえいえっ! わたしのお正月はまだ始まったばかり! え、もうお正月っていう時期でもない? うるさいわっ!


 とにかくわたしの新年は初夢を見ないことには始まらないのっ!


 もう元旦を越えて数日が経ったわ……なのに全然夢を見ない。でも今日こそはっ! と部屋のベッドの上で一人、意気込んでいるわけなのよっ!


 初夢に縁起がいいっていうのは確か……富士山、鷹、なすびよね。


 もし、富士山の夢だったら……




 ――夢の中(妄想)。


「やぁ、サユカちゃん!」


「その声はトメさんっ! どこ? どこにいるの!?」


「ここさ! 僕は富士山になったんだ!」


「わぁ、おっきい! なんで富士山なんかになったんですかっ?」


「きっと牛乳を飲みすぎたせいだ」


「牛乳は身体を育ててくれますもんねっ!」


「まさか身長が3776Mまで成長するとは思わなかったけどね! こんな僕だけど、好きでいてくれるかい?」


「もちろんですっ! トメさんが富士山なら……わたしは雪になります! 万年雪となってあなたとずっと一緒にいます!」


「寒いからヤダ!」


「じゃあ太陽になります! あなたをずっと照らし続けます!」


「暑いのもヤダ!」


「きゃーっ! わがままなトメさんってレア!! かわいいっ!!」




「……とても幸せな夢だわっ!」


 妄想から現実へ戻ってきたわたしはベッドの上で無意味に激しくゴロゴロした。


「じゃあ、鷹だったら? んーと」




 ――夢の中(妄想)。


「いやぁ、今日もいい天気だなぁ」


 そんなことを呟きながら飛んでいるハトがいました。


「やぁ、僕はハトのトメ。略してハトメさ」


 誰にというわけでもなく、なぜか自己紹介するハトメさん。


「でもこれって鷹の夢じゃなかったのかな。なんで僕がハトとして登場しているんだろう」


 それはね、わたしが鷹としてあなたを狙っているからですよ。


「いただきまーす」


「ぎゃあああああああ食べられるううううううう!!」


「心配しなくていいですよ、アッチの意味でしか食べませんからっ」


 しっぽり♪




「……へへ」


 妄想から現実へ戻ってきたわたしはいつの間にか踊っていることに気がついた。喜びの舞だ。


「しゅわっち!」 


 ポーズのキレも絶好調だ。


「じゃあ、じゃあ、なすびはっ!?」




 ――夢の中(妄想)。


「さぁできたよ」


 麻婆ナスを作ってくれる美味しそうなトメさん。


 あれ、なんか文章おかしい? 


 いやあってる。絶対あってる。


「召し上がれ」


「いただきますっ!」


「え、や、僕じゃなくて――」


 モーレツゥ♪




「へへ、へへへ、ふへへへへ」


 妄想から現実へ戻れないわたしは自分がどうなってるかわからなかった。


「もう……サユカ! うるさいわよ何時だと思って――」


 お母さんの声が聞こえた気がした。


「またなの? 程々にして早く寝なさいよ」


 聞こえたような聞こえてないような……でも結局わたしはそのまま寝てしまった。




 そしてその日、ついに初夢を見た。


 その結果は! 


 『ふじたかトメ』という名のおばあちゃんを「おたんこなす!」と罵っている夢だった。


 縁起がいいんだか悪いんだかわからない。


 誰か教えて?




 初夢、皆さんは見ましたか?


 私はゾンビに追いかけられ、殴ったり斬ったりして応戦するという素晴らしい夢を見ました。


 こんな初夢を見た私の一年はきっと薔薇色に間違いないですよね?


 間違いないですよね?(大事なことなので二回言いました

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