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カカの天下  作者: ルシカ
824/917

カカの天下824「カカ天クエスト、Ep14」

 注意:このお話はカカ達がゲームのキャラになりきりながらRPGを進める話

です。話の内容はゲームの中ですが、『もしもカカ達が異世界にいたら』みたい

な感覚でお楽しみください。

 ステータス

 カカ   ボケ勇者    レベル1 へん

 サエ   悪の魔法使い  レベル1 はらぐろ

 サユカ  手の平の踊り子 レベル1 さびしんぼう エロレベル3

 トメ   ツッコミ    レベル1 つっこみ ???

 ケロリン スライム    レベル35 おっさんくさい 超ゴミ


 かなーり間を空けましたので、766話まで軽く戻ることをオススメします。

 勇者一行が街で何やらやらかしている間、ケロリンは外をうろついていた。


「ふん、この辺りもロクな魔物がいねぇな」


 なんとケロリンは今後もしっかりと一行を守るためにと修行していたのだ。魔物のくせに勇者より遥かに努力家である。


「……ん? なんだありゃ」


 そんなケロリンが出くわした場面とは――


「誰か助けて!!」


「ぐへへへへへ!!」


 魔物に襲われる街人という、RPGではよくある状況だった。


「誰か! 誰かぁ!!」


「ぐへへへへへ!!」


「…………」


 ケロリンは様子を見ている。


「誰かぁぁぁぁぁぁ!!」


「ぐーっへへへへへへへへへ!!」


「…………」


 ケロリンは様子を見ている。


「きゃあああああああああああああああ!!」


「ぐへへへっへへへへへへへへへっへへへへぇ!!」


「…………」


 ケロリンは様子を見ている。


 ――説明しよう! こういうRPGではいくら深刻な場面だとしてもプレイヤーが動かない限りは魔物も空気を読んで待ってくれるのだ! そしてなぜケロリンがじっとしているかというと、きっと襲われている女の子がタイプで「も少し襲われてるところが見たいなー」とかいう変態思考で――


「人聞き悪いこと抜かすな!! 助ければいいんだろが、助ければ!」


 さっさと動かないから空気を読んだナレーションを流すことになるんです。うんうん。


「待てや、そこの魔物!」


「あん? てめぇだって魔物じゃねぇか。邪魔するってのか?」


「ああ、そうだ」


「ふん、おもしれぇ。なら死んじまえ!!」


 魔物のこうげき! ミス!


 ケロリンのこうげき! 105のダメージ!!


 魔物のこうげき! ミス!


 ケロリンの会心の一撃! 228のダメージ!!


 魔物をたおした!!


 ケロリンのこうげき! 325のダメージ!!


「え、ちょ」


 ケロリンのこうげき! 445のダメージ!!


「も、もう死んで」


 死体だから防御力も下がり破壊的ダメージが魔物を襲う! ケロリンのこうげきこうげきこうげき!!


 魔物は十三回死んだ! 極悪非道のおかげでケロリンはまたしても魔物的レベルが上がった!


「ふ、これが魔物の鍛え方ってもんだ。悪いことしてなんぼだぜ」


 しかし勇者には逆らえないですよね?


「……サエお嬢の笑顔には勝てねぇから仕方ねぇんだよ」


 サエちゃん固有スキル『エンジェルデビルスマイル』効果:可愛すぎて大抵の人が逆らえなくなる。嫉妬深い女には逆効果。


「あ、ありがとうございました!!」


「あん?」


「どうかお礼をさせてください!」


「何言ってんだ。見てわかるだろ? 俺様は魔物。悪いやつなんだよ。そんなやつにお礼なんて――」


「いいえ! あなたは私を助けてくれました! だから絶対にいい人なんです!」


「そんな簡単に人を信用すんじゃねぇよ」


「いいえ! 絶対にいい人です!」


「人でもねぇし」


「いいゴミです!」


「それはリサイクルできる的な意味で言ってるのか」


「ともかくお礼をさせてください!」


「いらねぇっての」


「空気を読め!!」


「急に偉そうになったなオイ!」


 半ば強引な形でケロリンは引き摺られていきました。


「実はですね、いま街にとんでもない人たちがいるんです。どうかそれを退治してください!」


「お礼はどこ行った?」


「その人たちを倒してくれたら、いくらでもいたします!」


「襲われてたわりには随分とあつかましいキャラだなあんた」


「その人たちは勇者と身を偽り、人を助けるフリをして上手いこと色んなものを巻き上げていって……私の家も、うう」


「何を盗られた?」


「エロ本です」


「オイ、いくらなんでもヒドいだろこのキャラ。なんとかしろよKYシステム」


 エロを求めぬ人はおらず。これすなわち、空気を読んだ結果なり。


「……スライムの俺にゃ、わからんな」


「おお、娘よ! 無事に帰ったか!」


 突然だが街娘の父親が現れた!


「ああ、お父さん! あの偽勇者たちはどこに!?」


「あっちだ! ちょうど俺のエロメイド服も盗られたところさ!」


「なんてこと! お母さんの形見なのに!」


「……オイKYシステム。何の空気を読んだ結果で生まれたんだ? この家族は」


 なんでしょう。空気が読みにくい世の中ですから。


「もっともらしいこと言いやがって。まぁいい、愛しの勇者様たちのためにも、街へと貢献しときますかね」


「さぁ本当の勇者様!」


「勇者なんて呼ぶな小娘」


「じゃあ本物のゴミ!」


「てめぇをゴミにしてやろうか!」


「にっくき敵は、あちらです!」


 そしてそこには、皆さんの予想通り――ケロリンの飼い主一行がいた。さてどうする、ケロリンは空気を読んで勇者一行に牙を向けるのか! それともやっぱり服従して街に迷惑をかける方へと回るのか! 次回、勇者VSケロリン! どうぞお楽しみに!




 その頃の魔王城では……


「…………」


 ぺら。


「…………」


 ぺら。


「…………」


 先日、村娘Aが購入したエロ本(カカたち経由)を、なぜか人間の姿に戻ったトメとカツコも合わせて三人で黙々と読んでいた。


 断っておくが、読んでいるだけである。ただ読んでいるだけなのだ。


 黙々と……




 超久々のカカ天クエストでーす。といいつつケロリンしか出てませんな笑


 果たしてこの後、勇者とケロリンはどうなるのか!?


 またお楽しみにー!

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