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カカの天下  作者: ルシカ
811/917

カカの天下811「カカさんリハビリ中」

 こんにちは、トメです。


 最近元気がなかったカカが復活した模様です。何があったのか、友人から聞く限り予想はつくのだけど……まぁそこをツッコむのは野暮だよな、うん。


 とりあえずどんな風に復活したかというと、例えば朝食風景。


「いただきまーす」


「おー食え食え。今日は目玉焼きが綺麗にできたんだぞ」


「ねぇトメ兄。この目玉って誰の目玉?」


「シュー君」


「食べる気なくしたし!!」


「じゃあサエちゃん」


「ぜっっったい食べれないし!!」


「じゃあ」


「もうやめて! なんか涙出てきた」


「じゃあ聞くな」


 例えば学校へ行くとき。


「トメ兄、いってきます」


「いってらっしゃい」


「ヘイらっしゃい!」


「いってきます」


「……あれ。ねぇトメ兄? ねぇ」


 適当に流して僕も会社へ出かけた。


 さらに例えば、家に帰ってきたとき。


「トメ兄、おかえりなさい」


「ただいま」


「お持ちいたしました」


「何を」


「おっしゃっているのですか?」


「……はい?」


「いいえ」


 なんだか不思議な掛け合いが始まった。


「カカ、どうした」


「こうした」


「どうしてるんだよ」


「こうしてるんだよ」


「……カカ?」


「キキ?」


「……クク」


「ケケ」


「ココ」


 なんだこれ。


「とりあえず上がるぞ」


「上へまいりまーす」


「まいらねぇよ家に入るんだよ」


「一万円はいりまーす」


「そんなに持ってない」


「貧乏人はいりまーす」


「ぶっとばすぞコノヤロウ」


 例えば、夕飯のとき。


「ねぇトメ兄。『うまい』と『おいしい』ってどっちが上なの?」


「む。なかなか難しい質問だな」


「トメ兄の返答によって、どっちかが上へまいりまーす」


 そのフレーズ気に入ったのかな。


「んー、『うまい』ってのは気軽に食べられる料理を口にしたときで、『おいしい』っていうのはかしこまったものを口にしたときに言う感じがするよな。もしくは食べる人の感性か……まぁ別にどっちでもいいと思うぞ」


「そかー」


「ちなみにこの夕食、カカはどう思う?」


「まずい」


「待てやコラ」


「じゃあ微妙」


「え、ほんとに? ほんとなの? えぇー……」


 料理には結構自信あったのに……なんだかショックだなぁ……


「よし、今度はもっといいモン作って『うまい』も『おいしい』も両方言わせてやる!」


「計画通り」


「あん? カカ、何か言ったか」


「上へまいりまーす(夕食のレベルが)」


「まだ言ってるのか」


 例えば、その後。


「おーいカカ」


「リハビリリハビリ……んーと、ん?」


「今日はデザートいっぱいあるけど、一種類しか食べたらダメだからな?」


「マンマミーヤ!!」


「プリンがいいか?」


「デストロイヤー!」


「ゼリーもあるけど」


「シャカシャカベイベー!」


「あと、どら焼き」


「情熱大陸!!」


「……どれ?」


「チンパンジーは義理堅い!」


 そんなこと聞いてねぇ。


「じゃ適当に選ぶぞ。プリンでいいだろ?」


「ソレジャナイ!!」


 言いながら頷くカカ。どっちだ。


 例えば、寝るときに。


「トメ兄、一緒に寝よう!」


「またか? 何度も言うが、そろそろ子供じゃなくなってきたんだから」


「まだ子供なんだからいいじゃん」


「……なんか開き直ってないか?」


「いやいや、自分に正直になってるだけよん」


 や、これはいつもどおりじゃないかな。大人になるにはーとか色々と聞きまわってたみたいだが、どうやら『子供の部分は子供』と割り切ることにしたらしい。


 兄と一緒に寝る、なんてのは完璧に子供っぽい事柄だしなぁ。


「てい」


「あ、布団返せ!」


「はい返したぁ!」


「返しすぎ!! 吹っ飛ばされてベッドに落ちるだろうが!」


「下へまいりまーす」


「おまえを下にやってやる!」


「きゃートメ兄におそわれるー! 助けてお姉!!」


 や、ほんと、やってることは子供そのものだ。僕も含めてな。


「呼んだ?」


「姉どっから出てきた!?」  


 子供って滅茶苦茶で疲れるが、楽しいのは事実。大人になってもそれを忘れちゃいかんよな。


「よし、三人で布団の争奪戦すっか!」


「私、お姉と一緒のチームね」


 ……や、でも睡眠も大事よ? ねぇ?




 カカさんが自分を取り戻そうと頑張っているようです。


 でもしばらく更新できてなかった分、色々と書きたいと思うので、カカさんだけじゃなく他の人にもスポットを当てていきたいと思います。

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