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カカの天下  作者: ルシカ
798/917

カカの天下798「小学校最後の夏詰め合わせ、そのに」

 ――サエとサユカのとある夏、続き。


「カカちゃんに元気を出してもらうには、どうすればいいかーの会議だよー」


「確かに今日は元気がなかったわね。昨夜にでも何かあったのかしら?」


「かもねー。昨日の夕方までは元気に私たちと遊んでたし。その辺はトメお兄さんにでも聞くとして、私たちは私たちにできることをしよー」


「何するのよ」


「とりあえずサユカちゃんが変な格好すれば元気になるよ」


「結局それなのっ!」


「今回のテーマは縞パンね」


「見せるの前提っ!?」


「いーじゃん、女の子同士なんだし見られてもー」


「絶対にもれなくトメさんが付いてくるわよっ」


「あれ、嫌なの? トメお兄さんに見られるの」


「……えへ」


「はい買いにいこー今すぐいこー張り切っていこー」


「ちょ、ちょちょ、あああっ!」


「すいませーん、縞パンくださーい」


「声がでかいいいいいいっ! カカすけが元気ないからって君がカカすけっぽくならなくていいのにぃぃぃっ!」


「いらっしゃいませお客様。あちらが縞パンコーナーです♪」


「そんなコーナー作るなぁぁぁぁぁぁっ!」




 ――カツコとタマのとある夏、続き。


「タマ、あそこに見えるのが何かわかる?」


「くまでしゅ!」


「あれを倒すよ!」


「はいでしゅ!」


 修行の旅は続く。




 ――ニシカワとアヤのとある夏、続き。


「この電車で、西の地へ!」


「ちょっとニッシー、声でかいわよ!」


 そうして始まる二人旅。


 電車の中では……


「うおお、なぜ方向を変える!? そっちは北だ! 北には魔物が住んでいるぞ、だから西へまっすぐ走れええええ!」


「線路通りに走ってるんだから仕方ないでしょ!!」


「おお、僕の声が届いたか。進路を持ち直した!」


「だからそういう風に線路が敷かれてるだけだってば!」


「おねーさーん、アイスください」


「聞けえええええ!」


「はい、お一つどうぞ。アヤ坊」


「ありがと」


 電車を降りれば……


「よし、西野家で牛丼を食べよう!」


「ちょっとニッシー、せっかく遠くに来たんだからもっと地元の名産とか食べようよ! そんな全国チェーンで有名っぽいところじゃなくてさぁ!」


「この店は西へ行けば行くほど美味しくなるという伝説が!」


「ないわよ!」


「おお、やっぱりうちの近くより美味い!」


「気のせいよ!」


「気のせいバンザイ!」


「認めるの!?」


 目的地まで、あと少し。




 ――シューのとある夏、続き。


「どろーん」


 液体にまで溶けていた。でも誰も気づかない。




 ――校長のとある夏、続き。


 サバンナで行方不明と思われた校長だが、一瞬だけ、その姿を捉えることに成功した。これはその音声である。


「わーにさんこーちら、てーのなーるほーうへ」


 何をしているのか、非常に気になるところである。


 あと、こんな音声も拾った。


「わににく、げっとだわー。おほほー」


 この人がナニモノなのか、今後も調査を続けていきたいと思う。




 ――タケダのとある夏、続き。


 やっぱり略。




 ――インドさんとイチョウさんのとある夏、続き。


「かのちゃん。今回の自由研究は」


「カレー」


「やっぱりそうなのですね、予想はしていましたが」


「私は今まで自由研究でカレーしか提出したことないよ」


「えぇ! 毎年同じ研究で大丈夫なのですか? 先生に何か言われたりは……」


「研究成果のカレー食べたら、みんな黙るよ?」


「そ、そうですか……わたくしも協力してよろしいでしょうか?」


「うん、一緒に作ろ」


 そしてわたくしは、かのちゃんのカレー研究の一端を垣間見ましたわ。


 すごくレッドスネークカモンでした。


 とてもマネできないと思いました、まる。




 ――ユイナさんとその他一名のとある夏。


「母さん……俺は母さんの水着姿が見たい!!」


「嫌です。こんな歳になってまで着れません」


「グラビアの仕事とかも来てるじゃないか!」


「お断りしました。もうそんな歳じゃありません」


「俺にとって母さんはずっと16歳ぐらいのままだ!」


「ロリコン」


「うおおおお決めセリフをミスったぁ!!」


「仕方ないですねぇ。ちょっとだけですよ?」


「ひゃっほー!!」


「あーあ、どうせ着るならカカ君たちと海へ行きたかったなぁ」


「ふむ、どうやら向こうはそれどころじゃないようだぞ?」


「え、あの子たちに何かあったの?」


「心配はあるまい。大体は誰もが一度、通る道だ」


 トメ君がいるから、そこまで心配はしてないけど……会いたいなぁ。早く仕事を終わらせよう。


「というわけでいってきます、パパ君」


「えええええー! みーずーぎーはー!」


「また今度ね」


「今度って何時何分何秒地球が何回まわったとき!?」


「いってきます♪」


「きーいーてーよー!! せっかくガキっぽく言ってみたのにぃ」




 詰め合わせ、そのに!


 次はそのさん!


 オチは何も考えてない!


 どうしよう!


 時期的に夏が終わる!


 どうしよう!

 

 とりあえずアイス食べよ。

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