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カカの天下  作者: ルシカ
795/917

カカの天下795「れれれのひっく」

 ひっくー、カカです。今日も暑いねぇ。


「トメ兄、ひく!」


「なんだよ、その挨拶が気に入ったのか?」


 そういうわけじゃないんだけどさ。


「いまさ、宿題やってるんだけど、ひく!」


「おー、偉い偉い」


「ここがわかんなくて。ひく!」


「……もしかして、普通にしゃっくり出てるのか」


 そうなのさ。


 でもそれはそれとして、今は宿題なのさ。


「この問題なんだけど」


「どれどれ」


「758たすひく74かけるひく9ひくわるひく――」


「わからんわ!!」


「でしょ? ひく!」


 や、本当の問題はこんなじゃなくて、しゃっくりが混ざってるだけなんだけどさ。ひくひく言ってたら頭の中もこんがらがってきちゃって……そう弁明してみると、トメ兄は呆れたようにため息をついた。


「仕方ない。外で遊んでこい。そしてしゃっくりをうつしてこい」


「しゃっくりってうつるの? ひく!」


「うつそうと思えばうつるだろ」


 そうなのか。じゃあトメ兄にうつそう。


「僕にはうつらないぞ」


「なんでさ」


「今日はうつらない日だから」


 この人もたまにわけわかんないこと言うよね。


「わかった。じゃあうつしてくる」


「いってらっしゃー」


 まずは近場だよね……


「ひく! ひく!」


 しゃっくりしながら外を歩く。


「くひ! くひひ!」


 オリジナリティを追求しながら歩いているうちに目的地へ到着。


「あ、カカちゃん。いらっしゃーい」


「サエちゃん、ひっくー」


 よし、うつれうつれうつれうつれうつれうつれつれつれつれつれれれれれのれー!


「あれー?」


 そのとき、サエちゃんに変化が!


「ひくー」


 やった、うつった。


「なにこれー。ひくー」


 それにしても随分と余裕のあるしゃっくりだ。


「しゃっくりをうつしてみた」


「なにそれー。カカちゃんひどいー。ひくー」


「ごめんねサエちゃん。じゃあ他の人にうつそうか」


 そんなわけで二人で移動。目指すはもちろんあの子のおうち。


「あら、カカすけサエすけ。突然どうしたのっ」


「さぁ、サエちゃん。サユカンに」


「うん。れれれのれー」


 それでうつるの?


「ひくっっ!!」


 うつった。世界って不思議だ。


「な、なによこれ。ひくっっ!!」


「しゃっくりうつしたのー」


「すごく勢いのあるしゃっくりだね」


「なんて迷惑な――ひくっっ!! こうなったらトメさんに口うつすわ!」


 口はどこから出てきたんだろう。


「トメ兄には効かないよ」


「なんでよっ!」


「トメ兄がそう言ってた」


「なるほどっ! さすがはトメさん! 憧れるわひくっっ!!」


 憧れてるのか引いてるのかどっちなんだろう。


「こうなったら商店街に行くわよっ!」


 というわけでさらに移動。見慣れた花屋にやってきました。


「あ、お姉だ。働いてる。ほらサユカン」


「れれれのれーって言えばしゃっくりはうつるよー」


「そんなジンクス初めて聞いたけど……覚悟を決めるわっ! カツコさん!」


「あん?」


「れれれのれっ!」


「バカじゃないのあんた」


 あ、サユカンが石化した。そりゃお姉なんかに言われたらねぇ。


「……む!?」


 しかしそのとき、お姉に変化が!


「ヒキキ!!」


 なんて気持ちの悪いしゃっくりだ。


「なんてことすんのさ! ヒキキ!」


 どうしよう、妖怪にしか見えない。


「こんなもの、あたしだってすぐにうつしてやる。サラちゃん!」


「はい、なんでしょうかカツコさん」


 のこのこと店の裏から出てくるサラさん。


「れれれのれ!」


 そしてうつされるしゃっくり。どうでもいいけど、れれれのれって呪文すごいね。 


「ひっく」


「サラさんのしゃっくりは普通だ」


「名前しか特徴ないもんねー」


「しゃっくりさんかしら。略してクリちゃんでどうっ?」


「好き勝手言ってくれるわね、君たち……ひっく、ひっく」


「おぉ、クリちゃんがひくひくしてる」


「カツコさん!! なんてこと言うんですかあなたは!!」


「きひひひひ!」


 さっきのしゃっくりみたいに気持ち悪く笑うお姉。何がそんなに可笑しいのか私にはよくわからない。


「さぁクリちゃん。次は誰にしゃっくりをうつす?」


「サラです。よくわからないですけど、ちょうどよくキリヤさんがそこから歩いてきますね」


「よし、クリちゃん」


「サラです」


「キリヤンに向かって、『れれれのれー、しゃっくりをあなたにぷれぜんつ、ふぃーばー! ぷっぷくぷー。私は鳥になりたい』って言うんだよ。そうすればしゃっくりはうつるから」


「わかったわ」


 わかったんだ。私はわからないのに。


「キリヤさん!」


「あら、どうしましたサラさん」


「れれれのれー、しゃっくりをあなたにぷれぜんつ、ふぃーばー! ぷっぷくぷー。私は島になりたい」


 大体あってる。ちょっと違う。


 しかし、しゃっくりは見事にキリヤンに!


「ヒッキリヤ!」


「嘘でしょ。いろいろと」


 私の言葉にキリヤンは高笑いで応えた。


「はっはっは! しゃっくりとは個性が出るものです。しかし私も仕事がある身、しゃっくりを残したまま店に戻るわけにはいきません。というわけで、れれれのれー!」


 もしかして、れれれのれーでしゃっくりがうつるというのは結構メジャーな伝説なのだろうか。


 何はともあれ、キリヤンが呪文を唱えた先には――


 総理大臣がいた。


「にゃっく」


 そして見事にうつった。


 世界って本当に不思議だ。




 意味がわからないサブタイトルと共に、よくわからない話をお届けしました。


 今回の話はですね。


 実はさっき隣の人がしゃっくりして、そのあと近くを猫が通ったんですよ。


 だから書きました。


 我ながらわけがわかりませんね。でもカカ天はそういう作品です。


 どういう作品なのかは想像に任せます笑


 

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