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カカの天下  作者: ルシカ
793/917

カカの天下793「ですよ」

 こんばんは、トメです。


 今日も今日とて夜なのに暑いです。半そでシャツにブカブカなハーフパンツという楽な格好ですが、それすら脱いでしまいたいところです。しかしちゃんと身体を保温しなければ健康によくないし、何より大人として、だらしないマネはできません。


 そんな理知的な僕に無理難題をふっかけくることでお馴染みなのがこいつ、妹のカカ。今回は一緒に寝ようなどと言うのです。


 一見、大したことじゃないように思えます。しかし、しかしですね! 重大な問題があるのです。


 カカも小学六年生。


 すでに身体が大人へと成長し始めている時期。


 とかそういう理由はもちろん微塵も関係なく、ただでさえ暑いのに二人でなんて寝られねーよバーローということです。


「……どうしても一緒に寝るのか」


「うん。だって恐いもん」


「何が恐いんだ」


「お姉さん」


 その気持ちはよくわかる。お姉さんとは恐いものだ。うちのは特に。


「幽霊のお姉さん」


 うん、わかってるよ。あのバケモノな姉のことじゃないのは承知している。でも実際お姉さんって名のつく人たちってどこか恐いんだよね。そう思ってしまうのは男のサガかしら。


「だから一緒に寝ゆ」


「寝ゆ?」


「眠いから」


 まともに喋れないくらい眠いらしい。


「はぁ……わかったよ。一緒のベッドで寝てやる。ただし僕に近づくなよ、暑いから」


「わーい」


 そんなわけで、一枚のタオルケットをお互いのお腹にかけて寝転がり、電気を消したわけだ。距離は結構空けたから、そんなに暑くはない。


「ぎゅ」


 訂正。めっさ暑い。


「カカ、暑いだろ」


「暑い、うざい、ぷしゅー」


「最後のはよくわからんが、僕も同感だ。だから離れろ」


「やだ。暑い。でもぎゅー」


 暑さより恐さのほうが勝るか。


「トメ兄だって妹に懐かれて嬉しいでしょ?」


「暑い」


「嬉しいでしょ?」


「暑いという感想しか持てない」


「妹の可愛さに癒されるでしょ」


「暑苦しい」


「可愛いって言え!」


「ええい、その図々しさが暑苦しいとなぜわからん!?」


 ひっついてくるカカを蹴るようにひっぺがす。その足を両手で押さえ込み、懲りずにひっついてこようとするカカ。く、この僕に両足を使わせるとは、なかなかやるな! えい、とお! などと寝ていても意外と格闘ってできるんだよなぁなんて童心に返ってみる。


「ゆーれーこわいー!」


「あーつーいー!!」


 ていうか丸っきりガキだな僕ら。


「は!?」


 攻撃中だったカカは、なぜか急に動きを止めた。


「どうしたカカ」


「お姉さんの霊が私にのりうつった」


「それ絶対うそだろ」


「うらめしやー」


「なにが」


「何がって?」


「何がうらめしいのかってこと」


「うらめしいってどういう意味?」


「帰れおまえ」


 自分の部屋に。


「とにかく私は今、お姉さんなの!」


「どのへんが?」


「うやめしイヤン!」


「ほんと帰ってください」


 ほんと暑いんですってば。


「むー、じゃあバラすよ。実はね、私はあなたの本当のお母さんなの!」


「その胸で母乳を出したのか。鼻で笑っていいか?」


「ちーがーう! 私はこの子に憑いている霊なのよ。サエという子がたまに見かけていたでしょう? たまにこの家へ訪れる女の霊、それが私。あなたの本当のお母さん」


「へぇ。お母さん、お名前は?」


優霊出素夜ゆうれいですよ


「帰れ」


「なによ! 本当なのよ!? あなたの名前は優霊トメなの」 


 幽霊と目。


 なんか恐い。


「まぁいいや帰れ」


「本当なのよ!」


「嘘つけ」


「うん嘘。ただの通りすがり出素夜」


「寝てもいいですか?」


「だーめー! もうちょっと遊んでほしいの出素夜」


「いや出素夜」


 そんなこんなで夜は更けて。




 翌日。


 寝る直前にしていた阿呆な会話はかなり忘れていた。それが夢だったのかどうかはわからない。本当に霊が憑いていたのかも不明だ。


 そして今日も今日とて我が家に揃う三人娘。その中で最も霊感がある少女、サエちゃんが言うには。


「どちらにせよ、ああいうのはトイレにいけば出ちゃうものだからー」


「排泄物っ!?」


 除霊って簡単なのな。


「よかった。じゃあ私はもう大丈夫だね。朝からおっきいのしたから」


「そこの女子。お姉さんになりたいならその辺は口にするんじゃありません」


「そりゃ大便なんて口にしないよ」


「そうじゃなくて」


 ああ、本当に母さんが来てくれればこの辺も教育してもらえるんだけどなぁ。この際、幽霊でもいいからお願いしたいわ。




 お久しぶり出素夜。


 いやはや、激動のお盆がようやく終わり、少し余裕が持てそうです。とか言ってたらあと十日で八月が終わり!?

 むう、これはちょっと頑張らないといけませんね。


 カカたちの夏が全然書けてない。書かなければ。いやまぁ夏らしくなってきたのはめっちゃ最近なんですけどね。やっと梅雨終わったけど暑い暑い。


 夏休み終わった直後も相当暑いんじゃないですかね。勉強できるのか学生さんたち笑


 なんにせよ、皆様。体調を崩さないよう気をつけましょうね。 

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