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カカの天下  作者: ルシカ
783/917

カカの天下783「まぁいいや」

 ども……カカです……暑い……


 連休の昼間、私は居間でくたばってます。原因はこの蒸し暑さです。蒸しカカです。居間でお昼ご飯を食べた後、そこから全く動く気力が起きなくて……身体を大の字にして寝転がってます。


「とめにー……ジュース飲みたい……」


 返事がない、ただの蒸しトメのようだ。


「とめにー?」


 ごろん、と自分の身体を横に転がして、トメ兄が座っていたはずの方を見る。やっぱり蒸しトメだ。私と同じように横になってくたばってた。昼食の片付けをして力尽きたらしい。


「……自分でいくしかないか」


 かといって立つ気力はないので、ごろごろと横に転がって台所にある冷蔵庫を目指す。


 あ、なんか足にぶつかった。なぜか床に放置されていた瓶が倒れ、その中に入っていたビー玉がこぼれ落ちまくる。誰だこんなものをここに置いたのは。私だ。手芸に使えないかと寝転がりながらダラダラと遊んでいたのだ。まったくもう、どうしてくれよう。


 まぁいいや。 


 爽やかに無視してごろごろ冷蔵庫へ向かう。


 台所ゾーンに突入、床が冷たいぞ、もうすぐだ。


 そして目標が見えた!


 そこで気づく。冷蔵庫の扉、その取っ手が随分と高い位置にあることに。


「……立ち上がるしかないのか」


 手を床について、力を入れる。


「ふっ!」


 ダメ、だるい、力がでない。立てない。


 よぅし、こうなったら。


 私は再びゴロゴロ転がって、各所に落ちているものを集めた。


 ほうき、孫の手、ガムテープを手に入れた!


 なぜこんなものが台所近辺に落ちているのか。その理由は『暑いから』に他ならない。暑くてだるいから適当にその辺へポイポイ置いちゃうんだよね。


 さて、と。ほうきと孫の手の柄をガムテープでぐるぐる巻いてくっつけて、即席カカハンド完成! 別名、長い棒! 


 これで寝ながらでも高い位置へ手が届く。レッツトライ!


「えい、えい!」


 ……微妙に届かない。よし、こうなったら。


 私はまたまたゴロゴロ転がり、居間へと戻る。


 そしてトメ兄の死体の横に並び「んしょ、んしょ」と、自分と一緒にそれを転がしていった。死体はピクリとも反応しない。


 やがて冷蔵庫にたどり着いた。


「はいトメ兄、これ持って」


 おお、ただの死体じゃなかった。トメ兄の手は即席カカハンドをしっかり握ってくれたのだ。寝ててもちゃんと言うこときいてくれるんだね、さすが妹大好きなだけはある。


「よし、トメ兄の腕の長さをプラスしたカカハンドで、あの冷蔵庫を開けるのだ!」


 トメ兄の腕を持って、えいやーそいやーと操作してみると……意外とあっさり扉は開いた。


 次はジュースを取るのだ――あ、なんかぶつかった。ボウルに入れて冷やして置いたらしいサラダが落ちる! 受け止めるんだカカハンド!!


 そのとき、奇跡が起きた。


 カカハンドの、細っこい孫の手の先に、それなりの大きさがあるボウルが乗ったのだ! こんな色々繋がってる棒の先で静止するなんて、すごいバランス感覚。


 ほら、ちょっと左右に揺れるけど倒れ落ちない。重力にしたがってツツツーとこっちに向かってはいるけど……孫の手を超えて……ほうきの柄を越えて……トメ兄の腕を超えて……


 そのままトメ兄の顔にサラダが落ちた。


 まぁいいや。


 とにかくジュースをゲットせねば。うまくパックの口にある隙間にハンドの先を刺して、持ち上げて……そのまま、こっちに持ってきて……やったぁ、げっと!


 念願のジュースだ。これを手に入れるまで、どれだけ苦労したことか。頑張って立ちあがったほうが早かったなんて意見は聞こえない。さぁパックの口を開けて直飲みだ!


 あ、寝ながら飲んだら手元が狂ってトメ兄にジュースかかった。


 まぁいいや。


 よし、今度はジュースを戻さないと。


「ほらトメ兄、カカハンド握って。ちゃんと働きなさい!」


 よしよし、ジュースのパックを冷蔵庫に戻せた。今度は扉を閉めるよ、これは簡単だ。うんしょ!


 カカハンドでぐいっと!


 バターン! と勢いよく冷蔵庫の扉が閉まる!


 勢いよすぎてカカハンドの先、孫の手がすっぽ抜けた。


 いろんなところに跳ね返った後、寝ているトメ兄のお尻に刺さった。


 まぁいいや。


「みっしょんくりあ」


 さて、居間の定位置に戻って寝よっと。




「という夢を見たのさ!!」


 がばっと起き上がる僕、トメ! そう、僕はトメだ。カカじゃない。今のは暑い最中で昼寝してしまった僕が見た夢だったのさ!


「……あれ。なんで僕、台所で寝てるんだ?」


 嫌な予感がした。頭を触る。ベジタブルな感触。お尻を触る。痛い。なんか刺さってる。まさか、実話だったというのか!?


「おいおい……む?」


 立ち上がった際、僕の半ズボンの中からボロボロとビー玉がこぼれ落ちた。


「え、え? なんでこんなもんがもっさりと股間に入ってんだ!? まさか最初にビー玉を倒したときに……いや待て、だからってこうはなんないだろ! おいカカ! 起きろ、一体何がどうなって――」


「えっち」


「なんでやねん!!」


 現実は夢より奇なり。




 ダラダラした話をー、とか言ってたら更新もダラダラしてしまいました。


 違うのです、更新したつもりだったのが、できてなかったのです。更新するとき仕事前で時間がなくて確認しなかったのです。そして時間ないので保存するのも省略してたら、見事に書いた分が消えちゃったのです。

 ちょうどエラーとか出てる時期だったみたいですね。間が悪かったです。そして書き直す時間もなかなか取れず……こんなに遅れてしまいました。


 なんか悔しいのですぐに次書きます。

 さっき日食見たので、その話でも……


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