カカの天下766「カカ天クエスト Ep13」
注意:このお話はカカ達がゲームのキャラになりきりながらRPGを進める話
です。話の内容はゲームの中ですが、『もしもカカ達が異世界にいたら』みたい
な感覚でお楽しみください。
ステータス
カカ ボケ勇者 レベル1 へん
サエ 悪の魔法使い レベル1 はらぐろ
サユカ 手の平の踊り子 レベル1 さびしんぼう エロレベル3
トメ ツッコミ レベル1 つっこみ 超ドリル
ケロリン スライム レベル30 おっさんくさい 超ゴミ
結構間を空けましたので、話を忘れた方は706話まで戻ってネ。
パワーアップしたケロリンと再会した一行は、汚してしまった街をお掃除してから出発し、新たな街を目指すこととなった。
「なんだかんだあったけど、街の人たちは感謝してくれたねー」
「来たときよりも綺麗にして帰るのが基本だからね」
勇者カカはピクニック気分で旅をしているらしい。
「そう教えてくれたのは、トメさんだったわね……」
どうやらトメもピクニック気分だったらしい。
「トメ、かぁ。さらわれるときに俺様がいれば……今は生きてるやら死んでるやら」
「生きてるわよっ! トメさんが死ぬなんて、そんな、そんな……!」
「落ち着きなよサユカン。大丈夫、トメ兄はちゃんと生きてる」
「そーそー。あの村娘Aのオモチャにされつつ、きっと生きてるよー」
「……それならいっそ死んでくれたほうが」
『どっち』
とても勇者らしい会話しながら進む一行。
しかし、そんな彼女たちの前に魔物が立ちはだかる!
田中さんの群れがあらわれた!
「こ、こいつらは! 前にケロリンを倒した『よくある苗字ーズ』の一角!」
「くっくっく、おもしれぇ。あのときの俺様と思うなよ!」
ケロリンはゴミブレスを吐いた!
面倒くさいんで全員ダメージ統一! 田中さんたちは200のダメージを受けた。
田中さんは絶滅してしまった。
「ぜ、絶滅!? じゃあ、田中さんは、もう」
「……そう、この世界にはいなくなっちゃったんだよ。田中さんという苗字は」
「た、田中さん……!」
カカは悲しみに崩れ落ちた。
「別にいいじゃないの。RPGで漢字の苗字の人なんてほとんどいないんだから」
「それもそっか」
カカは立ち直った。
そんなこんなで佐藤さんと鈴木さんも絶滅させながら、一行は新たな街へとたどり着いた。
そして手始めに……いつも入り口に立って場所名を言うのが仕事という、どこにでもいる不幸で不憫な街人に声をかける。
「ここはトラブルの街さ! 今、街はいろんなトラブルに溢れているんだ!」
「明らかに街の名前のせいだと思うのはわたしだけかしら」
「サユカン、そういう文句は街を作った人に言おう」
「製作者、出てこーい!」
「いやサエすけ、確かに作った人はそっちだけどっ」
そこでカカは気づいた。
「あれ、ケロリンは?」
「そういやいないわねっ」
「街のトラブルが増えるから、外で待機してるんじゃないのー?」
「ああ、言われてみれば街中を魔物が歩いてたら問題ねっ」
「んーん、ゴミの不法投棄問題だよー」
「なるほど」
戦闘でお世話になりまくっているわりには酷いモノ言いである。
「それじゃ、まずはどうしよっかー。武器屋さんとか覗く?」
「や、待った。トメ兄のRPG経験から言うとね」
「トメさんいないじゃないの」
「現実のほうのトメ兄に聞いたの」
本当に身も蓋も無い勇者である。
「とにかく、プレイヤー側のトメ兄の情報によると。こういう問題の多い街ってね、選択肢を選ぶだけで解決できるイベントもあるの。そして解決した後には大抵アイテムがもらえるから、それを取れるだけ取ってから買うものを選んだほうがいいみたいだよ!」
「なるほどー。そういえばお母さんもゲームしてて新しい街に入ったら、必ず最初にタンスとか壺を全部調べてた」
とことん身も蓋も無いゲームキャラである。
「よし、じゃあ最初は街の人に片っ端から声をかけるわよっ!」
街人その一に話しかけた。
「た、助けてくれ! うちの子供がさらわれたんだ!」
なんと答えますか?
選択肢1:それは大変だ! まかせろ!
選択肢2:あっそ。
「誘拐でしょ? 警察に届けなさい」
カカは選択肢を無視した!
続いて、街人その二。
「俺の大事なぬいぐるみが盗まれたんだ! なんとかしてくれ!!」
なんと答えますか?
選択肢1:大事なものなんですね、私が探してきます!
選択肢2:おっさんのくせにぬいぐるみ? 恥を知れ。
選択肢3:キショイ。
「窃盗でしょ? 警察いけ」
カカは選択肢を無視した!
さらに街人その三。
「あぁ、ボウヤ! あたしの可愛いボウヤはどこにいったの!?」
なんと答えますか?
選択肢1:私に任せろ!
選択肢2:おばさん化粧濃いよ。
選択肢3:かったりぃ。
選択肢4:ていうか、そこにいるし。
「捜索願いは警察で」
カカは選択肢を無視した!
懲りずに街人その四。
「ふがふが、助けておくれ。強盗に襲われておるのじゃ」
なんと答えますか?
選択肢1:こんなおじいさんに、なんて仕打ちを!
選択肢2:年貢の納め時だね。
選択肢3:がんばれ。
選択肢4:えっち!
選択肢5:脈絡もなくじいさんを殴る。
「おまわりさーん! こっちこっちー!」
カカは選択肢を無視した!
「カカすけ……あんたって……」
「まーまーサユカちゃん。いくら選択肢の4が選びたかったからって」
「そんなこと一瞬も思ってないわよっ!」
「まさか、5!?」
「違うっての! 1の選択肢を無視するカカすけに呆れてんのよ!」
「1ってなんだっけ?」
「たしか……とりあえず揉みしだく、だったようなー」
「サユカンのえっち!!」
「そんな選択肢なかったわよっ!!」
一行は混乱している!
「まーまーサユカちゃん、黙ってもう一度、最初の街人に話しかけてみなよー」
サエに言われた通り、一行は最初に選択肢が出た街人に話しかけた。すると?
「ありがとう勇者様! おかげで問題が解決しました。これ、お礼です!」
アイテムを手に入れた!
「……なんで? なんで!? カカすけ何もしてないでしょっ!? 警察を呼んですらいないでしょっ! お礼を言わなきゃならないのは警察相手にでしょ!!」
「ふしぎだね」
「一言で片付けるな! それでも勇者かっ」
「まーまーサユカン。選択肢を選んで、それで解決できたなら、結果オーライで街の人は満足するんだよー。そういうプログラムなんだよー」
「プログラムとか言うなっ!」
「裏技みたいなもんだよね」
「裏技とかも言うなぁっ! ここはゲームの世界なんだからねっ!」
「だからだよ」
「あ。そっか」
サユカは納得せざるを得なかった!
「まーまーまーまー。とりあえずアイテムもらったんだから確認しようよー」
「……そうね。なんか怒鳴るだけ無駄な気がしてきたわ」
「どれどれ? お、本だよ。なになに? この本を使うとせいかくが変わります、だって」
「おー、ステータスのせいかくが変わるんだね」
「どんだけ影響力強い本なのよっ」
「サユカン、そんなとこにまでツッコんじゃダメ」
今回はぶっちゃけまくりです。ああ、いつもですね。
「それで、なんてアイテムなの?」
「エロ本」
サユカはエロ本を使――
「わないわよっ! なんで勝手に使おうとしてんのよ!」
「システムが空気を読」
「んでないわよっ!」
「サユカちゃん専用のアイテムって書いて」
「ないっての! わたしはそんなキャラなんて嫌だって言ってるでしょっ」
「ちなみに言うと、他にもらったのは、すごいエロ本と」
サユカはすごいエロ本を使――
「わないっつうのっ!!」
「あとやばいエロ本と」
サユカはやばいエロ――
「だから使わないってば!」
サユカはやばいエロ。
「なんでそこで止めるのよっ!? なんで繰り返すのよ!」
「それから、トメのエロ本」
「ほしい!」
サユカは今度こそアイテムを使った!
「うっそーん。普通のエロ本でした」
「にゃあああああああああ!?」
サユカのエロレベルが上がった!
おまけ。
「ちなみにもう一つもらったアイテムは、『エロメイド服』らしいよ」
「トメとサユカしか装備できません、って書いてあったー」
「本とまとめて、全部店に売ったわっ!!」
『ええええ』
どんな店に売ったかは秘密だ!
――その頃、魔王と村娘Aに捕らえられたトメは。
「ふっふっふ……」
村娘Aは怪しくほくそ笑んでいる。
「さっき店で購入してきたこの本……」
どんな店で買ったかは秘密だ!
「ちょうど流れてきたところを買ってしまったけど……これを全部、この改造したトメに読ませれば……ふふふ」
トメはドリルなので返事ができない!
「さぁ、もっと恐ろしい魔物に! あれ、本はどこいったのかしら。魔王様、知りません?」
「あ、ごめん。あたし全部読んじった」
「なんですとー!? じゃ、じゃあせいかくが」
「あたしの性格がその程度で変わるはずあるまい」
「……そうですね」
「もともとエロいし」
「そうですね」
ドリルになったトメとも何気にうまくやってる魔王城! とりあえず置いといても大丈夫そうなので次はケロリン特集だ! 次回、『ケロリン大活躍』をお楽しみに!
ひっさびさのクエストです。でもストーリーがあまり進まないのは仕様です。
そもそもゲーム内に警察があるのか? という質問は受け付けません。その辺は空気を読んでください。姉の性格についても空気を読んでください。
それにしてもキリヤとユカさんのカップル成立は反響大きいですな。ほとんどの人が祝福していただけているようでよかったです。
いやまぁ祝福できない方のおもしろメッセージとかあればカカラジで公表して笑いますので、何かあるかたはぜひ笑
あと最後に。
田中さんとか、ごめんなさい。