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カカの天下  作者: ルシカ
762/917

カカの天下762「チビたちは見た!」

 クララです!


 大変なものを見てしまいました! なのでタマと一緒に走ってます!


「てぇへんだー! てぇへんだー! です!」


「ていへんでしゅ! ていへんでしゅ!」


 事件があったときは、こう叫びながら走るのが決まりなんです! テレビでやってました! クララ物知りです!


「誰が底辺だ!?」


 なぜか通りすがりのタケダに怒られました。




 カカです。


 トメ兄とユカさん。そしてキリヤンとサラさんのラブラブ疑惑。これについてずーっと話し合っているのですが、どうにも解決しません。何をもって解決とするのかも微妙ではあるのですが……サユカンはとにかく「トメさんは無実!」の一点張りで協力してくれないし、サエちゃん情報網も決定的な証拠はつかめないし、お手上げです。


 そんなこんなで、最近は登場率の低いこの方に話を伺ってみました。リポーターは私、カカ。そしてサエちゃんです。サユカンは興味ないらしく不参加です。


「あぁん? トメが元カノと?」


 荒っぽい口調が格好いい我らが先生、テンカさんです。


「んなことオレにゃ関係ねぇだろ。トメがどこの誰と付き合おうと」


「……本当に、関係ないんですかー?」


 オレは全然気にしてませんとシラを切るテンカ先生。でもね、ネタは上がってるんだよ!


「テンカせんせー、私、知ってるんですよー」


「んだよ」


「先生の手帳。大事に大事な写真が挟まれていて、肌身離さず持ってるんでしょー?」


 ぎくり、とテンカ先生の身体が強張る。これはビンゴのようだ。


「どっから聞きやがった……」


「その写真って、誰の写真ですかー?」


 質問に答えず、ニヤニヤしながら迫るサエちゃん。


 テンカ先生はバツが悪そうにそっぽ向きながら……やがて観念した。


「はぁ。あーわかったわかった、白状するよ」


 おおお?


「じゃあテンカ先生。写真に映ってるのって」


「トメ」


「「おおおおおおー!?」」


「の、かーちゃん」


 そういやファンだっけこの人。




 またクララです!


 まだ走ります!


「てぇへんだー! てぇへんだー! です!」


「ていへんでしゅ! ていへんでしゅ!」


「どうせ僕なんか底辺さ……」


 すれ違ったシューが勝手に落ち込んでいました。




 またカカです。


「わかったろ? オレは別にトメのことをどうこう想ってるわけじゃ、ねぇんだよ」


 テンカ先生は不敵な笑みを浮かべて断言した。でもそれで引き下がる私たちじゃない!


「……テンカ先生の誕生日のとき、トメ兄に迫られてきゅんきゅんしてたくせに」


 ほれ、一気に顔が引きつった。


「し、してねぇよ!!」


「したよ、したした。見てたもん」


「してねぇっつうの! きゅんきゅんってなんだよ!?」


 すかさずサエちゃんは携帯を取り出した。


「これがその証拠だよー」


 音声が再生される。


『テンカってばきゅんきゅん♪』


「ほらー」


「明らかにてめぇの声マネじゃねぇか!?」


 あらら、バレたか。お母さんに伝授されたサエちゃんの声マネ術、結構いい仕事するんだけどな。


「とにかく、オレには関係ねぇんだよ!」


「きゅんきゅん!」


「うっせぇっつうの!!」


 


 またまたクララです!


 まだまだ走ります!


「てぇへんだー! てぇへんだー! です!」


「ていへんでしゅ! ていへんでしゅ!」


 ゆーたがいました。


「俺はタイヘンではない、ヘンタイだ!!」


 そうですね。




 またまたカカです。


「きゅんきゅん!!」


「きゅーんきゅーん!!」


「うっせぇよ何の虫だてめぇら!?」


「テンカ先生きゅんきゅん虫」


「オレの名前を勝手に使うんじゃねぇぇぇ!!」


 先生で遊んでいた、そのとき。見慣れた二人が唐突に現れた!


「へんたいだー! へんたいだー! です!」


「へんたいでしゅ! へんたいでしゅ!」


 なんだって!?


「変態はどこだ!?」


「「……あれ」」


 首を傾げるクララちゃんとタマ。その反応をしたいのはこっちなんだけど。


「クララ違いました、大変です! 大変大変大変なのです!」


「ダイヘンタイ?」


「そんな大層な変態じゃないのです! 大変な二人を見てしまいました!」


 大変な二人? このタイミングで……まさか!


「それって、トメ兄とユカさん!?」


「クララ他にも見ました!」


「タマもたまたま見ました!」


「タマタマを見たの!?」


 首を傾げるタマちゃん。わかんないならいいや。


「他にも見たって、まさかまさか、キリヤとサラさんもー?」


「そうです!」


「うわぉ、まさに噂のダブルペアだね。それで、大変って?」


「その二人がなんと……ちゅーしてたのです!」


 ちゅー!?


「へんたいでしゅ」


 その通りじゃないか!?


「い、急いで見にいかないとー」


「だな。走れてめぇら!」


「て、テンカ先生。興味ないんじゃ」


「友人の恋愛に興味ねぇはずねぇだろが! 行くぞ!」


 なんだかツッコみたいところがあったけど、それは置いておいた。


 急いで見にいかないと!!


 ところで、その二人がちゅーって……どっちの二人!?




 前回更新遅れた分、連続更新してみたり。


 なんかズルズル続いてるっぽいこの話、そろそろ切り上げに入ります。


 きゅんきゅん。

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