カカの天下729「来年の練習?」
こんにちは、カカです。
今日は卒業式。ですが去年のように面白おかしいやりとりはありません。普通に『楽しかった、うんどーかい!』とか言ってます。つまらないです。つまらなさすぎて眠くなってきました。
『みんなで行った、遠足!』
普通すぎる。
いかん、これはいかん……なんとかして面白くしなければ。
でも私がいきなり何か叫ぶのもなぁ……卒業式を台無しにしたら六年生の人に悪いし。
仕方ない。頭の中だけで面白くするか。皆の言ってることを改造して……
以下、私の脳内での卒業式ですのであしからず。
まずは……そう、入場から。皆が整列しながら体育館へ行進してきて、ぜんたーい……止まれ!
違うな。
『へんたーい……止まれ!!』
ザ、ザ! 一糸乱れず静止する我が校の生徒たち。なんとも頼もしき変態たちよ。
あ、ちなみにこれを読んでるあなた? いま動いてる? もし動きを止めていたらあなたも変態の仲間入りだよフッフッフ!
さて、それはそれとして次は……卒業証書の授与、いこうか。
そつぎょうしょうしょ……
『卒業町長の授与!』
いらねー。
『卒業少女の授与!!』
可愛ければほしいかな。
『卒業でゅみゅみゅみゅうの授与!』
やべー超ほしい。
とか言ってるうちに全部渡し終わってー、つぎは送辞だね。
『掃除!!』
……ごめん。言ってみたかっただけ。定番すぎるよね、うん。私としたことが。ほんっとごめん。
せめて送辞は意表を突いたのを!
『みんなで渡った、赤信号!』
うんうん、こんな感じ。
『一致団結して頑張った――』
えっと、団結して頑張るもの、頑張ったもの……
なんだかんだでこれかな。
『――実生活』
日々みんなで頑張って生きてるよね、うんうん。
『この学校で一番、親しんだ――』
教室? ううん、違う。
『――お便所』
大人気だよねお便所。たまに行列できるし。
『そこには、思い出が、いっぱいです』
うん、そこでいっぱい喋るから思い出もいっぱいあるよね。間違ってはいない。
『僕が、私が一番になるぞ、とみなぎった――』
んと。
『――お父さん、お母さん』
ウチの子が一番よ! 受験戦争って意外とそんな感じだよね。
んー、でもこれは私的にはいまいち……じゃあこれでどうだ。
『みんなで作った、お母さん!』
こわ。
『みんなで食べた、お父さん』
こわすぎる!! みんなこわすぎる!!
『とっても、美味しかったです!』
感想いらない!!
『さらに給食の時間は、六年生の皆さんが輝いて見えました!』
どんだけ大食いがいっぱいいるんだ!?
……ふう、ちょっとはしゃぎすぎたかな。落ち着こう。
『時に厳しく、時に優しく、色々なことを教えてくださった――』
先生? 教頭? ううん、やっぱこの人だ。
『――トメ兄』
これ本当の卒業式に言ってみたいな。もちろん本人を呼んで……うわ、愉快すぎる。来年やろう。私の知り合いの名前をどんどん使ってー……
……来年?
うん、それはいい。それはいいんだけど……来年だけじゃなくて、そこをああして、あこをこうして……あぁ、これいい! 私ってば頭いい!
よぅし、お楽しみ会はこれでいこう!
「……お?」
ふと妄想から意識を戻してみると、卒業式は答辞の途中でした。
『お世話になった、お父さん、お母さん。おじいちゃん、おばあちゃん――』
そんな卒業生の言葉を聞いて、なんとなく思いついた。
『みんなで逝った、おじーちゃん、おばーちゃん』
おじいちゃあああああああああん! おばあちゃあああああああああん!!
「カカちゃん……泣いてるの?」
「か、悲しくて」
「そっか……私の胸で泣いていいんだよー」
「ううううううう」
「カカすけって意外とセンチねっ。てっきり自分に関係ない卒業式なんかどうでもいいかと思ってたわ」
ごめんサユカンそれ正解。
遅くなりましたが、卒業した皆さんにこの話を送ります。
……い、いや、ほんとすみません! ほら、子供のすることですから! こんな話イラネーヨとか言わないで!!
こ、こほん。気を取り直しまして。世間ではもう春休みが始まってるっぽいですけどようやく卒業式です。ちゃっちゃと追いついてお楽しみ会始めますが、今回は色んな意味で意外になるかなーと思ってます。
あと、もう一つ。
更新日が一日遅れました。
なぜかといいますと……作者が飲み会で潰れて二日酔いで、仕事始まるまでずっとくたばってたからです!
書く余裕なんかありゃしねぇ! 昨晩の記憶もありゃしねぇ!
ほんっとーに、申し訳ないと思っている!!