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カカの天下  作者: ルシカ
671/917

カカの天下671「若くて自由で無敵なおかた」

 おはようございます、トメです。ふわぁ。


 クリスマスも終わり、すっかり年末モード。仕事が忙しい中でも土曜日は休日出勤したくなかったので、頑張りました。なのできちんと休みをゲット、そしてきちんと寝坊しまくりです。


「おはよ」


「おはようトメ君」


「…………」


 おー、起きたら母さんが居るってのもいいもんだなぁ。ここ最近、毎朝思うけど。


「眠そうだね、ママご飯作ろっか?」


「んや、いいよ。そんなに腹減ってないからみかんでも食う」


「そっか」


「…………」


 さてさて、みかんの積まれたカゴを持ってコタツへ入ろう。


「で、そこの小娘は返事してくれないのな。寝てんのか?」


 母さんの膝に目を向ける。そこにはふやけた顔をした妹の頭が乗っていた。コタツに身体が入ってるから生首にも見える。


「ふふふ、我が妙技に声も出ないのだよ」


「…………んぅ」


 なるほど、母さん最強の必殺耳掃除か。あれ、ほんと声出なくなるんだよなぁ。姉の技もすごいが、本家には敵わん。


「あとでトメ君もしてあげるね」


「む……」


「あ、恥ずかしい? 恥ずかしいんだ。あは、かーわい」


「うっさい。こんな歳になってまで母親に耳掃除なんか――」


 拒否の言葉を口にしかけて、カカの顔に視線を落とす。


 とてつもなく幸せそうな顔。母さんの耳掃除、尋常じゃないほど気持ちいいんだよな……僕の意地とあの幸福、どっちを取るか。


「お願いします」


「はいな♪」


 幸せになって何が悪い、うん。とりあえずみかん食べよ。


「あむあむ」


「ねーねートメ君」


「なにさ」


「トメ君って誰が好きなの?」


「ぶっ!!」


 みかん吹いた。


「な、なんだよ急に」


「ほらぁ。クリスマスで見てたら、良い感じな子がたくさんいたじゃない」


「そうか?」


「うんうん」


「例えば誰だよ」


「サラ君は?」


「サラさんは、まぁ、いい友達だし。最近話しやすくて面白いけど」


「胸とお尻どっちが好き?」


「胸――じゃなくて何をいきなりそんな質問に!?」


「ふふ、どっちもすごいじゃないのサラ君」


 いや、まぁ、確かにスタイルいいけどさ! ってなんで素で答えてるんだ僕は!?


「ふむふむ、テンカ君とかは?」


「テンは完全に男友達扱いだなぁ。巫女服でジョッキが似合うやつの、どこに女を見ろってんだ」


「えー。色々バレて慌てまくるテンカ君、可愛かったのに」


「なにそれ」


「見てなかったのかぁ。よし、今度またやっちゃおう」


 何をやるのか気になるけど、聞いても教えてくれないんだろうな。この人、楽しみを見つけると密かに土壇場まで取っておくタイプだし。


「おっきい胸とちいさな胸、どっちが好き?」


「別にどっちも――だからなんでそんな質問になるのさ!?」


「あはは、気になるじゃーん」


 そしてなんでまたもや素で答えてるんだ僕は!?


「どっちも? 胸の大きさは興味ないのかな」


「どちらかというと、くびれ――じゃーなーくーてー!」


「きゃー、予想外な答えにビックリ! ゆいにゃんまだまだ修行が足りない♪」


 恐るべし母さん節……特に何かしているわけでもないのに正直に答えてしまう。


「じゃあ話を戻すけど、サユカ君は?」


「サユカちゃんか」 


 告白されたこともあるけど……


「年齢がなぁ」


「トメ君、死刑ね♪」


「別に母さんのこと言ってないでしょが!?」


「あはは、冗談よん」


 母さん見た目すんごい若いけど、やっぱりそういうの気になるのかな……こればっかりは本気かどうかわからない。


「それでそれで?」


「や、さすがに小学生はヤバイでしょ」


「えー、くっついたら一番面白いのに」


「カカみたいなこと言うな」


「歳老いたサユカちゃんと現在のサユカちゃん、どっちがいい?」


 だからさ、だからさ、だからさ! なぜいきなり究極の選択になる!?


「ねーねー、どっちー?」


「みかん無くなったな」


「誤魔化さないで、マジメに考えてよぉ」


 じゃ、マジメに考えて……


「養育費と福祉費って、どっちが多くかかる?」


「トメ君、せこい」


「トメ兄せこいよ」


「弟ちゃん。せこ!」


「息子よ、せこいぞ」


「おまえらどっから湧いて出た!?」


 うちの家族は今日もダラダラ平和です。




 え、質問の答え?


 そりゃ……今だろ。


 や、ロリコンとかそういうことじゃなくて。歳老いてたらすぐ死んじゃうじゃん。寂しいじゃん。


「つまんない答えにママがっかり」


「悪かったな!!」




 クリスマス頑張ったので、今回はゆるゆるーっとした一日を書いてみました。


 でも会話内容は……

 ツッコみたい人、ご自由に^^

 

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