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カカの天下  作者: ルシカ
666/917

カカの天下666「スペシャルまでの数日間」

 カカです。


 今日はお母さんと一緒に寝ました。だからあったかくて、寝坊しそうになっちゃいました。


 お母さんも今まで忙しかったせいで疲れてたのか、意外とお寝坊さんで……でも起きないといけなくて、でもでも私もこの温もりを手放したくなくて……


 一緒に毛布団子になってベッドから落ちてみました。この前みたいにこのままコタツへ――


「むきゅ」


「あ」


 お母さんの顔面から落ちちゃいました。


「んっふっふー……おはよ、カカ君」


「あ、う、うん、おはよう、お母さん。だいじょぶ?」


「てい」


「むぎょ!?」


 仕返しされました。


 お母さんは意外とたくましい性格です。さすが私たちの親。




 次の日。


 サエですー。


 今日はクララちゃんの力を借りて、我が家のアニマルズに芸を仕込んでいます。おかげで楽しいクリスマスを迎えられそー。動物の言葉がわかる人がいるっていいですねー。


「クララ大活躍です!!」


「うんうん、協力ありがとークララちゃん」


「昼飯前です!!」


「うんうん。これ終わったら用意するからねー、お昼ご飯」


「エビフライがいいです!」


「りょーかいー。ところでクララちゃん、なんで今日のワンピースは所々キラキラしてるの? ラメでも入れてるのかな」


「あ、それです! 聞いてくださいサエおねーちゃん! 毎年この時期になるとクララの本体にやたらとキラキラした物体を巻きつけられるのです」


 えとー、街路樹に付けられるクリスマスの飾りつけのことかな?


「木の皆もビックリしてます」


 なるほど、木からしてみればそうかもねー。


「だからクララもキラキラしてるです」


 その理屈はよくわからないねー。


「あ、そろそろご飯の時間だね。これくらいで切り上げよっかー」


「はい! 皆さんご飯ですよ!」


 わんにゃーぶひーもー! っと雄叫びをあげるアニマルズ。


「何度見ても感心するよー。動物と話せるってやっぱりすごいよねー」


「……でも、そのせいで衝撃の事実を知ってしまいました」


「なになにー?」


「犬も牛も豚も、猫舌なんです!!」


 そーなのかー。そういえば動物って加熱して何か食べる習慣ないしねー。


「クララしょっくです!!」


「なんでー?」


「わかりません!!」


 クララちゃんは今日もキラキラ元気です。




 次の日。


 こんにちは、サユカです。


 クリスマスに向けてカカすけもサエすけも色々と頑張っている中、わたしだけが何も決まっていません。


「どうしよう……もう時間がないのにっ!」


 慌てるわたし、でもそこに、


「大丈夫だよサユカン」


「うんうん、特別なことは何もしなくていいよー。ほら、こんなのでどう?」


 二人の親友が手を差し伸べてくれて、


「こ、これだけでいいのっ?」


「そうそう、充分だよ!」


「盛り上げるのは私たちがやっておくからー」


 その言葉に、感動してしまいました!


「う、うん……でもがんばるわねっ! 面白くないかもしれないけど、せめて煌びやかになるようにっ!」


「そうそう、その意気だよ」


「面白くするのはこっちでするしねー」


「サエすけ、何か言った?」


「別にー」


 変なサエすけ。まぁいいわ、わたしはうまいボケとかネタとかないけど、精一杯頑張るわよっ!



 

 次の日。


 アヤです!!


 今日こそはインドちゃん頑張れ! ということでお馴染みになった四人でタケダのことを追っていたんだけど、


「むむ、一体何をしているのだ、カカ君」


「むむむ、一体何をしてるんだろ、タケダ」


「むむむむ? 一体何をしてるんだあんたら」


『カカカカカカカカ!?』


「カが多い」


 バレた!? なんかでっかい家で怪しいことしてたのを見てたタケダを見てたところで、カカに見つかった!?


「ま、いいや。せっかくだからあんたらもやれ。改装工事も手伝え」


『は!?』


 

 

 次の日。


 トメです。今日は家族そろっておでんです!!


「トメ君のおでん、やっぱりおいしい!」


「家族みんないると、やっぱり賑やかだね」


「でもあのクソ親父いないけど、いいの? あたしは別にどうでもいいんだけどさ」


「そうだね、パパ君も呼んであげよっか」


 む? 呼ぶって、近くにいるのか。確かにアレのことだから天井裏あたりにいそうだけど。


「とりあえずトメ君、パパ君の席を用意して」


 はいはい、テーブルの一角にご飯置いて、おでんをよそって皿を置いて、サラダ置いてっと。


「それで?」


「はい♪」


 父さんの写真をポンと置いて、


「はい、皆で手を合わせてお辞儀」


『南無阿弥陀仏』


「ってお供え物じゃないんだから。って、ああ!」


「頭下げてた間に、ご飯全部消えてる!? あ、なぜか僕のおでんも!」


「さすがクソ親父、あたしに勝る早食いだ」


「これでパパ君も一緒にご飯できたね♪」


 会話は何一つしてないけどな。

 



 次の日。


 某花屋。


「カツコさん! これ!」


「サラちゃんどした――ほほう? 妹ちゃんたらおもしろいことしてくれるじゃん!」


 某学校。


「へぇ、これはなかなか味なマネするじゃねぇか」


 某家。


「カカのやつ、そういうことか」


 各所に届いた招待状。


『いつの間にかサンタさんにプレゼントをもらえなくなった、可哀想な大人たちよ。


 私たちがサンタになって、素晴らしい時間をプレゼントしてやろうではないか!!


 そんなわけでこの日のこの時間、この場所に来なさい! 予定? そんなものは聞いてない。私が言いたいのは一つだけ。


 来い!! byカカ』


 ――小さなサンタが騒ぐ聖なる夜、一体どうなることでしょうかね。




 と、いうわけで。

 次の話はクリスマスとなります。それまでは昨日のあとがきの通り、お休みさせていただきます。


 600話ほど毎日書き続けてきましたが……いやはや、充実した日々でした。温かい読者様に支えられ、気持ちよく年末を迎えられそうです。

 とはいえ、まだまだやること書くこといっぱいですな。感想返しは(多分)ちゃんとやりますし、クリスマスも楽しんで書いていきたいと思いますので、またお付き合いいただけたら幸いです。

 それでは皆様……

 また来週!


 

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