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カカの天下  作者: ルシカ
655/917

カカの天下655「休載、じゃなくて救済企画」

「ねぇねぇカカちゃんたち、ちょっと相談があるんだけど」


「なにさお姉」


 ちっす、カカでっす。


 学校も終わり、風邪が治ったサエちゃんとサユカンと一緒に我が家でだらだら遊んでいたところ、唐突にお姉がやってきました。


「実はこいつのことなのよ!」


「こいつって誰ですかー?」


「誰もいないじゃないっ!」


「あ、あの……僕……」


「わ、いたの!?」


「誰だっけー」


「こら、失礼なこと言わないの。シェーさんでしょっ」


 ああ! あの有名なポーズ!


「うぅ……シューです」


 知ってるけどね。


「で、お姉? そのとてつもなく目立たなくて影の薄いシューがどしたの?」


「そこ! そこなのよ! こいつってさ、おもしろくないじゃん?」


「うん、私とは大違いだ」


「ほんとほんとー、どうしようもないよねー」


「お、おもしろいってそこまで重要な要素だったのっ!? わ、わたし大丈夫かしら」


 めっちゃ大丈夫。


「そんでさ、そろそろ影が薄くなりすぎて消滅しそうだから、カカちゃんたちの手でおもしろくしてやれないかなと思ってさ!」


 相変わらずひどい言い草だなぁ。


「シュー、あんなこと言われてるけどいいの?」


「なんてお優しいお姉様!!」


 いいんだ。しかもウェルカムなんだ。 


「えっとー、シューさんが目立つようにすればいいんですよねー」


「そそ。こいつってばいっつもあたしの小間使いだからさ、全然目立たなくて……まずそこね!」


「あの……っ」


 おそるおそる手をあげるサユカン。


「その小間使いをやめればいいのではっ」


「なんで?」


「え、な、なんでって」


 素で聞き返すお姉。


「僕に死ねと仰るのですか!?」


「え、ええっ!?」


 なぜか怒り出すシュー。


「わ、わたし悪いこと言ったのっ? もっともなこと言わなかったっ!?」


 混乱するサユカン。可哀想に、まだこの二人のことがわかってないんだね。


 この二人はね、わけわからないんだよ。そこをわかってあげないと。


「あ、こういうのはどうでしょー。ただこき使うからみすぼらしく見えるんですよ、だから偉そうなあだ名をつけてあげればー」


 さっすがサエちゃん! 冴えてる!


「どんなのがいいかな。格好いい部下みたいなのがいいよね」


「格好いい部下ね……諜報員とかどうかしらっ!」


 お、サユカン。さすが私たちと付き合いが長いだけあって復活早いね。


「いんじゃないかな。お姉、それやってみなよ」


「おっけ! おい、そこの諜報員!」


「はっ!」


 シュー君も結構やる気な返事だ。


「なんなりとお申し付けください!」


「それとって」


「はっ! どうぞ!」


「おい諜報員!」


「ははっ!」


「お茶煎れて」


「喜んで!!」


「こら諜報員!!」


「はいっ!!」


「呼んでみただけ」


「ありがたき幸せ!!」


「どうよ」


 やってることはいつもと変わらないけど、インパクトできたし、なにより、


「ちょっと面白かった」


「何も諜報してないけどねー」


「でもお姉さんにとっては重宝してるわよ?」


「おお、サユカちゃんうまい!! お姉さん座布団一枚あげちゃおう!」


 これで終わり? それだとつまらないなぁ。


「他に何かない?」


「私、もう一個提案があるのー」


「おお、サエちゃん今日は積極的だね。なになに?」


「風邪のときにベッドで読んでた漫画で思いついて、作ってみたんだけどねー。これ」


 そう言ってサエちゃんが取り出したのは一冊のノート。


 その表紙には、『カカノート』と書かれていた。


「これに名前を書かれた人はね、カカちゃんと同じ行動をしなきゃならないの」


 私たちの視線が一人の男に注がれたのは言うまでもない。




 そして、近所のセイジ食堂にて。


 まずは私がやってみた。


 セイジのおっちゃんは笑っていた。


「はっはっは! 嬢ちゃんは今日も元気だな!!」


 続きまして。


 カカノートに名前を書かれたシュー君が、いま私がやったのと同じ行動をします。


 さぁどうぞ。


「…………」


 まずは静かに店に入る。 


「おぅ、いらっしゃい。好きな席に座んな」


 そして。


「わき毛ボーン!!」


「は?」


「みみ毛ボーン!!」


「……おぃ」


「すね毛ボンバー!!」


「…………」


「まつ毛ビーム!!」


「もしもし警察か? 緊急事態だ、今すぐ来てくれ」


「ちょ、ちょっとぉぉぉぉ! なんでカカちゃんならあっさり流したくせに僕だとそんなご無体な!!」


 よし。


「おもしろかった」


「おもしろかったねー」


「おもしろかったわっ!」


「あたしゃ大満足だよ、ありがとうカカちゃんたち! じゃ帰ろうか」


『うん』


「ちょっと皆さぁぁぁん! 僕をおもしろくするんじゃなかったんですか!? いつの間に『おもしろかったー』って単なる暇つぶしに変わってたんですか!! それってあんまりじゃないですかぁぁぁぁぁ!!」


 いつものことじゃん。




 すごい! シュー君がこんなにいっぱい喋ってる!

 もうこれは素晴らしい救済になったのではないでしょうか!!

 じゃ、しばらく出番なくていいよね。うん。



 あと昨日書き忘れたなーと思ってたことが一つ。


 素晴らしい言葉を残していただいた先達の皆様、ごめんなさい!!

 酔っ払いはそういうネタが大好物なんです……

 どうかお許しを。

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