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カカの天下  作者: ルシカ
653/917

カカの天下653「風邪はこうすれば治るらしい」

 こんにちは、カカです。ぶすっ!


 別に何かブスッと刺したわけじゃないですよ。あなたをブスとか罵ってるわけでもないですよ。


 私の顔がぶすっとしてるんです!


「ぶすっ!」


「んだとコラァ!!」


「あーちがちが、テンカ先生のこと言ったんじゃなくて」


「ホントかよ」


「当然! テンカ先生って美人だもん」


「ならよし」


 それ以上に男前だけど。


「んで、何をそんなにぶすっとした顔してたんだ」


「……わかってたんじゃん」


「ったりめぇだろが。大人なめんな」


 大人に見えません。


「ま、大方サエもサユカも休みでつまらねぇから不機嫌なんだろ?」


「むぅ」


 悔しいがその通りだ。 二人とも風邪でお休み、せっかく全快して学校来たのにつまんない。


「いま風邪、流行ってるしなぁ」


「テンカ先生は大丈夫なんですか?」


「おう、オレは滅多にひかえねぇぞ。年に一回ひくかどうかだな」


「バカだからか」


「てめぇにだけは言われたくねぇっての」


「私はバカじゃない! 変なんだ!」


「開き直りやがった」


 最近思うんだよね。こう言うのが正解だって。


「しかしこの会話、前もしなかったか?」


「そんな気がする」


 喉を鍛えるとか言ってたよね、たしか。あれから私もうがいするようになったんだよね。それでもひいたけど。


「トメとか姐さんは大丈夫なのか」


「うん、私の周りの大人もあんまりひかない。トメ兄はたまに体調悪くするけど、自己管理がどうとか言ってちまちま細かいことやるからすぐ治るし、お姉はウイルスも栄養にしそうだし。あと、お母さんも健康だね」


「あー、結乃……というかユイナさんか。新しいドラマ決まったんだよな」


「うん、それで大忙し。よく知ってるね」


「まぁな、有名だし」


 でもテンカ先生って結構お母さん好きだよね、多分。夏休みのとき、帰ってきたら呼べって言ってたし。


 呼んでないけど。忘れてたから。


「ともかくだ、今は我慢しろ。学校終わったら見舞いにいけばいいじゃねぇか」


「そだけどさー」


「つまんねぇなら、他に遊び相手見つけな。じゃーな、オレは仕事あっから」


 ひらひら手を振りながら去っていくテンカ先生。遊び相手っていってもなぁ……お。


「カカ君!」


 いきなり話しかけてきた一人の男子。


「なに、えっと……」


 こいつは、たしか、そう、そうだ!


「マケダ!!」


「あぁ、確かに負けだ。俺の負けだ!! ちくしょー!」


 あれ、違ったっけ。


「んで、何か用? マケダ君」


「そのまま話を進めるのだな……ええい、この際それは些細な問題だ! あ、あのだな、学校が終わったらサエ君たちのお見舞いに行くのだろう?」


「そのつもりだけど」


「お、俺も一緒に行っていいか!?」


 ほう。私はこの人を知らないけどサエちゃんたちの知り合いなのかな。ならいっか。


 うん、いい。


 とてもいい。


「じゃ一緒にいこっか」


「おおお!? ほんとか!!」


「うん。じゃ放課後よろしくね、マケダ君」


「ち、ちょっと待て! その、なんだ、君は現在、遊び相手がいないのだろう? だったら試しに、今から俺と」


「それはいいや」




 ――イチョウさんやアヤちゃんを適当に捕まえて遊んだり、サユカンとちょっと電話したりして過ごし、放課後。


 私とマケダ君はサエちゃんの家へとたどり着いた。それまでの間、マケダ君がしきりに話しかけてきたけど適当に流し続けていたので、ちょっと疲れた。


「あ、いらっしゃ――え!?」


「どしたのサエちゃん、そんな驚いて」


「え、だって、カカちゃんと、ええ!?」


「はっはっは! サエ君、実は一緒に来たのだよ!」


「げほげほげほげほ!!」


「なぜ咳き込む!?」


「だ、だって――げほ?」


 咳き込んだサエちゃんの口をハンカチで押さえる。


「げほ、カカちゃん、ありがと?」


 サエちゃんはなぜそんなことをするのかわからない様子。


 それはね?


「サエちゃんの風邪の菌げっと」


「む?」


「これを」


「むもが!?」


 マケダの口へと突っ込む!!


「ふがが、まみほふふ!?」


「おとなしくしろ!! サエちゃんの風邪をマケダに移して治すんだ!!」


「ぷはっ!? そのために連れてきたのふぁふほ!?」


「カカちゃん、ありがとうー!」


「ぷはっ! さっきと違って心からお礼を言っているなぁサエくむもが!」


「おとなしくしろタケダ! じゃなかったマケダ」


「ぷぁ、知っててやってたのかね君は!?」


 そんな大騒ぎの後。


 そろそろ移ったかなーと私が手を離したところで、


「でも私とタケダ君、ちょっと間接キスみたいになっちゃったねー」


 この一言により、


「うぅ……くらくら、す、る?」


 くらくらだけでなく、ボコボコにして帰すことになったのは言うまでもない。


 


 おまけ。


 家で寝込んでいるサユカちゃんは、学校が昼休みな時間を見計らってカカへと電話をかけました。


『――もしもし、サユカン?』


「あ、もしもしカカすけ……ごほっ」


『どしたの、何か用?』


「そ、その……用は特に、ないなんだけどっ」


『なんだ、つまんない』


「え、ちょ」


『ブツッ! ツー、ツー』


「なによぅ……ちょっとくらい話相手になってよぅ……身体辛いし、一人じゃ寂しいのよぅ……」


『ツー、っていう口まね』


「ちょっ!? おまっ!!」


『にやり』


「この……! 元気になったら殴ってやるわっ!」


『はいはい、さっさと元気になってね』


「望むところよっ!」


 皆さん、お大事に。




 周りの大人、という欄に父親の話が微塵ものぼらないこの悲しさ……

 さて、風邪の話はこれでひと段落といたしましょう。あまり長引くと縁起が悪いので。


 私の風邪も無事に完治いたしました。

 私、身体が弱っても胃袋だけは強いので。にんにくたっぷりラーメンをがーっと食べて栄養ドリンク飲んで、薬飲んで水飲んで、がーっと寝たらすっかり元気になりました。んむ、我ながらたくましい。

 ご心配してくださった皆様、本当にありがとうございます! 

 

 皆さんも体調悪いときは無理してでも食べましょうねー。もちろん吐かない程度で。ウイダーインゼリーとかオススメです^^

 

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