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カカの天下  作者: ルシカ
651/917

カカの天下651「つい」

 こんにちは、皆様。初めまして。


 私、しがない時の旅人でございます。とはいえ面白いことを見つけると、ついつい旅を中断して覗いてしまうのですが……いやはや、このカカさんたちのドタバタは実に愉快ですね。そんなドタバタを語るのも楽しいかと思うのですが、皆様はすでに色々なネタ、もといお話を知っているご様子。私の口から改めて語る必要もないでしょう。


 そんなわけで、今回はちょっとしたテーマに基づいて彼女たちを紹介してみましょうか。


 ふむ、私も前述しました『つい』というテーマはどうでしょう? 異論はないようですね。それでは……

 

 カカさんの場合。


「カカ」


「なに、トメ兄」


「今日は何もしないのか?」


「……なんで」


「や、カカといえば変なことするもんだと思って、つい」


 失礼、トメの場合でした。




 こほん、改めてカカさんの場合。


「…………」


 自室に寝転がったカカさんは、読んでいる漫画をぺらりとめくります。


「…………」


 ぺらり。


「…………」


 ぺらり。


 って何もしないんですか!?


 す、すいません。カカさんなら適当に見てれば何か変なことしてくれるものと思って、つい……他の人にいきましょう!




 次はサエさんとサユカさんの場合。


「サエすけ、まだかな……わ。あの服、格好いい」


 商店街でサエさんと待ち合わせしている最中、とある服屋さんを前に足を止めたサユカさん。


「トメさんに似合いそう……よーし。すいませーん! 店員さん、あの服見せてもらっていいですかっ」


「八千円です」


「嘘でしょっ! 見るだけで!?」


「店員であるわたくしの言うことに間違いなどありません」


「がーん!」


 見るだけでそんなにかかるなんて……! どうしようっ!


「どうしたのーサユカちゃん」


「サエすけっ!? いいところに来たわ、あのね、実はかくかくしかじかで」 


「なるほどー。まかせて」


「どうするのよ」


「ちょっと粘ってみてー」


「わ、わかったわ。すいませーん!」


「はいはい、なんでしょうか」


「あの服見せてもらっていいですかっ」


「八千円です」


「あ、あの、ちょっと見て触るだけなのでっ」


「では五千円です」


「見るだけっ!」


「三千円です」


「ちらっとっ!」


「二千円です」


「隣の服のお値段はー?」


「千円です――ああ!?」


「わーい、じゃあお会計お願いしますねー。値札が四桁ですけど気のせいですよねー。店員さんの言うことは間違いないですしー」


「す、すいませんすいません! わたくしの負けです! ですからどうかお許しを! どの服も好きなだけ見ていってもらっていいですから!」


「さっすがサエすけっ! よーし、この際だからいろんな服を見まくって、一番のクリスマスプレゼントを考えてやるわっ! あ、作るのもいいかも、手芸部だしっ!」


 ついついトメのことばかり考えてしまうサユカさん。


「ああいうノリを見ると言い負かしたくなるんだよねー」


 ついつい腹黒さで勝負してしまうサエさん。


「からかいやすそうなお客を見ると、どうしても調子にのってしまうんですよねぇ」


 ついついふざけてしまう商店街の店員さん。


 以上の三本を続けてお送りしました。


 さて、お次は……




 サカイさんの場合。


「はぁー、早く帰りたいわー」


 机に座り、手を動かしながらも、ため息をつきながら呟いています。


「疲れたー」


 キーボードをカタカタカタ。


「帰りたいー」


 仕事をカタカタカタ。


「ねーお母さん。もう家に帰ってるんだけど、さらにどこに帰るのー?」


「は、そういえばそうだったー! 仕事してると、つい」


 最近は家にまで仕事を持ち込むマジメなサカイさん。でも根っこの部分はあまり変わらないようです。

 



 それでは最後といきましょうか。


「シュー、お醤油とって」


「はい、すみません。どうぞ」 


 カツコさんより立場が低い男、シューさん。


「だー」


「はい、すみませんタマ様失礼します、いろいろこぼしてますよ!」


 タマさんより立場が低い男、シューさん。


「ねぇシュー。なんであんたっていつも謝ってんの?」


「相手の立場が上ですと、つい……」


「ふーん。む、テレビがいいとこだ。シュー、お醤油いれて」


「はい、すいません失礼します。どうぞ……はい、お醤油すいません!」


 お醤油より立場が低い男、シューさん。


「めーぼし」


「はい、梅干ですね。すみません失礼しますタマ様……はい、梅干すいません」


 梅干より立場が低い男、シューさん。


「あ、この料理冷めたからさ、レンジでチンしといて」


「あ、はい。すみません」


 シューさんはぺこぺこ頭を下げながら、電子レンジの扉を開けました。


「失礼しまーす」


 とにかく立場と腰が低い男、シューさんでした!!




 いかがだったでしょうか?


 それでは本日の紹介は以上です、時の旅人がお送りしました。


「パパ君、さっきから何やってるの?」


「おお、我が妻ではないか。いやな? どんなことであれ、いつも通りだとつまらんではないか。だからついつい趣向を変えてやってしまったよ。わっはっは」


 時の旅人など、おるわけないではないか。騙されたか? ついつい騙されてしまったか? 恨みを込めてトメだけ呼び捨てにしているのに気づかなかったか? ふははは! ざまぁみろ!


「パパ君ってほんと、憎まれ役しかしないよねー」


「……忍者のサガか、ついな」


「仕方ないなぁ、わたしだけは好きでいてあげよう♪」


「おまえ!!」


「あなた!!」


 ひらり。


「ぐほぁっ!?」


 抱き合うかと思いきや、俺の身体は見事に避けられ、地面に叩きつけられた!?


「な、なぜ……」


「ごめんパパ君。つい♪」


 さ、さすがは人気女優……自身のガードは鉄壁だ……がく。

 



 や、昨日からなんだか心温まるメッセージをいっぱいもらって感無量中です笑

 お休みの件に関してはもう少し考えてみるつもりです。とりあえず今は頑張れそうなので^^

 ホントに皆様にはたくさんの元気をいただいて……


 とか言いつつ読者様を微妙に騙すかのようなこの内容。ムカついた人いたらすいません笑

 恩を仇で返すつもりも悪気もないのです、ただ、詰め合わせ的な気持ちで書いてたらなぜかこの父がでしゃばってきまして……苦笑も苦情もトメ父へどうぞ。

 

 ちなみに。

 シュー君のあれ……実際にやった人が(以下略

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