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カカの天下  作者: ルシカ
645/917

カカの天下645「かに」

 こんばんは、カカです。


 今日の夕飯はカニです。例によって例のごとく、お姉がよくわからないルートで調達してきたのです。


「…………」


「…………」


 そんなわけで、トメ兄と二人で茹でたカニを黙々と食べてます。


 カニの足をとり、パキッと折って、中の身をほじほじっと。


「…………」


「…………」


 カニ食べるときって無言になるのよね。


 さてさて、そんな暇を持て余したあなたにステキな時間を。私的シンキングたーいむ。


 もしも……カニが、オニだったら。


 私は今、オニ退治をしている。


 見たか赤オニ!


 パキッと、ほじほじっと、黙々と……


 もしも……カニが、アニだったら。


 アニ、つまり兄。


 トメ兄を食べる!


 サユカンが怒る……ざまぁみろ。


 パキッと。ほじほじっと。黙々と……


 もしも……カニが、マニだったら。


 マニー。


 つまりお金!


 ほしい。誰か、私にくれないかに!?


 ……ごめん。

 

 色々と、ほんとごめん。


 パキッと。ほじほじっと。黙々と……


 もしも……カニが、ナニだったら。


 ナニって何?


 何だよ。


 ……何さ。


 パキッと。ほじほじっと。黙々と……


 もしも……カニが、腹黒だったら。


 中が黒。


 全部かにみそじゃん!


 それはそれでうまー。


 パキッと。ほじほじっと。黙々と……


 もしも……カニに殻がなかったら!


 食べやすい。


 パキッと。ほじほじっと。黙々と……


 もしも……カニ同士の恋人がいたら。


 横歩きしかできないから、常に見つめ合って移動。


 それだけを聞くとステキだけど、人間がやると、とても異様。


 天下の往来を、見つめあいながらカニ歩きするカップルたち。


 繁華街はそんなんばっかり。


 とても異様。


 パキッと。ほじほじっと。黙々と……


 もしも……カニが縦歩きできたら。


 特徴がなくなる。


 パキッと。ほじほじっと。黙々と……


 あ、かにみそ。


 もしも……かにみそが、あにみそだったら。


 兄みそ。


 それを食べれば私もツッコミ? 


 なんでやねん!


 ……まだまだ甘いな。


 パキッと。ほじほじっと。黙々と……


 もしも……カニが、カミだったら。


 神様!


 いただきます。


 パキッと。ほじほじっと。黙々と……


「なぁカカ」


「んー?」


「おまえ、さっきから身をとってばかりで食ってないぞ」


「そういえばそうだ!!」


 皆は気づいてた? 私は気づかなかった。不覚。


 はむはむ……


 カニうまー。


「ご飯にカニの身をのせようか」


「私も!」


 幸せな時間です。んまー。




 おまけ。


 そのころのゲンゾウ兄弟。


「兄者、なぜあんなに沢山のカニをカツコさんに?」


「い、いやな? 『あたしはカニが食いたい! 渡さなければこうだ!』とカニバサミをされてな、仕方なく」


「ほほう、久しく触れてなかった女性の肌の感触にときめきを隠し切れず、カニを贈呈してしまったというわけだな」


「い、いやそういうわけでは」


「それは本当かい? セイジ」


「あ、姉貴!?」


「あのカニはねぇ、明日の給食にも使おうと思ってたんだよ! よくもやってくれたねぇ! その根性叩きなおしてやる! そんなに好きなら――あたいだってカニバサミしてやるわ!!」


「ま、待て姉貴! それはカニのハサミではなく、太い枝もばっさり切れるお得な電動スパスパ枝切りバサミではないか!?」


 特価一万円ぽっきりです。枝切りだけにぽっきりです。切れてませんね折れてますねスイマセン。一家にお一つどうぞ? 電話番号は自分で考えよう。


「まずい、逃げるぞ兄者!」


「待てぇぇぇぇ! く、狭い道に入ったねこの馬鹿弟ども! ハサミが長くて横歩きしかできないじゃないのさ!」


 ハサミを持って横歩き。


 まさにカニ!!


 おあとがよろしいようで。


 


 ひたすら何か食べ続けるシリーズ!

 

 そして感想もらって気づいたのですが、おまけって形が連続してるので今回もやっちゃいました。

 騎士焼きイモみたいな特別変なのは思いつかなかったのですが、これはこれでボケーッと読んでくれたらカニも本望です。

 

 ふと変なの思いついたら、さりげに本文修正していれるかも笑 そんときはまた知らせますねー^^

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