カカの天下643「カカ天クエスト Ep10」
注意:このお話はカカ達がゲームのキャラになりきりながらRPGを進める話です。話の内容はゲームの中ですが、『もしもカカ達が異世界にいたら』みたいな感覚でお楽しみください。
ステータス
カカ ボケ勇者 レベル1 へん
サエ 悪の魔法使い レベル1 はらぐろ
サユカ 手の平の踊り子 レベル1 さびしんぼう エロレベル3
トメ ツッコミ レベル1 つっこみ 改造中
ケロリン スライム レベル9 おっさんくさい ごみ
環境を破壊する産業廃棄物と化したケロリンを生き返らせるためには『水』が必要! 勇者一行はそのアイテムを求め、ラオナの滝へと目指すことになった!
「だからさ、水なんてどこにでもあるじゃないのっ」
サユカはしつこい!
「余計なお世話よっ」
「でもサユカちゃんが言うことにも一理あるよねー」
「うん、いくらなんでも『水』を求めて旅するってのはないっしょ。アフリカの旅人じゃないんだからさ」
KYプログラムが作動する……
『水』というアイテムは、『きれいな水』という名前に切り替わった!
「変わんないわよっ!」
「なにか固有名詞ないのー?」
KYプログラムが作動する……
『きれいな水』は『ありえないほどきれいな水』という名前に切り替わった!
「限定品にすりゃいいってもんじゃないわよっ!」
「ねぇサユカン。もういいよ、観念して行こう」
「うう……っ」
問題が解決したところで魔物があらわれた!
「なんていいタイミングなんだろー」
魔物も空気を読んで待ち構えていたようだ!
「とうそう」
カカたちは逃げ出した!
魔物があらわれた! カカたちは逃げ出した!
魔物があらわれ逃げ出した!
魔物で逃げ出した!
とにかく逃げた!
逃げた!
逃げ!
逃!
!
「略しすぎっ!」
勇者一行が逃げすぎなので、わかりやすく省略いたしました。
「だってレベル1じゃどうしようもないし、っと」
「河よっ!」
逃げまくった一行がたどり着いたのは大きな河。村人の話によると、この河を下った先に滝があり、その滝つぼには妖精が住んでいるとのこと。その妖精に祝福された水はありえないほどに綺麗で、それこそが強力なスライムを生き返らせるに相応しい材料……ではなくアイテムなのだという。
「そんなこと言ってたっけ?」
『水』という設定に不満がおありのようだったので、一行が逃げている間に設定を作りなおしました。これにてKYプログラムを一旦終了いたします。
「余計なこと言わなきゃよかったかしら。ただの『水』ならこの河から汲めば終わりだったのに」
そのようなコマンドはありません。
「またそれっ!?」
「いいから行こうよサユカン。妖精さんが待ってるよ」
「わかったわよぅ」
「でもカカちゃん、この先の魔物は強そーだよ? 逃げても周りを囲まれたらすぐ全滅しそー」
「そだね……よし、私に良い考えがある!」
「なになにー?」
「言っちゃったらまたコマンドないとか出るかもしれないから先にやっちゃおう。それ!」
カカは念のために持ってきておいたカンオケ(空)を河へと放り込み、それに飛び乗った!
そして先頭のカカに追尾する設定になっているサエとサユカもカンオケへと乗り込む!
「この河を下れば滝なんでしょ? じゃあこのまま一気に!」
「さっすがカカすけ! プログラムに警告される前に荒業ね!」
「おーおー、揺れるー」
ぴん、ぽん、ぱーん♪
「ん?」
ワンポイントアドバイス。
このゲームには船というものが存在します。そしてその船での移動中も魔物が出るので要注意! しかも陸より強いかも? ぱん、ぽん、ぴーん♪
「えええ! 魔物出るのっ?」
「これが船扱いだとそうかもねー」
「どうしよ、今すぐ下りたほうが――」
魔物があらわれた!
「もう遅い!?」
高速で下るカンオケは魔物の額に激突! 魔物に193のダメージ。魔物を倒した!
「む、むしろ速すぎたみたいね、カンオケがっ」
ぱらぱらっぱっぱっぱーん♪
「あ、まさかレベル上がったー?」
カンオケのレベルが上がった!
「だからなんで私ら上がらないのさ!!」
やがて一行を乗せたカンオケは順調に滝つぼへ落下。
よくあるRPGのように、落ちても怪我一つしなかった一行は、そこで妖精と遭遇する!
「HAHAHA! ジョーイ、変なのが来たYO!」
「君の頭のほうが変だぜ、マイケル?」
水の妖精。
とてもきれいなイメージがあるかもしれないが、現代の地球の水の汚さではこんなものである。
「ここ地球なの!?」
地球で作られたゲームですので。
――さて。ついに妖精と遭遇した一行は、果たして無事に『ありえないほどくさい水』を手に入れることができるのか。そしてラオナの滝という名前に意味があったことを最初から気づいた勇者はいるのか!? 次回、『VS キタナイ妖精』をお楽しみに!
おまけ。
――その頃、敵の手に渡ってしまったトメは。
「ふっふっふ……私のダーリンの改造は終わったかしら?」
村娘Aは完璧に悪役面して笑っていた。
そして、ついに。改造されたトメが現れる!
「おお、出でよ我が花婿! もちろんドリルはついているだろうなぁ!」
改造といえばドリル。それを言い出したのは魔王だが、村娘Aはそのセンスが嫌いではなかった。
そして脳改造も終えたはずの今、ようやく生まれ変わったトメと村娘Aは結ばれるのだ!
「おお、我が花む……こ、よ?」
トメがあらわれた。
トメにはドリルがついていた。
顔にいっぱい。
「こわっ!?」
鉄のいがぐりのように刺々しい顔になってしまったトメを見て、村娘Aは思わず怒鳴った。
「どういうことよ! 説明しなさい、技術開発部のタマちゃん!」
「んー?」
作業服を着た可愛いちびっこがあらわれた!
「この有様はどういうことよ!」
「かっこいいおー」
「ドリル多すぎ! 普通は手にだけつけるもんじゃないの!?」
「さーびす」
「そんなのいらないわよ!」
がっしょん、という機械っぽい足音。
「げ」
きゅいーん、と回転するドリル、多数。
「や、くるな、ドリルくるな、近寄るな、ちょっとくるなくるなくるな怖いわぁぁぁぁぁ!」
かくして、恐ろしい魔物が誕生した。
カカクエもついに10話に達しました。
ちょっとペースアップしましたが、次はもうちょっと延びるかもです。
ラオナの滝、で直にオ○ラ=ヤツらと直感できた読者さんがいたら素直に感心します。
皆あの二人に脳を侵されてるのかなーと(嫌すぎる