カカの天下638「おっぱいの話」
やっほ、カツコだよ!!
今日も寒いね寒いね寒いね! というか今日が寒いね、寒すぎだよ! 風強いし! というわけで逃げ込むように花屋さんへ出社!
「おっはよー! さぶさぶ」
「あ、カツコさん。おはようございます」
いつも通り出勤時間のかなーり前にスタンバイしてるサラちゃん。さっすが!
「あぁー……」
「どうしたんですか、そんな頭の悪そうな声出して」
「外寒くてさ……ここは暖房効いてて温かい……」
「頭はいつも温かいじゃないですか」
「……サラちゃんさ、言うようになったよね」
「これくらい言わないとカツコさん、話聞いてくれないじゃないですか」
や、まぁ、あたしってばインパクトない言葉って受け流しちゃうんだよね。シューとの会話なんかがいい例だわ。なーんも覚えてない。
「はぁ……しかし温かい。お花に囲まれてるし、この店内だけ春だわ……」
「カツコさんの頭もいつも春じゃないですか」
「ほんっと言うようになったね花ちゃん!!」
「サラです!」
正直あたしは嬉しい。こうやって遠慮なく喋れるということは、それだけ仲良くなれたということだからだ。
「ふふん、カツコさん。そうやって名前でばっかり抵抗してもダメですよ?」
でもやられてばっかじゃ癪なので、ちょと反撃をば。
「これでも一緒に仕事するたびにカツコさんの自由奔放極まりない言動に振り回されてるんです。毎日もまれてるんです」
「胸を?」
「そりゃ私も成長しますよ」
「胸が?」
「違います!!」
「えーと、本日のオススメ『おっぱい』と」
「書くなぁぁぁぁぁ!!」
ふ、反撃成功。あたしを完全に黙らせるにはまだまだじゃの。
「しっかしなぁ」
「なんですか?」
ごっしんごっしんと黒板を吹き消すサラさんを横目に見ながら呟く。
「サラさんはたしかに乳ましいが」
「なんですかそれ」
「たくましいの乳バージョン」
「…………」
お、照れた。
「あたしだって同じくらい胸あんのに、なんで注目されないのだろう」
「え、それ胸筋じゃないんですか」
「オイ」
一応やこいぞ。
「あはは、冗談です。でもほら、カツコさんって男の人くらい身長高いじゃないですか。全体的にすらっとしてるし。スタイルよくても目立たないんですよね」
んー、確かに身長は高いけど。百七十センチ余裕で超えてるし。
「よし、試しに聞いてみよう」
「何をですか?」
質問に答えるまえに携帯で発信……おし、出た。
『もしもし? 姉か』
「おう、我が弟よ」
『なんか用か?』
「あたしのおっぱいどう思う?」
ぶっ!! とサラさんが何かを吹き出した。
『どう思うも何も……』
「何かあるっしょ! 結構あるんだから」
『胸筋たくましいなとしか』
「あとでブッとばす」
通信切断。やはり男はダメだ。
こういうときはやっぱり女の子同士だよね、というわけで発信!
『もしもし? なにさお姉』
「あ、カカちゃん? あんさ、あたしの結構出てるおっぱいどう思う?」
『ろっこつ太いよね』
通信切断。やはり身内はダメだ。
「むむむ……なぜ、どいつもこいつもあたしの胸をおっぱい扱いしないのか」
「さぁ。でもなんでいきなりそんなこと気にしてるんですか? カツコさん、そういう女性らしいこと興味ないかと思ってたのに」
「ん、なんとなく」
正直どうでもいいんだけどね、男にモテたいとは思わないし。
「ただ、女として生まれたからには『乳もみてぇ』って思われてなんぼかなぁと」
「思われすぎても複雑なのですが……こら」
「ん?」
「もまないでください!!」
「いやぁ、まだ手が寒くて。ここなら柔らかいし温かいし……地肌でいこうか」
「ひぇぇぇ!? どこに手を入れてるんですか!!」
この乳はもみてぇって思うよね。もみもみ。
……引っ叩かれた。いてぇ。
そんなこんなで就業時間。
「サラちゃん、ラーメン食べてこ」
「はーい」
なんだかんだで仲のいいあたしたち。呼ぶとバッグを持ってひょこひょこ寄って来るサラちゃん。んむ、可愛い。そして胸が揺れるのがなんとも言えん。
「今日は寒いから、ネギ味噌チャーシュー麺だ!」
「わ、あのにんにくたっぷりのやつですね」
「おぅ、温まるぞぃ。そしてたくさん食べて胸を増量!」
「普通はお腹のあたりが増量されるんですが」
「大丈夫っしょ。あたしってば日々の運動量が半端ないから脂肪ぜんっぜんつかないし」
「……だから胸も目立たないのでは」
あ、胸って脂肪だっけ。
本当に胸筋だけになったらどうしよ。ないと、思うけど、うーん。
ま、いーや。
ラーメン食べてあったまろ。
サブタイトルで吹いた人、挙手ノ
や、なんかインドちゃんヌードルでロリコンがどうとかいう話が出たのでアダルティな話にしてみました。
でも内容は姉です。
ごめんなさい。
あと、今日の私の昼食がネギ味噌ラーメンだっただけで書きました。
とてもにんにく臭いです。
でも元気です!!




