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カカの天下  作者: ルシカ
633/917

カカの天下633「こういう仕返し」

 いったあああああああああああ!!


 こ、こんにちは、カカです……いきなりすいません。


「大丈夫か、カカ!」


「足見せてー」


「うわ、もう腫れてるじゃないのっ!」 


 そうなのです。


 今日も仲良く四人で遊んでいたのですが、私が調子に乗って公園の滑り台からジャンプして着地失敗、見事に足を捻ってしまったのです。


「こりゃ捻挫だな。カカ、痛むか?」


「うぬぅ」


「肯定なのか否定なのかわからん返事すんな」


「ばりばり痛い」


「ばりばりかー……」


「ばりばり掻いていいっ!?」


「死ぬからやめて!!」


 ほんとに痛いんだよぅ。


「仕方ない、僕が背負って帰るか」


「ぬぉぉぉ」


「カカすけったら、なんて可愛くない声」


「顔も可愛くないー」


「少しは心配してよ!」


 足が痛くて痛くて、トメ兄の背中に乗るのも一苦労……


 お?


「ん、どうしたカカ」 


 なんか、思い出した。


「お、おい――」




 ――小さい頃。


「とめにーちゃん、おんぶ」


「うぐ、また来たか」


 私はことあるごとにトメ兄におんぶをせがんでいた。


「あのな、カカ。僕さ、今ちょっと捻挫してて」


「おんぶー」


「や、あのな? 足が痛くて」


「おんぶぅ……」


「痛いから、その……」


「とめにーちゃん! おーんーぶぅぅぅぅー」


「……うう」


「とめにーちゃん、かかのこときらい?」


「……はぁ」


「わ、とめにーちゃん」


「よいしょっ……と……ぐ」


「んあ? 何やってんのさトメ!!」


「姉……や……おん、ぶ」


「わーい!」


「カカちゃん大喜びだけど、あんた顔白いよ」


「うん……いだい」


「ほらカカちゃん。あたしがおんぶしたげるから」


「ぎゃー!!」


「ぎゃーってカカちゃんアンタ……」


「あっはっは、僕じゃなきゃ嫌なんだよなーカカは」


「死にそうな顔して何言ってんだか! ふーんだ!」


「なーに、カカの泣きそうな顔のほうが痛いよ……いだだだ!!」


「わーい、とめにーちゃん大好き」




 ――うあ。


「か、カカ? なにやってんだおまえ!?」


「カカすけがトメさんを背負ってどうするのよ!」


「ぬぅぅぅぅ」


 痛い痛い痛い痛い痛い!!


「お、おいカカ」


「うっさい黙れ!!」


 あーもー痛いなー! 死ぬほど痛いなー! これより私が泣く方が痛かったなんて! どんだけ私のこと好きだったんだトメ兄は!? 


「カカちゃん、どーしたのー?」


「ななな……なんでもないぃ」


「そっかー」


 あっさりと引き下がるサエちゃん。何かわかってくれたのかな。


「おいカカ、バカなことしてないで下ろせ。捻挫がもっとひどくなるぞ」 


 それをあの頃のトメ兄に言いたい!


「いいから! 家に帰るまでこれで行くの!!」


「んー……?」


 特に意味はないけど、自分への罰というかなんというか! 今思い出すと悔しくなったというか! トメ兄あのときごめんっていうか!


「んー……あ」


 ん?


「痛っ!」


 さらに激痛を感じた足元へ目を向けると、そこには私の弱点を突いたと思われる棒が! その棒を持っているのは――トメ兄!


「何するのトメ兄!?」


「やー。そういや昔、背中からこんなことするヤツがいたなーと」


 思い出しやがった!


「な、なんのことかね」


「あの頃は可愛かったのになー」


「はいはい帰るよ!」


「かか、とめにーちゃんのこときらい?」


「あー嫌いだよ、だいっ嫌いだよ!!」


「わーい」


「うっさい! 帰るよ!!」


 うぉぉぉぉぉぉ! 根性!


「私たち、置いてけぼりだねー」


「そうね……って! 止めないとっ!」


「いいからいいからー。カカちゃんの気の済むようにしてあげよー」


 後ろの声も気にならないくらい、私は痛みに耐えている!! でもへっちゃらだもんね!


「わーい。カカ大好――」


「それだけは言うな!!」


 その後、なんとかトメ兄を家まで運ぶことができた。


 腫れあがった自分の足を見て、あのころのトメ兄の足はどうだったかと思い出そうとしても――浮かぶのは楽しかった思い出ばかり。子供の私が鈍かっただけかもしれないけど、そういう部分を見せないで私を楽しませてくれてたんだよね。


 ごめんね。


 そしてありがとう、とめにーちゃん。


 ……言わないけどね。




 さりげに要望が多いチビカカ、ちょこっと登場。


 もっと出せという方は言ったほうがいいと思うよ!

 

 あと、カカラジの通りに旅行者さんが一週間頑張ってくれたから、感想欄の感想も書いてもいいと思うよ!


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