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カカの天下  作者: ルシカ
631/917

カカの天下631「二号、もしくは」

 こんにちにゃ、カカですにゃ。


 なんでいきなり猫みたいなバカみたいな語尾をつけているかというとにゃ、今の私たちの話題が猫の話だからだにゃ。


「猫の名前、ねぇ」


「そーそー。決まらなくてさー」


「猫ってあれでしょ? サエすけが誕生日にもらった腹黒子猫。飼っていいことになったのね」


 学校からの帰り道。私たちは歩きながらサエちゃんの相談を受けてたんだにゃ。腹黒子猫というのはお腹の部分だけ毛が黒いという意味で、サエちゃんみたいな意味はないんだにゃ。


「…………」


「ど、どしたのサエちゃん」


「とてもにっこりとカカすけを睨んでるわねっ」


「私、何かしたのかにゃ?」


「なによその『にゃ』って。ちゃんと日本語喋りなさいよ」


「オゥ、コレ日本語アルヨ」


「わざわざ胡散臭くしなくていいから」


「……カカちゃん」


「な、なにアルかサエちゃん?」


「なにか失礼なこと考えてなかったかなー?」


「そ、そんなことアルないヨ!?」


「どっち」


 サエちゃん日に日に鋭くなってきてるよね……ぽややんと鈍かった昔とは大違いだ。


「まーいいや。話を戻すけど、子猫の名前どうしようかなー」


「サカイさんと相談して決めればいいんじゃないの?」


「そうなんだけど……私もお母さんも、あの猫ちゃんを前にすると遊ぶのに夢中になってそれどころじゃなくなるのー。お腹のもふもふしたところに顔を埋めるのがもーたまらなくて」


「あの腹黒子猫、サエちゃんをもてあそぶとは!」


「カカすけ、逆よ逆」


「む、そっか。サエちゃんが遊んでるほうか」


 でもどっちも腹黒だから逆にしても別に。


「……そこまで言われると開き直って思いっきり黒いことしたくなってきた。どうせ明日は日直だしー」


「何も言ってアルないヨ!?」


「だからどっちよっ」


 この使い方面白いアルヨ。


「もういいけどさー。子猫の名前ー!」


「サエ二号でいんじゃない?」


「ぴったりねっ」


「……むー」


「一号は不満みたいよ。どうするのカカすけ」


 でもこれ以上ぴったりな名前もないしなぁ。


「それじゃ、この帰り道で目についたものを適当に名前にあててみよっか」


「あ、いいんじゃないかしら。どう、一号?」


「一号ってゆーなー」


 サエちゃんは頬をリスみたいに膨らませながらも同意してくれた。子猫なんかよりこの顔のほうが万倍可愛いと思う。


「適当に目についたもの……あれはどうかな」


「なになにっ」


「挽き肉」


「……猫、食べるのー?」


「じゃあ合い挽き」


「何と合わせるのよっ!」


「…………」


「なんで私を見るのー?」


 合わせたらどれだけ黒くなるんだろう。


 っと、サエちゃんに睨まれてる。コホン! そういえば総理大臣のときも猫を食べるとかどうとか揉めたなぁ。懐かしい。あのときはお姉の腹をかっさばいて大臣を救い出したんだっけ? あんま覚えてないけど。


「とにかく、もっとマトモな名前を選びなさいよっ!」


「じゃあサユカンやってみなよ」


「わたしっ!? そ、そうね」


 サユカンは周囲をキョロキョロと見渡して……やがてそれに目を留めた。


「フェラーリ」


 かっけぇ。


「いいかもー。でもあの車はフェラーリじゃないよ」


「う、うるさいわね。車の種類なんて知らないもん」


 でもいい候補なのは間違いないね。私も負けてはいられない。


「お」


「カカちゃん、なにか見つけたー?」


「なんて名前か言ってみなさいよっ」


「ハゲ」


「待てっ!!」


 や、だってそこのおっさんが。


「わたしみたいに、もうちょっと名前っぽいものを選びなさいよっ」


「鈴木建設」


「そんな名前の猫やだー」


 むむ、目に付いたものを適当にって言ってるんだからもうちょっと受け流してくれても……お?


 通りすがりの総理大臣だ。


 どうでもいいけど、この文章だけだとすごい意味だよね。


 ……ふむ。


「これはどうだろう」


「なにー?」


「官房長官」


「カカすけ……だからさぁっ」


「採用ー」


「いいのサエすけ!?」


「気に入った」


「サエちゃん。いぇーい」


「カカちゃん。いぇーい」


 ぐっ、と親指を立てあう私とサエちゃん。


 かくして、よくわからないノリで官房長官が誕生した。


 なんて私たちらしい。


「これで合い挽きにするなら総理大臣と官房長官に決まりだね」


「日本が大変なことになりそうだねー」


「そもそも誰が食べるのよ、そんなもんっ」


「……お姉?」


 ぞわっとした。




 腹黒官房長官誕生!


 注意:当作品は現実の政治に関して批判を抱くものではありません。というかこんな話を使ってどこをどう批判しているのか、全くもって解読不能なはずです。腹黒? それは私のことです。ともかく所詮はネタでしかないという、広い心を持ってスルーしていただくようお願いします。


 ところでカカラジをご覧になった方は知っているでしょうが。

 脅迫状を私に送ってきた旅行者さんが感想欄で、とても頑張って愉快に私にケンカを売ってます。私も喜んでそのおもろいケンカを買い漁り、返信をしたいと思っています。ちょっと遅れてますが、今夜帰ってきたら頑張って返事を書きまくるつもりです。


 覗いてみると楽しいかもしれません笑

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