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カカの天下  作者: ルシカ
622/917

カカの天下622「ヘイ! 買い物だもん!」

 こんにちは、カカです。


「うわぁーお」


 何がうわぁーおかと言いますと。


 実はですね、トメ兄に頼まれて買い物にきたわけですよ。なのですが、その買い物リストを書いたメモを落としてしまったのですよ、うん。


「んー、もう目の前には商店街。携帯は忘れた。戻るのは面倒」


 こうなったら答えは一つしかない。


 勘で買おう。


 えーと、まずはお肉屋さん、っと。


「いらっしゃいカカちゃん!」


「んっす」


「一人で買い物なんて偉いねぇ」


 さて。勘で、と言いつつ……商店街にくるまでの道中でリストの内容を歌いながら歩いてきたから、大体は覚えてるんだよね。んーと、たしか最初が……


 んーん、ん、ん♪ お肉屋きたら、殺人事件♪


「バラバラ殺人ください」


「豚のバラ肉でいいのかな?」


 すげぇ、伝わった。さすがは私が――というかトメ兄や姉が小さいころからお世話になっている店だけはある。


「どれだけいるのかな?」


「どれだけ、か」


 200だ。


「200メートルください」


「あいよ、200グラムだね」


「そうともいう」


 よし、お肉げっと。


「毎度あり!」


「代金は?」


「212ドルだよ!」


「なに言ってんのバカじゃないの?」


「……そりゃないぜぇ、カカちゃん」


 お肉屋さんと仲良くお喋りして、次の買い物へ。


 お魚屋さん、か。たしか……


 魚屋きたら、サ――忘れた。サンマかサバだったような。


「へいらっしゃい! 何をお探しで?」


 いいや、あわせちゃえ。


「サンバください」


「サンバだね!」


「活きのいいサンバね」


「よーし、ミュージックスタート!」


 南国っぽい音楽が流れ出す。


「ヘイ! ヘイ! 踊るぜヘイ!!」


「私もヘイ! あなたもヘイ!!」


 熱い時間を過ごした。


「これでよし、と」


「毎度あり!」


「――おや、お前さん。何が売れたんだい?」


「サンバだよ」


「そうかい」 


 お魚屋さん夫婦はいつ見ても仲がいいなぁ。さて、次は果物屋さんだ。


「ちわ」


「はい、いらっしゃい。何をお探しで?」


 可愛いおねーさんの店員さんだ。んと、ここのリストはそのまま歌ってたから、そのまま言おう。


「レモンだもん」


「一個でいいもん?」


「そうだもん」


「かしこまりましたもん」


 ノリのいい店員さんだ。 


「それから……柿だきー」


「種無しでいいきー?」


「そうだきー」


「きー?」


 三個セットのでいい? と聞く店員さんに、


「きー」


 頷く私。


「あと、バナナなんだナ」


「一房でいいんだナ?」


「そうなんだナ」


 会計を済ませて、ニコニコ顔でおねーさんと別れる。また来よう。


 次は八百屋!


「キャベツだきゃー」


「はい、キャベツお一つですね」


 ……この店員つまんないきゃー。


「これだけでしょうか?」


「あと、きゅうりだきゅー……う」


 忘れたことにするきゅー。


 よし、大体は買ったきゅー。あとは私のスポーツドリンクとトメ兄の牛乳と……って、なんか妙にお金が残っちゃったきゅー。サバとサンマでも買い逃したかのような残金だきゅー。はて、どうしようかきゅー。




「ただいま」


「おーカカ、ご苦労さん」


「はい、買ってきたもの確認して」


「おー……ん? なんだか少なくないか」


「残金は77円だよ」


「……おい。きゅうりとか買わないで、勝手になにか買っただろ」


「ぎくり。バレた。7が揃ってるのにアンラッキーとはこれいかに」


「7が一つ足りないからだろ。さぁ白状しろ、余ったお金を何に使った!?」


「トメ兄へのお土産」


「…………」


「はい、栗ようかん。トメ兄好きでしょ?」


「…………」


「いつもいつもお疲れ様」


「……許す」


 ふ、甘いねお兄ちゃん。


「ところで、魚屋の買い物が無いのはなんでだ?」


「ん。サンマかサバか、わかんなかったからサンバ踊ってきた。どっちだっけ?」


「むしろ僕が聞こう。おまえはバカなのかアホなのかどっちだ」




 今日の昼食は肉も魚も食べました。

 だからこの話が生まれました。

 全然繋がってないと思った人、それは気のせいです。

 我ながらよくわからない思考回路だと思ったのは内緒です。


 正確にはチキンカツとサバの焼き魚でした。お腹いっぱいです。

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