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カカの天下  作者: ルシカ
618/917

カカの天下618「整理しまーす」

 こんにちは、トメです。


 昨日の結婚式的大騒ぎから一日経ち、まだ疲れが残る中。僕はカカと一緒に、もらったプレゼントの整理をしています。


「しかしほんとに妙な衣服が多いな……何に使うんだこれ」


 とても外で着れないようなオモシロ服ばかりなんだけど。


「今度ファッションショーでもする? サカイさんもいっぱい服くれたし」


「んー、それもいいかもな」


 どこで何のためにするのかは皆目さっぱりだけど、また皆で集まって開催すれば面白そうではある。


「お、ほらカカ。タマちゃんからのバースディカード」


「……う」


「しまっとけよ」


 苦い顔をするカカ。それも昨日にちょっとしたエピソードがあったからだ。


 誓いの部長が終わった後(意味わかるよな?)、いくつかイベントがあった。その内の一つに『タマちゃんからのプレゼント贈呈』というものがったんだけど……


『ありがとう、タマちゃん!』


『んー!』


 ニコニコしながらカカが受け取ったケロリンのイラストつきバースディカードに書かれていたのは、拙い文字で『おばさんたんじようびおめでと−!』という言葉。


『誰がおばさんだ!?』


 立場的には合ってる……のか? 姉がタマちゃんの母親だとしたら、カカは叔母さんだし。


『ばばぁー!』


『なんであたしを指差す!?』


『もっとばばぁー!』


『なんで僕を指差すの!?』


 こんな風に姉と僕を翻弄したりしてた。楽しかったなぁ。


 あー、そういえばアレなんとかしないとなぁ。いやね? そのあとのイベントでウェディングケーキ入刀があったんだけどね。ケーキもこれまた見た目が普通に立派なウェディングケーキで、これがゲンゾウ三姉弟のプレゼントということだったんだけど……


『どうも、キリヤです』


『なんで今さら自己紹介してるですか?』


『ほら、回想場面って誰が喋ってるのかわかりにくいじゃないですか』


『クララ納得です!』


『それでは新郎新婦による共同作業に移りましょう! ケーキ、入刀!』


『って、なんで二人とも包丁持ってるのよっ! サユカです』


『や、だって渡されたから。カカです』


『なんか夜須さんって人から高級包丁セットが贈られてきたからいっぱいあるみたいだよー。サエです』


 現在とてもわかりやすい回想をお送りしております。


『クララいいこと思いつきました! さっき指輪交換できなかったので……包丁、交換!』


『してどうするのよっ!』


『じゃあ、交戦!』 


『死ぬわっ!』


『クララしょっくです!』


『交戦とな!? ふ、カツコ』


『魅せるか? クソオヤジ』


 そして包丁を握ったバケモノ二人のショー的な戦いが始まった!


 ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!


 速すぎて見世物にならんし。  


 というわけで、今うちには包丁がいっぱいあります。父さんにでもあげるかなぁ、手裏剣の代わりにこれ投げろって。姉と戦ってたとき投げてたっぽいし。


「トメ兄、花もいっぱいあるね」


「そだった。しばらくは飾っておくか」


 花といえば姉とテンのプレゼントだな。


『ったく、このプレゼントを考えるのにすんげぇ悩んだんだぜ? テンカだ』


 自己紹介はもういいよ回想メンバー。喋り方で大体わかるから。


『えー! 次はあたしが自己紹介しようと思ってたのに!』


 はいはい、回想進めなさい。


『ちぇ……グレてやる。群れてやる。濡れてやる』


 後半二つ、ナニ?


『こほん。あーっと、カカ、サエ? これがオレと姐さんで必死に考えたプレゼントだ!!』


『わー、バラだー!』


『必死にって、先生。別に普通の花束じゃん。嬉しいけどさ』


 そう、普通の赤いバラの花束と黒いバラの花束だったんだけど……


『ほれ、赤いバカと黒いバカ』


『……それが言いたかっただけ?』


『くだらねぇだろ!? ふははははは!』


『それこそがあたしたちの大好物! あっはっはっは!!』


 バラを渡してバカ笑いするバカ二人。バラをあげたほうが棘があるとはこれいかに。


 まぁ、そんな阿呆なことを必死に考えていた場面を想像すると頬も綻ぶ気もするがね。あと面白かったのがサラさんがサエちゃんへあげたプレゼント。


 サラさんから手渡された機械をしげしげと眺めるサエちゃん。


 おそるおそる触りながら、ひっくり返してみたり、穴を覗き込んでみたり、スイッチらしきところを突いてみたり。


 そしてスイッチを入れ、実際に機械が作動するのを見て、塾考したサエちゃんが出した結論は――


『掃除機!?』


『ドライヤーです』


 即行で否定され、そのやりとりに周りは大爆笑。


『あ、あの……か、髪乾かすの大変だと思って新型の……ぷくく』


『いいもんいいもんー! これだけ立派なら掃除機にだって使えるもんー!』


 間違いなくゴミを吹き飛ばすだけなのだが、カカは『そーだね、よちよち』と新郎の頭を撫でていた。和む。


 あとはタケダの親戚っぽい人から打ち上げ花火が届いてたんだよな。結局使う機会はなかったけど取っておこう。あと……なんかメッセージカードと花を添えて一緒にS字フックが届いてたな。よくわかんないけど、メッセージは温かいものだったから赤いフックはカカ、黒いフックはサエちゃんが持つことになった。持って何に使うのは甚だ疑問である。


「あ、トメ兄。そろそろ待ち合わせの時間だよ!」


「そっか。じゃ出かけよう」


 整理作業は中断、これからカカサエサユカと携帯ショップへ行く予定だ。


 サユカちゃんが選んだ携帯を、四人でお揃いにする。これが僕とサユカちゃんが考えたプレゼントだった。機種は先日こっそりサユカちゃんと二人で出かけたときに決めていた。でもそのことがバレてどこぞの新郎新婦に「でーとだ」「でーとだー」とか色々とツッコまれることになるんだけど――それはまた、別の話。


 ともかく、たくさんのプレゼントをもらえてよかったな。カカ、サエちゃん。


 それにしても色々くれたおまえら誰だ。




 後日談的なお話をあっさりと書いてみました。綺麗な終わりもいいものですが、あの後なにがあったのかも書きたかったので^^


 いろんな衣服類を贈ってくださった皆様、本編の通り、どこかでファッションショーなんかでカカたちが着ることになると思いますので、またお楽しみに^^

 そう……どこかで。

 そう……多分、カカたちが。

 あと……その他のものも、多分どこかで笑


 ――さて、残るはサエちゃんの誕生日を残すのみとなりました! プレゼントはまだ受け付けてまーす!

 でも……サエちゃんのプレゼントは一番レベルが高いので、なかなか紹介されないかも?笑

 

 あんパンの更新は誕生日終わってからかなぁ……遅れまくってすいません^^;

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