表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カカの天下  作者: ルシカ
611/917

カカの天下611「この日のあの時間」

 こんにちは、カカです。


 改めて誕生日を祝ってもらって元気たっぷり! ですが……遅刻してしまいました! そのときの話をちょっとします。


「カカ、サエ、サユカ。てめぇら、この時間に登校しやがって……言うことは?」


「おはようございます!!」


「よし、席につけ」


「いいのっ!?」


「んだよ、朝に必要なのは元気な挨拶だろが」


「遅刻はー?」


「うっせぇな。生徒が遅刻したらオレの評価が下がるんだよ。無視だ無視」


 この人が先生でよかった。


 ……よかったのかな?


「おし、授業の続きをすっぞ。この問題は……遅刻してきたカカに答えてもらうかな」


「遅刻は無視じゃなかったんですか?」


「それはそれ、これはこれだ」


 大人ってズルい。


「ほれ、答えは?」


「3です」


「今は国語の時間だ」


「三です」


「漢字にすりゃ国語ってわけじゃねぇ」


 聞いただけでよくわかったね、先生。さすが私の担任だけはある。


「この例文の欠けてる部分を埋めるんだよ、四つの選択肢からな。問題は五つあって――」


「三! 三! 三! 三!」


「三つなんて一言もいってねぇぞ」 


「や、その問題の答えを言ってみた」


「なんで適当に言うんだよ」


「それが私の生き様だから」


 さっきまで私らしくなかったからね。リハビリしないと。


「……問題、見てみろ」


 黒板を見る。


 ――私は『 』人間です。『 』が『 』だと、とっても『 』なのです。


「てめぇの答えで読んでみろ」


「私は三人間です。三が三だと、とっても三なのです」


 三すげぇ。


「カカ……あのな。わけわからんだけでおもしろくないのは点数低いぞ?」


「がーん!」


 ショックだ……私としたことが!


「精進しろよ」


「ご指導ありがとうございました、先生!」


 勉強になった!


「あの、よろしいですか? カカさんと先生は一体何の授業をされているのでしょうか」


 む、マジメなイチョウさんが立った。


「お楽しみのところ申し訳ありませんが、今は国語の時間で――」


「国語を勉強してるんだが。なぁカカ」


「うん、そだよ」


「……どの辺がですか?」


「日本語喋ってるだろ」


「……算数も日本語喋りますが」


「あれは数字が入るっしょ」


「今も入っているのでは?」


「漢字にしたじゃねぇか」


「……もうよろしいです」


 イチョウさんの負け。ふ、理屈が屁理屈に勝てると思うなよ!


「さて、話を戻そう。この問題を遅刻組にやってもらう、まずは見本となる答えを教えよう――私は『規則正しい』人間です。『起きるの』が『早い時間』だと、とっても『気持ちいいもの』なのです。これが答えだ」


 あれ、答え言っちゃった。


「どうだ、つまんねぇだろ。まず五年生の問題じゃねぇ」


 確かに……ん?


「先生、よく見たら先生の持っている教科書、二年生の――」


「さぁ! というわけで五年生レベルの問題だ! 三人で順番におもしろい言葉を当てはめて、この文章をおもしろくしてみろ」


 ……さては教科書忘れたな、先生。


「まずはサユカ。最初のところを埋めてみろ」


「ええっ!?」


 私は『 』人間です、ってとこか。


「せ、先生っ! わたしにはハードル高いですよっ」


 む、ここだ!


「ハイ! サユカンの代わりに言います!」


「言ってみろ」


「私はラブラブ人間です。トメさんがキュンキュンだと、とってもモッキューンなのです、BYサユカン!」


「合格!!」


「勝手なこと言わないでよっ!!」


「間違ってねぇだろ」


「なんで断定!? もっきゅーんっ!」


「ほら似合ってる」


 うんうん、クラスメイト皆で頷く。


 ふ、運動会で思いついた言葉を使えてよかった。


「じゃあ次、サエ」


「私は心が白い人間ですー」


「嘘ついたから却下」


 うんうん、クラスメイト皆で頷く。


「ぷー……」


 頬を膨らまして拗ねるサエちゃん、クラスメイト皆でニヤニヤ。


「よし、最後にカカ」


「私は変な人間です……あれ?」


 あれれ?


「どうしたカカ。そんな誰もが知ってること言っても仕方ねぇだろ」


 あれれれ?


「先生……」


「んだよ」


「おもしろいことが思いつきません」


「……は?」


 どうしよう。


 リハビリどころか、スランプ!?




 変化球を投げました。

 さて、どうなるでしょうか?


 ……それにしても最近、家に帰ってくるのが本当ギリギリな時間で笑

 明日は早めに更新できるように頑張ります!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ