カカの天下604「カカ天クエスト Ep8」
注意:このお話はカカ達がゲームのキャラになりきりながらRPGを進める話です。話の内容はゲームの中ですが、『もしもカカ達が異世界にいたら』みたいな感覚でお楽しみください。
ステータス
カカ ボケ勇者 レベル1 へん
サエ 悪の魔法使い レベル1 はらぐろ
サユカ 手の平の踊り子 レベル1 さびしんぼう エロレベル3
トメ ツッコミ レベル1 つっこみ 死体、腐っても色男
ケロリン スライム レベル7 おっさんくさい 死体、腐ったらゴミにしか見えない
自分達が助けた村娘が敵の手に渡った――そんなことを知る由もない勇者一行は、村人達からの礼の宴を楽しみまくっていた。
「勇者カカ様、よろしければこちらのお料理をお召し上がりください」
「ん、そこ置いといて。それはそうとあんた」
「は、なんでしょうか」
「踊れ」
「は!? い、いや私はしがない村男Aでして、踊り子では……」
「いいから踊れ。おもしろい踊りを踊れ。命令じゃ」
「う、うう……勇者様の命令とあらば」
村男Aはふしぎな踊りを踊った!
「おもしろくない」
村男Aは心に157のダメージを受けた。
村男Aは逃げ出した。
「さ、サエ様。こちらのお飲み物はいかがですか?」
「ありがとー。ねぇそこのおねーさん」
「な、なんでしょう?」
「脱いでー」
「はぁ!? い、いや、その」
「勇者の命令が聞けないのー?」
「し、しかし」
「この村の平和は誰のおかげ――」
「……や、やります」
村娘Bはスカートに手をかけた。
「えー、本当に脱ぐの?」
村娘Bは絶句した。心に226のダメージを受けた。
「だ、だって、だって!」
「えっち」
村娘Bは逃げ出した。
「ゆ、勇者サユカ様、これを」
「ありがとうおじさんっ! これ美味しいわねっ」
サユカの笑顔に癒され、おじさんAのHPが5回復した。
「そこのおじさん」
「な、なんでしょうかカカ様」
「ハゲ」
毛根の一撃! おじさんAは心に486ダメージを受けた。
おじさんAは心が死んでしまった。
「あ、ああ……村が壊滅していく……」
村長は泣いている。
「カカちゃーん、やりすぎじゃないかなー?」
「いいっしょこのくらい。ちょっと村の人口が減って、ちょっと心の傷が増えただけだよ。それにこういう贅沢はトメ兄がいるとできないからね」
「カカすけ……ワルね」
「ゲームの中でくらい悪いことしないとね。くっくっく」
トメはツッコみたそうにしながらもカンオケでじっとしている。
「むぅ、トメさんがいないとつまんないわよっ! さっさと生き返らせてあげましょうよ」
「まーまーサユカちゃん。愛しの人とずっと一緒にいるのもいいけど、たまに離れて羽目をはずすのも必要だよー?」
「は、羽目をはずすってなによっ」
「だからさ、トメ兄がいないうちにできること、やればいいんだってば」
「トメさんがいないうちに……というか、トメさんがいるとできないことよね。それって何かしら」
「強盗とか殺人とか?」
カカの狂気が満タンだ。
「そんなの嫌よっ! RPGじゃないでしょっ!」
「じゃー浮気とかー?」
「死んでもしないわっ!!」
サユカの愛が満タンだ。
「よし、こうしよー。トメさんだけ差し置いて私たちだけレベルを上げて、生き返らせた後であざ笑うのー」
サエの黒さが言うまでもなく満タンだ。
「よし、そうしよう! じゃあそこの村人!」
カカは適当な人を指差した!
「な、なんだ、俺か!?」
「戦闘だ!」
戦闘場面に移ります。
タケダがあらわれた!
「え、色々となんでだ!?」
「だってレベル1の私達が勝てそうな魔物いないもん。だから村人で代用」
「鬼か悪魔か君は!?」
「勇者だよ」
「それだけは絶対に嘘だぁぁぁぁ!!」
カカのこうげき!
タケダに3のダメージ。
サエのこうげき!
タケダに1のダメージ。
サユカのこうげき!
タケダにイヤーンなダメージ。
「イヤーンってなによっ!?」
「サユカちゃんいやーん」
「サユカンいやーん」
タケダのこうげき!
「だめ」
タケダのこうげきは却下された。
カカのこうげきがいっぱい。
タケダは死んでしまった。
「やった! 経験値は!?」
カカたちはマイナス10の経験値を獲得した。
「ええー! 獲得してないしー!」
「どういうことよっ!?」
「――人としてのレベルが下がる経験値、ということよ」
おっとタケダの様子が……?
変わらない。気のせいだったようだ。
「こっちかぁ!?」
カカは後ろを振り向いた!
「あ、あなたはー!」
「あれ、どうしたのよっ!」
村娘Aがあらわれた。
「ふふ……ふふふふ……」
村娘Aは『なんか異様に恐い顔』を常に発動している!
「こわ!! なに、ホラー? ホラーゲームな展開? なら逃げるぞ私は」
「待ちなさいよカカすけ! ほら、なんか戦闘場面になってるわよっ! あらわれたとか言ってるし!」
「村娘Aさん……もしかして敵になったのー?」
村娘Aは不敵に笑った。
「そうよ。村に、いいえ、人間に見捨てられた私は魔物に成り下がることにしたのよ! マイナス10の経験値なんか比べ物にならないほど人として成り下がり、いまやレベルはマイナス70よ!」
「マイナスって……弱くなるんじゃないの!?」
「魔物にとってはそれが正規のレベルなのよ。つまり私は、あなた達がレベル70になるのと同じ強さを得たということ!」
「……村娘が?」
「悪い!?」
「じゃー聞くけどー、その村娘さんに何ができるのー?」
「見たところ、顔が恐くなった以外に変化が見えないんだけどっ」
村娘Aは再び不敵に笑った。
「あなたたちは子供だから、まだわからないかもしれないわね……世の中には魔性の女と呼ばれる人がいるの、そういう女は得てして普通の人、でもこういうスキルを覚えることができる」
村娘Aの最大奥義が炸裂する!
『男を奪う』
トメ入りのカンオケが盗まれた!
「ああああああああああああっ!!」
「トメ兄ぃっ!?」
「……うそーん」
「あーっはっはっは! 見たか勇者ども! どれどれ、戦果の確認を……」
村娘Aはカンオケをあけた。
「…………おー」
村娘Aはよだれを垂らした。
「ちょっと何する気よそこの女っ!!」
「ふふふ、ここであなた達を片付けてしまおうかと思っていたけど……それはあまりに簡単だし、やめておくわ」
なにせカカ達はレベル1だ!
「それよりもこの人を着せ替えて……改造して……ふふふふふふ」
「ちょっと待ちなさいよぉぉぉぉっ!!」
村娘Aは逃げ出した!
村人相手にはなぜか最強のくせに普通の魔物にはてんで弱すぎる勇者一行――無情にもモノとして連れ去られてしまったトメ! 本当に腐っても色男でムカつくが、果たしてこれからどうなってしまうのか!?
次回、『さっさと生き返らせないとスライムはヤベェ』をお楽しみに!
あーぶな笑
もう少しで0時を過ぎるところでした……むぅ、余裕を持たねばなぁ。
というわけで、今度は比較的はやくカカ天クエストの続編です。なんだか人気あるようなので、短めにしてペース上げて載せてこうかなーなんて思ってます。といってもこれもほとんどノリで書いてるので計画とかないんですが笑
もう誕生日間近ですねぇ。プレゼントを贈るならお早めに、特にカカ個人へのは、ね^^