カカの天下564「社会の授業、都道府県」
やっほー、カカでーす。
ただいま社会の授業中。テンカ先生の下、日本各地の名産品とかそんなんについて勉強してます。
「ニシカワ、東京といえば?」
「敵です!」
「なぜ」
「東だからです! やっぱり西でしょう、東京じゃなくて西京でしょう! さいきょう、ほら最強じゃないですか!」
おお、最強の都。ちょっと心惹かれるなぁ。
「んなこたどうでもいいからちゃんと教科書読めよ。もういいや、座れ。えー、次は……アヤ。和歌山県は?」
「敵よ!」
「おまえもかい」
「だって私、歌は好きだけど和歌ってわかんないんだもん。春はあけぼのって何? あけぼのが相撲っぽいってことしかわからないわ!」
「アヤ坊、仲間だ! 共に戦おう!」
「仕方ないわね! 私はただの歌山県にするために!」
「僕は西京都にするために!」
なんでもいーじゃんって思うけど。
「……するために、どうすんだ? おまえら」
「とりあえず勉強しよう」
「そうね、学業は全ての基本だわ」
「普通にえらいなおまえら」
頑張る理由がわけわかんないけどね。
や、しかし退屈だ。サユカンは授業中マジメだし、サエちゃんは昨日何かあったのかボーっとしてるし……トメ兄は最近仕事が忙しいのか遊びに付き合ってくれないし。
「それじゃ熊本県がどんな県か、答えられるやついるか?」
ここは授業で遊ぶしかないか。
「はーい」
「カカ? 珍しいな……まぁいい、答えてみ。熊本県は?」
「クマがせっせと本を作る県」
「どんな県だよ。しかし器用だなクマ」
結構可愛くない? 工場の中で並んだクマが一生懸命……
「とにかく違う」
「じゃークマで本を作る県?」
「あのな、本は紙、つまり木からできてんだぞ。なにか? 木みたいに伐採すんのか、クマを」
並んだクマをばっさりばっさり伐採か。わお、平和な光景が一気に地獄絵図に。
「じゃー……くまもと……くま……もと……くま……」
あ!
「県民全員が元クマ!!」
「何を名案思いついたかのようにトチ狂ったこと言ってやがる」
「あれま、違った? じゃ元ヤン」
「熊本のカケラもなくなったじゃねーか」
「困ったクマった」
「はいはい。ったく、そこちゃんと確認しとけよ。代わりの質問、茨城県は?」
「いばらぎ?」
「そうだ」
「なんか痛そう」
「気持ちはわからんでもないが、それ単に感想だろ。あーあとな、いばらぎじゃなくていばらきだったわ」
「いばらぎのほうが痛そうだよ」
「んなこと誰も聞いてねーよ。とにかく確認しとけよ、じゃあ……石川県は?」
「石と川だけ」
「三途の川っぽいなオイ」
「テンカ先生、だんだんツッコミがトメ兄に似てきた」
「あいつと喋ってるだけで勉強なるからなぁ」
おかげでノッてきた。
「群馬は?」
「馬の群れ」
「県じゃねーよソレ」
「群れた馬!」
「変わってねーし」
きっと馬刺しとか美味しい県なんだろうなぁ。
「じゃー奈良で発達しているのは?」
「おなら」
「どうなってんだよ奈良!?」
「そりゃもーブーブーと」
「奈良県民に謝れ」
「ごめんなさいブー」
「謝ってねーし」
心の中では本当に謝ってるよ?
「高知でよく売られているものは?」
「坂本竜馬」
「誰も買わねーよ」
今の日本には必要かもしれないよ。
「鹿児島県でよく売られているものは?」
「西郷隆盛」
「いらねーってば」
「じゃ最後の隆盛」
「売り切れ寸前か!?」
そりゃ売れるよ。きっと日本は求めてるよ、そういう人をたくさん。
「新潟は?」
「書けない」
「聞いてねぇよ」
だってそうじゃん? なにあの字。
「兵庫は?」
「せまい日本 そんなに急いで どこに行く」
「カカさんや それは標語 違いだぜ」
「おっとっと こいつは失敗 恥ずかしい」
楽しいな 社会で遊ぶの 楽しいな。
と、ここでキーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴った。
「よし! みんな、わかったか!?」
『な に が !?』
ごもっとも ああごもっとも ごもっとも。
おそまつ。
ひっさびさの授業シリーズでーす。
えーと、いろんな県民さん。勝手なことばっか言ってすいません。
特に奈良県民さん。変なとこ発達させてすいません。謝ります。変な子供の戯言と思ってお許しを!




