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カカの天下  作者: ルシカ
554/917

カカの天下554「気になるあの子に猛烈アタック」

 よう、テンカだぜ。


 今日はまたもや時間がとれた三人でお茶会だ。先日のは姐さんは食ってるだけだわサカイさんはすぐ帰るわで慌しかったからな。今日こそはのんびりするぜ。


「ばくばくばくばく」


「……姐さん、今度は何食ってんだ」


「チョコパ」


 チョコパフェな。


「またなんか仕事してきたのか?」


「んーん、ただ食べたいだけ。ばくばくばく」


 この人の思考も大概自由だよな。さて、そろそろサカイさんが……


「ばくばく――あ、サカイちゃんだ」


「本当だ。目も向けずによくわかるな。おーいサカイさん、こっちこっち」


 店内に入ってきたサカイさんはオレたちを見つけるとずんずん向かってきて――


「どうしよう! 詐欺だよ!!」


 こんなことを叫んだ。なにいきなり。詐欺? サカイさんが今やってることか?


「どしたのサカイちゃん。詐欺って?」


「なんかね、オレオレ詐欺みたいな」


「犯人はテンちゃんだ!!」


 待てぃ。


「違うの、オレオレ詐欺みたいな……こう、娘娘詐欺なの!!」


 あー……なんか読めたような気がする。


 前のお茶会のとき、勝手ながらサエに送ったんだよな、サカイさんの番号。それでサエから電話かかってきて、パニックになってると。やれやれ……あとは自分で頑張れよーって思ってたんだがな。仕方ない。


「大丈夫だぜサカイさん、それは紛れもなくあんたの娘だ」


「そんなこと声を聞けば一発でわかるわよー!!」


 ……え、じゃ何が問題なんだ。


「サカイさん? えっと、自分の娘からの電話なら別に問題ないんじゃねぇのか」


「問題大有りだよー!! あんな可愛い子から電話かかってきて冷静でいられるはずないでしょー!」


 初恋の子から電話もらった小学生かアンタは。


「あのよ、サカイさん。それでその、詐欺はどっから出てきたんだ?」


「あの子も私も詐欺とか得意そうでしょー!! だからー!!」


 だからと言われても意味がさっぱりわかりません。


 と、そのとき。


 今まで黙っていた姐さんが口を開いた!


「サギという鳥がいます!!」


 …………


「…………」


「…………」


 …………


「なんか言えよ!!」


「え、だって言ってみただけだし。ばくばく」


 この人ほんとわからんわ。


「とと、とにかくどうしよう! 動揺してすぐ切っちゃったけど、たまにかかってくるんだよー」 


 そりゃそうだろうに……これが日本有数の企業団体を相手に暗躍してる人の姿かね。


「出てやれよ、娘だろ?」


「だだ、だってだってー、あんな可愛い子とお話なんてできないよー!」


「あんたの娘はいつの間にアイドルと化したんだ。何度も言うけどよ、サエは単なるあんたの娘で、あんたはその母親だろうが」


「母親だろうと友達だろうと、あんな可愛い子の声を聞いたら鼻血でること間違いなしだよー」


 親バカもここまでくればおもしれぇな。


「あぐあぐ……ごっそさん、っと。じゃさ、サカイちゃん。もしサエちゃんが電話サービスとかしようものなら、日本中で鼻血ブーが続出することになるんだね」


 地獄絵図だ。


「間違いないよー!! 出血多量で死亡者続出だよー!!」


「もはやサエちゃんは社会問題だね」


「ううー、電話関係の仕事にだけは就かせないようにしないとー」


 これを本気で言ってるからすげぇよな。


「はぁ、サカイさん。そろそろ落ち着けよ、初めて恋人できた小学生じゃあるまいし」


 さっき思っても口にはしなかったことを言ってみる。


 ちょっとキツイかなーと思ったが、


「相手は小学生だもん! 初めての恋人以上の存在だもん!!」


 この人のパニックを微塵も揺らがすことはできなかった。どんだけ娘が好きなんだよ。


「わぁったよ、じゃあこうしよう。待ってろ」


 ええと、サエのメールアドレス開いて……『こないだはわりぃな。教員としてサエの親御さんと接する機会があったついでに番号を送ってみたんだが、当の母親が恥ずかしがってるみたいでな。別におまえを嫌って電話に出ないわけじゃないから安心しろ、むしろ好きすぎて戸惑ってるみたいだからよ。だから……メールから始めてやれ』っと。


「うし、アドレス送っておいたぞ。これでメールでくるだろ」


「余計なことをー!! ありがとー!! このやろー!!」


 感謝されてるのかどうかわかんねぇ……お?


「この音。早速メールきたみてぇじゃねぇか」


「う、うんー」


「どれどれ、なんてきたのさサカイちゃん」


 三人で携帯を覗き込む。するとそこに恐る恐ると言った感じで『あの……おかあさん、ですか?』との文字が。


「可愛いじゃねぇか。返してやれよ、サカイさん」


「うんー……えっと、『それはどうかな?』と」


「なんでそうややこしいことするんだアンタは!?」


「だだ、だって恥ずかしいしー!」


「あっはっは! おもしろいぞーもっとやれ」


「じゃ、じゃー……『好きです』って」


「告白してどうすんの!?」


 そんなこんなでドタバタしつつ、なんとか二人のメールラインの確保に成功したのだった。あー疲れた。何が疲れたってツッコミ役が疲れた。やっぱこりゃトメの領分だな。




「そういやさ、テンちゃん。誕生日とかどうすんの?」


「あ、覚えてたか。別にいーよ、そういうのどうでもいいタチだし」


「その誕生日までには私もゴタゴタ終わらせたいですしー、何か集まってやりましょー!」


「いや、別にいいって。サカイさんは自分の娘だけ気にしてな」


「娘も友達も大事なんですよー」


 友達……ね。歳の離れた人に改めてそう言われるのは気恥ずかしいが、悪くはない。


 誕生日かぁ。別にどうでもいいんだけどなぁ、自分のは。




 最近涼しいですよねぇ……そのせいか変な時間に寝ちゃって更新がこのような中途半端な時間に笑

 

 さて、そんなわけで夏とさして関係のない、けれど最近噂のサカイさん編の一旦をお送りしました。サブタイトルは昔こんなフレーズあったなーと思いついたものですが、いつどこで聞いたのか覚えてません。誰か元ネタ知ってますかね?

 話がズレましたが……まぁいいや。サカイさんガンバ。これでよしと。


 しかし夏休みもあと少し。もういくつか夏っぽい話をやりたいところですねぇ。皆さんも夏、満喫してくださいね!

 私は最近、仕事仲間と花火なんかしました^^

 あとは海に行ければなぁ……

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