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カカの天下  作者: ルシカ
540/917

カカの天下540「暑いし」

 どうも……カカです……


「暑い……」


「私もー……」


「だるいわ……」


 そんなわけで。お祭りの翌日に皆で遊ぼうと我が家へ集まったはいいのですが、ワケワカラン暑さと昨日の疲労で私もサエちゃんもサユカンも居間でぐったり寝転がっています。


「カカすけ……なんて様よ。昨日はあんなに元気よかったのに」


「すごかったよねー。あんな大勢をまとめあげちゃって。緊張とかしなかったの?」


「や……なんかね、やたらとムカついてたからか緊張しなかった。あと、なんか頑張れーって誰かに後押しされてたような」


「神のご加護でもあったのかしらっ」


「そんなもんあるわけないでしょ」


「うわー、昨日あんなにいいこと言ったのにー」


 うるさいなぁ……昨日は昨日、今日は今日。気合入れてるときと腑抜けてるときとじゃ言うこともやることも違うのさー。それが人間さー。暑いし。


 ま、そうは言っても神のご加護っていう感じはあながち間違ってなかったかもしれない。なんとなくだけどね。


「まーでも昨日は頑張った。それでいいじゃん」


「うんうん、わたしたち頑張ったわよねっ」


「頑張ったから……今日は何もしなくていいんじゃないかなー」


「そだね……」


 暑いし。こうやってジッとしてるだけでいっか。


「ダメよっ! 子供なら子供らしく、何かしないと!」


 サユカちゃん元気だなぁ……でもなぁ……


「踊りすぎて身体が痛いんだよね」


「あ、私もー。調子に乗ってサユカちゃん振り回しすぎたー」


「そりゃわたしも痛いけどさっ」


 うん、足とか痛い……


 いたい……


「じゃ、一発芸やります」


「どうぞーカカちゃん」


「遺体」


 シーン……


「なにもしてないじゃないのっ」


 だって動きたくないもん。


「じゃー私も一発芸やりますー」


「どうぞサエちゃん」


「遺体二つ目」


「だから何かしなさいよっ」


 ナイスこんびねーしょん。サエちゃんと親指を立て合っていぇーい。


「じゃーサユカンは?」


「そうそう、そこまで言うならサユカちゃんもやるべきだよー」


「えと……それじゃ、やりまーす」


『わー』


 とてもわざとらしい声援。


「んと……大量殺人現場」


「つまり何もしないのねー」


「だって暑いもんっ! 疲れたもんっ!」


 おー開き直った。しかし激しく同意。


「でもこのまま寝たきりってのもアレだし……喉渇いたし。スポーツドリンクでも作りますかね」


「賛成ですー、ドリンカーカカさん」


「賛成よっ、ドリンカカカカ」


「あんたらも作るの! それにサユカン。『カ』が一つ多い」


「じゃ、そこに蚊が留まってたってことで」


 この子も相当キてるね。それも仕方ないか。暑すぎて脳みそ茹ってるみたいだもん。うー、立ち上がるのもヨロヨロしちゃうよ。


「ほらほら、立って。手伝って」


「あいー」


「うー、身体が重いわ」


 三人でフラフラと台所へ移動。えーっとポカリの粉がここら辺に……あった。


「はい。適当にコップに粉入れて、水入れて混ぜてね」


「あれ、一気にたくさん作るんじゃないのー?」


「うちは一回飲むたびに適当に作ってる。そうすると飲みすぎないようにできるんだって」


「細かい、というかケチくさいわねっ」


「たくさん飲むなら水が一番ってトメ兄が」


「さすがトメさん! ジュースの飲みすぎはよくないものねっ」


 ほんと現金だなーサユカンて。


 ……現金?


 ほしい。


「カカちゃん?」


「へ!? あ、ごめんボーっとしてた。あはは、えと、もう私がみんなの分、適当にやっちゃうね!」


 暑さのせいかな、と苦笑いしながらもさささーっとコップに粉を入れていく。


 そして混ぜると……泡だってきた?


「なんか変だねー。サユカちゃん、味見してみてー」


「え、別にいいけど――」


 さっき入れたのは……


「洗剤だコレ」「ぶっ!!」


「サユカちゃんだいじょうぶー?」


「あぶっ! あぶなっ!! もうちょっとで口に入れるとこだったわよ!」


 暑さのせいだ、うん。


 というわけで、もっかいやり直し。


 白い粉をぱっぱっぱ!


「今度はサエすけが飲みなさいよっ」


「やだー」


「やだって! そういえばさっきもさりげなくわたしに毒見させたわよねっ! ほんと黒いんだから――」


「カカちゃん、それ見せてー」


「この話を聞きなさいよ、まっ黒サエすけっ!」


「……カカちゃん」


「んあ?」


「これ漂白剤」


 ……ちんもく。


「カカすけ? いくらサエすけだからってね、これ飲んでも白くならないわよっ?」


「顔色くらいしか白くならないよね」


「む、それだけでも白くなるなら飲ませるべきかしらっ」


「少しでも黒さがマシになるかも」


「あっはっはー。二人とも、いいからその毒物捨てなさい」




 ――そんなこんなで。


 ようやく作ったポカリを飲んで。


「ごほっごほっごほっ!!」


 三人そろって咳込み、病院行き。


 お父さんが隠しておいた麻薬だったみたいです。 


 そんなわけで、私たち三人は残りの夏休みをベッドの上で過ごしたのでした……




「なんちゃって」


「んぐんぐ……カカちゃんどしたの?」


「ちょっと暇だからミニエピソード考えてみたり」


「へー、聞かせなさいよっ」


 ほんとは粉が多すぎて味が濃くて、むせただけでしたとさ。


 んぐんぐ……今日も今日とて平和だねー。


 暑いけど。


 ポカリおいしー。




 暑いしーとか疲れたーとか。

 べ、別に私がそうだってわけじゃないんですからねっ!!

 や、暑いのは同意なんですが笑

 そんなわけでイベントの後はお決まりのまったり話です。だらだらーっと行きましょう^^ちなみに私は子供のころはポカリ派でしたが今はアクエリアス派です(聞いてない


 にしても……今から思えば。

 この子ら日常会話がほんとミニ漫才ですね……ボケとツッコミ必ずいるし。

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