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カカの天下  作者: ルシカ
531/917

カカの天下531「夏祭りだよ、いろいろ集合!?」

 ども、引き続きトメです。


 夏祭りの本祭。いつものメンバー+アルファですごい人数になってしまいましたが、楽しくお祭りを見物しています。


 しかしさすがは大きなお祭り。いろんな人がいます。例えばそう、たった今、出会い頭にいきなり僕の肩を掴んで見つめてくる人とか。


 そのよくわからない人は、いきなりこんなことを言ってきました。


「辛い事もあると思うけど、頑張って。その努力を見ている人はちゃんと、沢山いるから」


 どういうこと!?


「ケンさん、なにいきなり変なこと言ってるんですか!?」


「こいつも見てます」


「ぅおい!! ボクはこんな人知りませんよ!?」


「では」


「ちょっと、ケンさん? まさか他の人に片っ端からそんなこと言っていくわけじゃないですよね?」


「ヒロ、君の努力は誰も見ていない」


「わざわざ言うな!!」


「あ、あの……?」


 な、なんだったんだろうあの二人組は……つまり「いつもおまえを見ている」ってことか? うーん……まぁ、応援されたからにはいろいろ頑張ろう。それにしてもなかなかいいツッコミだった。


 さて、他にも変な人はいるぞ。例えば……


「あれー、なんか踏んだ」


「サエちゃん? 何を――うわ、寝転がってる人踏んじゃったよ!」


 こんな祭りのさなかで寝転んでる人がいるのか!? それはその人が悪いんじゃ……


「ごめんなさいー」


 それでも律儀に謝るサエちゃん。しかしその踏まれた人は、


「感激だ!!」


「はー?」


「サエ様に踏まれて感激です! よければもっと踏んでください!」


「……サエすけ、この人、君のファンクラブの人なんじゃっ」


 そういえばそんなのあるって聞いたことあるような。サエちゃんはその人に微笑みながら、


「気持ち悪いからどっか行ってー」


 鬼のようなことを言った。


「はっ! 仰せのままに! あああ、サエ様に踏んでもらっちゃった! 我が名はMr.Kとでも呼びながら蔑みのお言葉を投げかけて――」


 微塵も堪えず、むしろ喜びながらそんなことを叫び続けるミスターは放っておいて、僕らは歩を進めていた。ファンクラブって境目をきっちりしないと怖いしね。


「おや、サエ様ではないですか」


 またサエちゃん狙いの誰かか!? と、思いきや。そこにいたのは警官姿のシュー君と……誰、このでっかい人。


「あ、ゆーただー。ほらカカちゃんサユカちゃん。こないだ話した土下座の用務員の人」


「学校の? そんな人がなんで警官の格好してるのさ」


 横がでっかい人は豪快に笑った。


「昔いろいろやってたからな。そのツテもあって今回の祭りの警備を頼まれたのだよ。またお祭り怪人とかいうわけのわからないモノが出ても困るんでな。女性と少女は俺が守る!」


 女性限定かい。そしてなぜ黙っているシュー君。せっかく登場したのに。


「サエ様の友達だね? みなのもの、遠慮なく俺のことをゆーたと呼び捨てにしてくれて構わないぞ! 蔑んでくれても構わない。むしろ蔑んでくれ」


 なんつーやつだ。ちょっと言っとくかな。


「なぁ、あんましそういう露骨なことを言うなよゆー」


 た、と続けようとしたその瞬間、僕の頭はわし掴みにされていた。


「にーちゃん? あんたにまで呼び捨てにされる筋合いはねぇんだぞ? あぁん?」


 こ、こここここ怖いです怖いです! なんかめっちゃドス効いてますこの人!! このまま頭握り潰されそうなんですけど! ほんとにいろいろ女性限定なんですねスミマセン!!


「こらゆーた、めっ」


「も――申し訳ありませんっ!!」


 ほっ……手を離してくれた、助かった。


「罰として警官がんばることー」


「はっ!! サエ様の命とあらば! できなかったらお仕置きしてください!」


「できなかったらお仕置きもしないー」


「そのほうが辛い!! わかりました、お仕置きされるように頑張ります。おら、いくぞシュー」


 ああ、引きづられていくシュー君……あれか、怖すぎて何も言えないのかシュー君。なんとも哀れな……


「ほれトメ。これやる」


 僕が哀れみの目で彼を見送っていると、唐突に何かが差し出される。これは、たこ焼き?


「テンか。随分いっぱいあるなこれ」


「サービスだとさ」


「いただこう……む? これ、ベビーカステラ混じってないか」


「サービスだとさ」


「……なんで」


「隣がベビーカステラやってるからパクったんだってよ」


「いいのかそれ!!」


「形似てるしバレなさそうだからいんじゃね?」


 まぁ客としてはいろいろ食べれるからいいんだけどさ……形似てるし。もぐもぐ。


 さて、他のやつらはどうしてるかな……キリヤは?


 あらま、あいつもすれ違った人に話しかけられて……


「キリヤ。久しぶり、しぇけなべイベ」


「おう、シアンかベイベ」


「イェイ」


「いぇーい」


 それだけ言ってすれ違って去っていった……


「ってどんな関係!?」


「さぁ。私にもわかりかねます」


「今の会話は!?」


「ノリです」


 ……そうだよな。祭りには変なやつが多い。こいつとかな。


「あー、惜しい!!」


 その声に振り向くと、年少の漫才五人組が射的をやっていた。しばらくあんなのやってないな……お、カカたちも混ざる気かな。


「カカたちもやるのね。お兄さん! 銃もう一つちょーだい」


 アヤちゃんだっけか。その子が呼びかけると、射的屋のお兄さん二人は……げ、ヤクザ?  とにかくガラの悪そうな二人が睨んできた。


「おいおい、またガキかよ」


「仕方ねぇだろ兄貴。金出してくれりゃいいじゃねぇか」


「そうよな、今日で稼がなきゃ親分にどやされるしよ」


「おう、俺はイトウ!」


「俺っちはユーサク!」


「二人あわせてイトウユーサク! ちったぁ知られた名前だぜ!」


 普通の名前だ。そりゃ皆なんとなくは知ってるよ。


「いいからよこせ」


 そしてそんな小芝居も気にせず銃を催促するカカ。


「はい、どうぞ」


 そして粋がったわりには普通に商売人な男たち。大人って大変だよねぇ。


「む? どうしたノゾミ君」


「え、っと」


 ふと見ると、タケダの横にいたおとなしい子が……すれ違いのお客さんっぽい人と目を合わせてる?


「私の名はカリュウ!!」


「ひっ」


 ……な、なんだ? いきなり。


 何が始まるんだ……


「…………」


 終わりかいっ!!


「な、なんだか自己紹介されたんですけど……」


「言うだけ言って去って行ったな」


 さっきのベイベーとかいうヤツといい、射的屋の人といい……ああいうの流行ってるのか?


「大丈夫かノゾミ君」


「え、あ、うん……あ、ありが……10匹」


「君はよくアリを見つけるなぁ」


「イチョウさん……あの二人、どうにかならない?」


「わたくしの力ではまだどうもできません……ニシカワ君の西の力でなんとかならないでしょうか?」


「まだ西が足りない」 


 この子らのボケっぷりも流行ってるのだろうか。あーツッコみたい。


「カカちゃん! どこに撃ってるの!?」


 なに!? カカが何かやらかしたのか!


「あ、トメさん! カカすけが、歩いてるカップルにいきなり銃を……」


「はぁ? なにしてんだよカカ」


「ほしいものに当てろっていうから」


「……見ず知らずのカップル撃って、何がほしかったんだよ」


「愛を分けてほしかった」


「ノイローゼかおまえは!? あ、すいません! うちの妹がご迷惑を!」


 撃たれたっぽい男の人に謝りまくる。


「あ、そんな。いいですよ別に、痛くありませんでしたし」


 おお、いい人っぽい。でも彼女さんは怒ってるっぽい。


「ふん、気をつけてよね! いくわよレイ」


「あ、待って僕の彼女!」


 まさか名無し!? ……そんなハズないよな。なんでそんなこと思ったんだろう。即興で書いた小説じゃあるまいし。不思議だ。


「あの、カカちゃん!」


「んむ?」


「君がほし――じゃなくて頑張って!!」


 あ、妙なことを言いかけたかと思いきやなぜか応援して去って行った。何がなんだかさっぱりだけど、本当に悪いことしちゃったな。カカに反省させねば!


「カカ! おまえな――」


「どうした弟よ」


「変わってる!? 姉! いつの間にそこに!」


「ばーん」


「撃った! 道行く人に向かって!? 変わったと思ったらカカと変わらないし!」 


「や、その人スリだから」


「すげぇなあんた!!」


 言いつつ撃たれた男はさっきの警備のでっかい人(ゆーたとは怖くて呼べない)に捕まっていた。


「ところでトメ。あんた子供の引率でもしてんの?」


「や、そんなつもりはなかったんだけど……それっぽいかも」


「ちょうどいいわ。あたしさ、この後のイベントステージで漫才やるから皆で見に来なさいな。知り合いがいると気合入るしね」


 ……え、姉も出るの? しかも漫才?




 というわけで読者様に参加していただきました!

 選んだのは完全にランダムです。役柄についての不満は聞きません。即興で書いた小説なので笑

 

 この後の話でも読者さんが出たりする……かも?


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