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カカの天下  作者: ルシカ
503/917

カカの天下503「サエちゃんの眠い朝」

 じりりりりりりり、とうるさい音で目が覚めました、サエですー……


「んー……にゅ」


 もぞもぞと起き上がり、目覚まし時計をぱしぱし叩いて黙らせますー。


 ぱしぱし。


 ぱしぱし。


「……んゅ?」


 止まらないー……


 あ、叩いてたのケロリンのぬいぐるみだった。


「ごめんなさい」


 きちんとぺこりと頭を下げて、今度はちゃんと目覚まし時計を止める。


「くぁ……」


 小さなあくび……眠いー……


「……くー」


 眠くて……上半身だけ起こしたまま傾いてって……


 ごん。


「いた」


 壁に頭をぶつけて、ようやくちゃんと目を覚ました。


 あまり朝は得意じゃないんだよねー。ふらふらしながら洗面所で顔を洗って……朝ご飯を用意しないとー。おじさんもおばさんも仕事で昨日からいないんだよね。自分でやらないと。


 トースターにパンをセットして、つまみを回して、これでよし。パンが焼けるまで数分……携帯でも見よーっと。


 メールだ。ファンクラブの会長からかー。えーと『命じられた調査の結果ですが――』ふむふむ……よし。『じゃあソレ消しといて』っとこれで返信完了。


 ふふふー、だんだん学校の影の支配者っぽくなってきたなー私。黒い黒いって言われるのは嫌だけど、こういうの楽しいんだよね。そのうち「この私を称えよ! 姫と呼べー」とか言ったりして。


 チン。


 あ、パン焼けたー。


 ……あれ、焼けてない。コンセント入れるの忘れてた。


 いいもんいいもん。姫はパンなんか焼かないもん。だからこういう失敗もあるんだもん……焼くけどさー。もう一回もう一回……


 一人で赤面しながら今度こそ朝食をちゃんと用意。マーマレードのジャムをつけて、はむはむ食べる。


 食べながら見るテレビは毎朝してるニュース番組。顔なじみのアナウンサーが頑張って何か喋ってる。


 いっつも思うんだよね。


 この人、鼻毛すごいなー。


 耳毛もすごいのかなー?


 あれ、またメールだー。ファンクラブ会長、暇なのかな。


 内容は『ではこの人はどうしますか?』だって。まったくもう、そんなの聞くまでもないのにね? 『許さない』と返信、これでよし。


 ごちそうさまでしたーと合掌して、食器を片付けてるうちに登校時間に。カカちゃんたちを待たせちゃ悪いし、急がないと……でもその前にメールチェックだけしとこう。


 パソコンの電源をぽちっとな。ふふ、最初は全然わからなかったパソコンだけど、最近はちゃんと使い方を覚えたんだよー? メル友だっているんだから。いつも『あなたを幸せにしてあげます!!』って送ってくるのー。だから私もそのたびに『じゃあここに現金を送ってください。それだけで幸せです』ってタケダ君の住所を添えて――


「あれ、つかないー」


 なかなかパソコンが起きてくれない。何度も電源ボタン押してるのになー。私に似て寝ぼすけさんなんだから。


「ねーねー、朝だよ」


 ぱしぱし叩いてもゆすっても起きてくれない。耳元で囁いても返事なしだ。


 仕方ないなー。




「で、どうしたって?」


 諦めて登校した私は、今朝のパソコンさんの寝ぼすけさんっぷりをカカちゃんとサユカちゃんに語ってみた。


「うん、仕方ないからパソコンさんの耳元に目覚まし時計をセットしてきたー……どうしたの?」


 口元を押さえてしゃがみ込むカカちゃんとサユカちゃん。えっと、笑いをこらえてる? 私の頭はハテナでいっぱいだ。


「さ、サエすけっ、それ、意味ないから!」


「ええー!? あ、やっぱり耳に差し込んで繋げなきゃいけないのかな」


「目覚まし時計とパソコンは繋げられないからっ! ていうかそもそも耳ってどこっ!? 耳に差し込むって何を!? ちょっとえぐいしっ」


「サエちゃん……かわいい……く、くはは……!!」


「じゃ、じゃあ、パソコンさんに名前をつけて呼ぶのとかどうかなー? そうしたら呼ばれてるーと思って起きてくれるかも」


「なんてつける気よっ?」


「パソコンだからー、パコちゃん?」


「「可愛いし……!!」」


 再び爆笑モードな二人。なんでこんなに大騒ぎしてるのか、私にはよくわからない。もしかしてパソコンさんって寝ぼすけさんなのが当たり前なのかなー? じゃあ無理やり起こすのはよくないね。今度は優しくゆっくり電源ボタンを押してあげよう。


 ゆっくり、起きるまで何回も。




 ――家に帰ってから、やってみた。


「つかない」


 なんでー? 


「ねーねー、パコちゃん? 画面真っ暗だよ。なんでそんなに暗いの? 嫌なことでもあったー?」


 電源ボタンは一回しか押してはいけない、ということを知ったのはもう少し後のことでした。ボタンを押すのが楽しくて、最近何回も押していました。


 ……私って、もしかして、どじー?




 サエちゃんの弱いところを書いてみました。

 ……なごむ笑


 えー、それは置いときまして^^;なんかいろんな人にご指摘いただきまくってなんとなく凹みそうな感じなのですが笑 502話が二つあったと……

 これ、バグでした。作者側からすると502話部分がふたつある状態。一つだけ消すことができず、仕方ないので両方消すことに。

 そしたら……

 今まで一度もなかった空白の日ができてしまいました!!


 ……ま、いいですけど。一日一話には変わらないし。

 いいですけどね!

 落ち込んでなんかないですからね!


 ……サエちゃんでも見てなごもーっと笑

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