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カカの天下  作者: ルシカ
498/917

カカの天下498「みんなの詰め合わせ、そのいち」

 ――今日のトメとサユカ。


 どうも、トメです。


 今日のお仕事も終わり家に帰ってきてみると、待っていたのはいつもの妹――ではなく、なぜかサユカちゃんでした。


「カカすけとサエすけがデートしに行ったので、仕方なくお留守番ですっ!」


「……はぁ」


 久々に変な気を利かせたのか、単に自分がサエちゃんと二人きりになりたかっただけなのか……どっちにせよ、まったくうちの妹は……


「夕飯の支度までゆっくりしようと思ってるけど、どうする?」


「遊びましょうっ」


「何して」


「にらめっこがいいです!」


 また懐かしい遊びを持ち出してくるもんだ。でも暇だし、いっか。


「にーらめっこしましょ」


「あっぱっぱーっ」


 あっぱっぱー? なんかバカっぽいな。


 まぁいいや、とにかく笑わせないと。どんな顔しよっかなー……ん?


「トメさんと見つめ合ってる……幸せ……にゃはーん♪」


「はい僕の勝ち」 


「にゃああああっ!?」


 即行で笑ってたし。というかニヤけてたし。


「もう一回、もう一回ですっ」


「はいはい……にーらめっこしましょ」


「あっぽっぽー」


 あっぽぅ。りんご食いたいな。


「……にゃーん♪」


「勝った」


「にゃあああああっ」


 またニヤけてるし。何がそんなにおもしろいのやら……って僕の顔か? まさか。


「もう一度ぉっ」


「い、いいけど」


 数秒後。


「わぉうん♪」


 今度は犬になった。


「もう一度ですっ!」


 この子、楽しそー。


 あとさっきも思ったけど。


 僕ら、バカっぽいなー。


 でも。


「じー」


「きゃわわんっ」


「じー」


「がぉーんっ」


「じいいいい」


「ぱおーんっ」


 楽しい、どこまで進化していくのだろう。もうちょっとこの面白い子で遊ぼ。


「しゅわるつねっがああああっ!!」


「いや待てどんな進化したんだよ!? しかし久々に聞いたなソレ!」


 そんな一日。




 ――今日のカカとサエ。


 どうも、カカです。


「今ごろサユカちゃん、うまくやってるかなー」


「大丈夫でしょ。最近あの二人、普通に仲いい感じだし」


「普通すぎてつまんないかもー」


「お、じゃあまた何か考えよっか」


 サエちゃんと楽しくデート中。商店街を楽しくブラブラして、そろそろ家に戻ろうかと思ったとき。


「あ。雨が降ってきた」


「傘を持ってきてよかったねー」


 雲行きが怪しかったので、私もサエちゃんも自分の傘を持ち歩いていたんだけど……


「傘ささないとー」


 自分の傘を見つめる。取っ手がお洒落な、お気に入りのデンジャーケロリンの傘……


 ごめんね、ケロリン。


「ふん!」


 ボキ!!


 ケロリンの断末魔の叫び声が聞こえた。


 なぜかコケコッコーだった。


 ……なぜ? 


「どうしたのーカカちゃん」


「傘が雨で壊れちゃった」


「……槍でも降ってきたのー? それに今、カカちゃん『ふん』って言わなかった?」


「それはくしゃみだよ」


 む、鼻がむずむず。ほんとにくしゃみでそう……


「はくしゅっ……ふん!!」


「あきらかに不自然だよー」


「いいの! とにかく傘が壊れたからそっち入れて!」


「うん、いいよー」


 よし、相合傘げっと!!


 濡れないようにぴったりくっついて。


「あーいあい♪」


「あーいあい?」


 なぜかお猿さんの歌を口ずさみながら、家まで至福の時間を過ごすのでした。


 そう、ぴったりくっついて……


 ぴったり……


 ぐい。


 ぐいぐい。


「カカちゃん、そんなにくっつかなくてもー」


 ぐいぐいぐいぐい。


「……もしかして道端の川に落とそうとか思ってるー?」


 バレたか。


「や、ほら。水も滴るいい女になるよ?」


 ぐいぐいぐいーってあれ、今度は私が押されてる?


「じゃーカカちゃんは血も滴るいい女になるねー。赤だしぴったり」


「車道!? 車道に落とそうと思ってますかサエちゃん!?」


 ぐい……ぐい……!


 大いなる至福の時間は、なぜか押しくらまんじゅうっぽい時間になってしまった。略して大福VSまんじゅう。


 傘を中心として互いにぐいぐい押し合う二人。変なの。


 でも、これはこれで楽しい。


 そんな一日。




 ――今日のカツコとサラ。


 どうも、サラです!


「新人です、よろしくお願いします!!」


 ついに新たなお仕事を見つけ、意気込みながら先輩に挨拶した私です! でも……でも……


「あれ、サラさんじゃん?」


「な、なぜあなたが、ここに?」


 そこには驚くべき人の姿がありました。なんと……トメさんとカカちゃんのお姉さんが!!


「なんでって、あたしもここで働いてるからだけど」


「でも……でも……あの」


 お姉さんとの交流はそんなに多くはないけど、少しはありました。この人がどんな人か、大体わかってるつもりです。


 でも――いいえ、だからこそ! この人がこんなところで働いてるなんて想像もつきませんでした!


「なにさ、言いたいことがあったらハッキリ言いなよ」


「だって、ここ……花屋さんですよ?」


「そだね」


「なんであなたがいるんですか!?」


「あんた失礼だな」


 だって、だって! すごく普通の仕事じゃないですか!?


 似合いません!


「てっきり私、怪獣とかしてらっしゃるのかと」


「それ仕事違う。まーあたしだって似合わないのはわかってるさ。でもこの仕事だと重宝されるのよ。花の種類とかで」


「え、もしかしてお花の種類、全部覚えてるんですか?」


「んーん。でもわかるの」


「……ど、どういうことですか?」


「や、ほら。あたしって動物とか植物の声わかるから」


「なぜ!?」


「さー? あ、いらっしゃいませ」


 巨大なハテナマークを頭上に浮かべる私に構わず、接客を始めるお姉さん。そしてお客さんがほしいと言ったのは、聞いたことのない花の名前。カタカナが並んでさっぱりです。


 そんな難解な花の名前を聞いたお姉さんは、ザッと店内を見渡しました。


 ……あれ?


 あれれ?


 見間違いでしょうか。


 今、一つの花がピクリと葉をあげたような?


「これですね」


 ……挙手? もしかして『それわたしでーす』って挙手したんですか!? う、嘘ですよね、偶然ですよね? たまたま風が吹いただけで……ってここ店内ですし!?


「ありがとうございましたー。ん、どしたのハナちゃん」


「サラです!!」


「え、花屋さんやるからてっきり」


 ま、まぁいいです。ちゃんと仕事もできる先輩っぽいですし、仲良くしていきましょう!


 それにしても……世の中、フシギがいっぱいです。


 そんな一日。




 ちょっとした一日。みんなは何をしてるんだろー的な話です。


 今日はいつもの主要メンバー+姉とか。明日は他のメンバーいきます。なるべく皆を出してあげたいですが、まーあぶれた人がいたらごめんなさい笑

 

 もうすぐ500。

 ちょっと感慨に耽りながら、特別なような、なんでもないような、そんなみんなの一日を書こうと思います。

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