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カカの天下  作者: ルシカ
497/917

カカの天下497「カカ天クエスト Ep6」

 注意:このお話はカカ達がゲームのキャラになりきりながらRPGを進める話です。話の内容はゲームの中ですが、『もしもカカ達が異世界にいたら』みたいな感覚でお楽しみください。

 ステータス

 カカ   ボケ勇者    レベル1 へん

 サエ   悪の魔法使い  レベル1 はらぐろ

 サユカ  手の平の踊り子 レベル1 さびしんぼう エロレベル3

 トメ   ツッコミ    レベル1 つっこみ

 ケロリン スライム    レベル7 おっさんくさい

 無事に、というか無傷でボスを倒してしまった一行は、見事にさらわれていた村娘を救うことに成功しました。あとは気絶した彼女を連れて、村へと連れて帰るだけなのですが……


「この運び方はどうかと思うんだけど……」


「そんなこと言って、トメ兄が背負いたいだけじゃないの? そしてどさくさに紛れていろいろ触る、と」


「ダメですからねトメさんっ! 背負うならわたしをっ! いろいろ触るなら、もっとわたしをっ」


「サユカちゃんったらー、だいたーん」


「え、えへへっ! ゲームの中くらい頑張ろうかなって! どうせ画面の前にはトメさんいないしっ」


 微妙に現実を混ぜた話をしながらも皆がずるずると引きずっているのは、助け出した村娘を入れたカンオケでした。そう、死んだときにお世話になるアレです。村娘は別に死んでいないのですが、こちらのほうが運びやすいのです。


「……おい、てめぇら」


「さぁ、トメさんっ、ど、どどどど、どうぞ!」


 返事がない、ただの情けない男のようだ。


「トメ兄……妹として情けない」


「おい」


「トメお兄さん、据え膳食わぬは男の恥さらしですよー」


「おいってば!!」


「なによケロリンッ! わたしは今、女として勝負を――」


「こっちは本当に勝負してんだよバカタレェ!!」


 実はまものの群れに囲まれていた!


「おっと――ぐはっ!」


 ケロリンはカカをかばった。10のダメージ!


「ぜー、はー、俺様が、こうして、てめーらを庇いながら戦ってやってるってのに!」


「だってー、私たちレベル1だしー」


「戦うと逆に邪魔だと思うの。だから応援だけしてるんだよ?」


「応援もしてねーじゃねーか!!」


 文句を言いながらの突進! まもの全員に55にダメージ! まものの群れを倒した!


「はー、はー……これで、なんとか」


「お休みのところ悪いなケロリン。僕の聞き間違いじゃなければ、なんだかあっちから足音が……」


「あ、まものだ」


「なんかすごいまものよっ」


 鈴木さんの群れが現れた!


 佐藤さんの群れが現れた!


 田中さんの群れが現れた!


「い、いくら日本に多い苗字だからって、こんなにたくさん群れるなよ!?」


「ちっ!!」


「ケロリン!!」


 よくある苗字ーズの総攻撃!! 皆を庇ったケロリンに合計148のダメージ! 


 ケロリンは死んでしまった。


「あああああ!!」


「ケロリンが、ケロリンが死んじゃったよ!! どうしようトメ兄!?」


「ど、どうするって――げっ」


 田中さんの攻撃! トメは38のダメージ!


 トメは死んでしまった。


「くそぉぉぉぉぉ田中めぇぇぇぇぇ」


 トメは全世界の田中さんに呪いをかけた。通じたかどうかは誰にもわからない!


「なんて弱いのトメ兄!?」


「こうなるからケロリンが頑張って庇ってくれてたのにー……まずいねー」


「ど、どうするのよっ! このままじゃ!」


「こうなったらー……二人とも、今まで密かに練習してたあの技をやるしかないよー!」


「あ、サエちゃんが考案して私が完成させたあの技ね!」


「わかったわっ! 今こそ――」


 よくある苗字ーズが突進してくる!


 カカは死んでしまった


 サユカは死んでしまった


 サエは死んでしまった


「あ、私のカンオケないー。ちょっとごめんねー。入るよー」


 サエが今まで引きずっていたカンオケに入った。


 定員オーバーになったので、中にいた村娘が外に飛び出した!


 村娘Aが戦闘に加わった。


 村娘Aが目を覚ました!


「きゃああああああ!! なんですかなんですかっ!? きゃあああああああ!!」 


 村娘Aは怯えている。


 村娘Aは逃げ出した!!


 しかし周りは囲まれている!


「い、いや……こないで……いやぁ」


 窮地に立たされたことにより、村娘Aの隠された能力が目を覚ます!!


「いやあああああああああああああああ!!」


 村娘Aは超逃げ出した!


 村娘Aはとてつもなく逃げ出した!


 村娘Aはハヤテのごとく逃げ出した!


 村娘Aは世界一逃げ出した!!


 ――やがて、村娘Aの体力が尽きたとき。目の前には故郷の村があった。


「はぁ……はぁ……はぁ……か、帰ってきた……帰ってきたよぅ……」


 村娘Aは感激に泣き崩れそうになった。


 しかし、そのとき。


「ついたー?」


 なぜか背中に並んでいたカンオケが一斉に開く。


 カカたちは勇者のスペシャル能力、『死んだフリ』を解除した。


「いやー。危なかったね」


「まものの群れが突進してきたときは死ぬかと思ったわ……」


「あのままやり過ごすつもりだったんだけどー、この娘さんが思いのほか頑張ってくれたおかげだねー。いやー、念のために娘さんに命綱つけておいてよかった」


 よく見れば、村娘Aのお腹には縄が結んであった。それは全てのカンオケに繋がっている。


 しかしそれはひとまず置いといて、カカたちの復活は事情を知らない者からすればゾンビにしか見えないので村娘Aは再び怯えている!


「あ、ごめん。怖がらないでいいよ。私たちはね、あなたをまものから助け出したの」


「へ? あ、あの。見た感じ、あなたたちを助けたのはわたしなのでは?」


 その通りだった!


「あ、順番が違う。その前にあなたを助けたの。それから助けられたの」


「は、はぁ……」


 村娘Aはいまいち状況を理解していない。


「そんな話は後にしましょうっ! 早くトメさんを生き返らせないとっ」


「あ、そうだねー。ケロリンも生き返らせないといけないし。村に入ろー」


「ほら、あなたも」


「は、はい……」


 混乱しながらも頷く村娘A。


「……また生命保険でお金もらえるなー」


「サエすけ、なんか言った?」


「んーん」


 強敵、よくある苗字ーズを退けた(?)一行! 物語が進んでいるのはすべてケロリンのおかげだと発覚した今、すべきことは一刻も早く戦力を回復させること。しかしそのとき、あやしい影が忍び寄る……


 次回、『本当の強敵、現る?』をお楽しみに!! 




 500いく前にこれは一回やっとこうと思ってました、久々のカカ天クエストです。

 村娘さん頑張りすぎです。

 ケロリンも頑張りすぎです。

 カカたちは頑張らなさすぎです。

 ハタラケ勇者。


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