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カカの天下  作者: ルシカ
479/917

カカの天下479「まったりな午後」

 こんにちは、てくてく歩いてるカカです。下校中です。


 さっきまでいつもの三人で帰っていたのですが、みんな一旦家に帰って荷物を置いてから、また集まることになってます。


 なって、いたのですが。


「カカちゃーん」


「あれ、サエちゃん?」


 さっき別れたはずのサエちゃんが追いかけてきました。はて?


「どしたの」


「んー、ちょっと寂しくなっちゃって。やっぱりこのままカカちゃんち行こうかなーと」


「寂しく、って。何かあったの?」


「んーん、ただ、やっぱり一緒にいるっていいよねー」


 いきなりよくわからないことを言うサエちゃん。でも言ってることは間違ってないと思うから「うん、そだね」と頷いておく。


「くぁ……」


「いいあくびだねー。カカちゃん眠いの?」


「うん、あったかいからかな」


 空を見上げれば柔らかな日差し、鮮やかな青色と白色が目に飛び込んでくる。今日は程よい快晴、それに心地いい風も吹いていて、絶好のお昼寝日和なのだ。


「じゃ、ちょっと寝ていこっかー」


「へ? どこで」


「そこー」


 サエちゃんの指差す先にはいつもの公園。ああ、ベンチか。


「お昼寝しながらここでサユカちゃん待とうよー。メールしとくから」


「あ、それいいかもね」


 長い階段を上ると、すぐ目の前にピカピカの赤いベンチが並んでいる。サエちゃんはその中でも綺麗どころを選ぶと、ランドセルを置いてそのまま座って――ぱしぱしと自分の膝を叩いた。


「かもーん」


「ハイ喜んで!!」


 お言葉に甘えてサエちゃんの膝を拝借、柔らかーい感触にほえーっとなりながらゴロリとベンチに寝っ転がる。


「ふわー……」


「んー、座ったままでも眠れるかな私」


 気持ちいー……


 そのまましばらく二人でぼけー……


 ぼー……


 っとしてたんだけど。


「うりうりー」


 ほっぺをつんつんされてます。


「ほれほれー」


 鼻をむにむにされてます。


「ふふー」


 耳の下をこしょこしょされ――ちょ、これ、あはは、くすぐったっ。


「……あの。何してんの、さっきから」


「カカちゃんで遊んでるのー」


 むぅ、遊ばれてばかりはシャクですな。ではこちらも反撃をば。


「うりゃ」


「ぁん」


「おー、サエちゃん細いのにお腹はぷにぷに」


 ぷにぷにぷにぷにぷにぷに。


「あ、あは、あぅ、ちょっとー、もう、えい!」


「ぅあん!」


 横腹を急に掴まれて変な声出しちゃった。


「カカちゃんも鍛えてるわりにはお腹柔らかいねー。えいえい」


「あぅん!? やったな、この」


 二人でひたすら互いのお腹をぷにぷにぷにぷに――


 何やってんだ私らは。


「ふー……つかれたね」


「うん、一休み」


 いじりあい疲れた私たちは、再びぼけーっとモードに入った。


 ぼけー……


「……う?」


 ふと視界に入ったサエちゃんの髪先に触れてみる。ほんと長いなー、腰まであるんだよね。だから膝に寝転がっててもちょうどいじりやすい位置に……いじりいじり。


「ちょうちょ結び」


「あ、人の髪で。じゃ私もカカちゃんのいじろー」


「いじって楽しいほど長くないよ? 私の髪」


「これくらいあれば全然いけるよ。きのこ畑にしてやるー」


「む、じゃあ私はちょうちょだらけにしてやる」


 いじりいじりいじりいじり……


「何してんの、君らっ」


 おやサユカン。遅い登場だね。


「二人して変な頭っ!!」


「サユカンもやる?」


「そのポニーテールをほどいてツインテールにしてあげよー」


「その二つの尻尾をさらにちょうちょ結びにしてしんぜよう」


「しんぜなくていいわよ、そんなのっ……って、あら」


 うろたえて身構えて……きょとんとするサユカン。


「無理やりしようとしないの? いつもだったら」


「私は膝にカカちゃんのせてるしー」


「私はサエちゃんの膝から離れたくないし」


「ふーん。じゃあ残念ねっ! わたしは君らに近づかないから、髪をいじるのは無理よっ」


 どうだ、と胸を張るサユカン。だが甘い。


「そっか、じゃあ仕方ないねー」


「うん、仕方ない」


「……え、それで終わり?」


「だって動けないしー」


「手、届かないし」


 サユカンを放ったらかしで二人で髪をいじりいじりいじり。


「わ、わたしはやらないからねっ!」


「はいはい」


「自分から獲物になりに行くなんて、しないんだからっ」


「それは残念だー」


 数分後。


「……ねぇ、仲間にいれてよぅ」


 結局は寂しそうに寄ってくる、可愛いサユカンなのであった。




 ――そして、夕方。


「なにやってんだか、こいつらは」


 帰ってくるのが遅いと思って公園に来てみたトメは、サエの両膝をまくらにして仲良くお昼寝する三人を発見するのだった。




 はい、ひたすらまったりとした話でした。

 笑うポイントとかまったく意識しないで書いたこのお話。のんびりしていただけたら幸いです^^


 あ、あと。前にあったタクヤ君がナニモノか、ですが。答えを一応載せておきます。

 答え――329話を読めばわかります^^ 


 あとあと、あんパンも二話目更新いたしましたのでお知らせしときます^^

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