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カカの天下  作者: ルシカ
458/917

カカの天下458「ゆめ夢、忘れることなく」

 こんにちは、夢です。


 じゃなくてカカです。でも夢でもあります。


 そう。現実の私は眠っていて、ここはヘンテコ空想世界……のはずです。どう見てもいつもの居間にしか見えませんが。


「あむあむ」


 そしてちょこんとテーブルについてタイヤキを食べているサエちゃん。なんて普通なんでしょう。これは本当に夢なのでしょうか?


「ねぇサエちゃん」


「あげないよー」


 この世界のサエちゃんもがめついです。


 それにしても困りました。やることがありません。せっかく夢の中なのですから、もっと変なことがしたいもんです。


 その想いが通じたのか、サエちゃんはタイヤキをくわえたままこちらを向いて、ポン、と私になにかを手渡してきました。


 たまごです。普通のサイズのたまごです。


「それ温めてー」


「えっと……どうやって?」


「レンジで地肌で」


 どっち。


 疑問が浮かびましたが夢の中なので細かいことは気にしません。レンジを使うのが面倒だと思った私は手で直接温めることにしました。


 大切に、包み込むように。


 私はたまごを、ぎゅっと握り締めました。


 すると、どうでしょう。


 つぶれました。


 力を込めすぎたようです。


 しかしたまごの中身は卵黄ではなく、小さな小さなヒナでした。いつかテレビで見た、ひよこの赤ちゃんに似ていますが……実際はなんなのかよくわかりません。


「ねぇサエちゃん。これって」


「いま食べるのに忙しいー」


 サエちゃんはいつのまにかタイヤキではなく鯛を食べていました。


「よく食べるね」


「たくさん食べないと大きくなれないからーぱくぱくぱく」


 全然聞く耳を持ってくれません。仕方なく他に聞ける人がいないか探してみます。


 するとシュー君を見つけました。


 いつのまにか部屋の隅にいたのです。なぜか首しかありません。


「ねぇシュー君。これ、何のヒナ?」


「サユカンドラゴンだよ」


 すると、どうでしょう。


 ヒナの身体はものすごい勢いで膨張していき、あっという間に城のように大きなドラゴンになってしまいました。バカでかいです。天井とかはいつの間にか消えてました。


 美しい銀色の体躯、鋼のように鋭利な翼――雄叫びは大地を揺らし、破壊神たる存在を見せ付けています。


 立派になったねサユカン。


「これ、どうしようか?」


 シュー君に聞こうかと思ったのですが、首だけだったシュー君はいつの間にかドラゴンに踏み潰されていました。


 なぜか笑っていました。怖いのでスルーします。


 他に話ができそうな人は……あ、キリヤ君を見つけました。


 なぜか爆笑してます。


「ねーキリヤ君。私、何をすればいいと思う?」


「あははははははは! はな……は、話を……ふ、ふはは、話をすればいいのではないですか、あ、あははははは!」


 うざいくらいに笑いすぎててなんだか苦しそうですが、なるほど話ですね、わかりました。


 しかしサユカン、でかいです。顔が見えません。私も顔を合わせられるくらいの高い位置にいかないとお話なんかできません。


「私が手伝ってあげるよー」


 振り返ってみると、そこにはドラゴンと同じくらい大きなサエちゃんが座っていました。いっぱい食べて大きくなれたみたいです。


「んじゃお願い」


 サエちゃんは私をうまいことつまんで肩に乗せてくれました。そしてサユカンドラゴンに声をかけてみます。


「ごめんくださーい」


 ドラゴンは長い首をぐりんとこちらに向け、ものすっごい怖い顔で睨みつけてきました。目つき悪いですサユカン。


 しかしそんなことは些細なことです。なんとドラゴンの鼻先に仁王立ちしている人間がいたのです。


 Tシャツに短パン姿のお姉でした。ラフな格好なくせに明らかにドラゴンより強そうなのはどういうことでしょうか。


「クララもいます!」


 いました。


 ぱかりと開いたドラゴンの口の中に。


「ごっくん」


 何か聞こえた気がしますが無視します。 


 そんなことよりも大事なことがあるのです。


 このドラゴンを従えるお姉に、言わなければならないことが!


「お姉!!」


「なにさ!?」


「ソレ貸して」


「はいよ」


 夢はそこで終わりました。



 

 むくり、と。


 ぼんやりとしたまま身体を起こして、私は言った。


「ソレって何」


 どうしても思い出せない。


「おーカカ。起きてたか……どした?」 


「ソレって何?」


「は?」


 かなり鮮明に覚えてたのでトメ兄に説明してみる。


「ふーん……ソレ、ねぇ。んー、夢って心の底で思ってることが大事だって言うからな。貸してほしかったってことは、現実でいつもはあるのに、その夢の中ではなかったもの、じゃないかな。よくわかんないけど」


 現実でいつもはあって、その夢の中ではなかったもの。


 ――ああ。


 コレか。


「ふぇ!? な、なにふんらカカ!」


 なんとなくソレのほっぺたを引っ張りながら、私は新たに浮かんだ疑問に首をかしげていた。


 なんでお姉が持ってんのさ。


 それは最後までわからなかった。


 というわけで夢のお話です。

 実際に私が見た夢を加工したものだったりしますが、いかがでしたでしょうか笑

 カカのソレは見つかりましたが、私のソレは見つかりません。果たしてなんだったのか……いまだに不明だったりします。


 あと、昨日のお話でミスして書いてしまった箇所があり、読者様のお声で気づいてから修正するまで一時間ほどそれを曝してしまいましたが……お目汚しされた方々には深く謝罪いたします。

 今後はそういったミスがないように精進したいと思います!!

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