カカの天下450「第十四回、カカラジ!」
「皆さんこんカカ! 暑いときは暑い、寒いときはなぜか寒い、と相変わらず不安定な気候に振り回されつつも逆に私が振り回してやるぜ! なーんて思いつつ自分的にはのほほんと行動してるつもりだったりする香加です!」
「あい、気候にも香加にも振り回されてる留です」
「この軟弱者めが」
「じゃーもっと硬いやつ連れてこいよ」
「硬い頭の人が私に付き合えるはずないでしょ!」
「それはそうだが、じゃあどうしろと」
「軟強者になればいいんだよ」
「どうなればいいのかさっぱりわかんねぇよ」
はいはい、なんにせよ第十四回カカラジ! スタートです。
「これはネット小説『カカの天下』を盛り上げるため、ぶっちゃけトークや作者の本音や変なCM、思いつき企画等を放送するラジオ趣味な番組です! 僕や香加、作者は本編自体とはとりあえず関係ないのでお気をつけください」
「それではCMに!」
「……進行はやいな」
「今回はゲストもいないしね」
「キリヤとか呼べばよかったのに」
長さの都合上でゲストは却下で。今度ねっ。
「でもこれだけじゃつまんないね」
「そうだな……今度ゲストがいないときは小芝居でもいれるか?」
「お、いいねそれ。んじゃ今度やってみよう」
はい、今後の方針も決まったところでCMへ!
『皆様は覚えていますでしょうか。かつてこのラジオで異様に可愛い水着売り場を紹介したことを! そのお店はいまや大人気。店舗を拡大し、水着だけでなくメイド服などの各種制服まで取り揃えております。もちろん訪れるのは邪なことを考えている男性客だけではありません。可愛い女の子もご来店されます。その証拠に――おお、ちょうど買い物に来た少女がいます! インタビューしてみましょう……もしもし、すいません』
『は、はいっ!?』
『少しインタビューよろしいですか?』
『え、えっと、は、はい……っ』
『今日は何を買いに着たんですか?』
『え、エプ――いえ、そのっ』
『エプロンドレスですか! おお、まさしくここはメイドさんファッションの王道、エプロンドレス売り場!』
『ひぅっ! そ、そのっ、えっと』
『皆様、このような可憐な美少女がメイドさんだったら、どうですか? ときめきませんか? ニヤニヤしませんか? 鼻血はでませんか? いえ、きっと出るでしょう。ビバメイド! ビバ鼻血!』
『い、いやぁっ! ヘンタイ!』
『ぐはぁっ! 殴られた私が鼻血ブー! 以上、最近流行のお店を紹介しました。あ、問い合わせはこちらです↓』
『どうでもいいけど鼻血ふきなさいよっ』
CMがあけて。
「なんだかどっかで聞いたような声だったよね」
「……そしてどこかで聞いたような話だったな」
「ま、着るのは留兄じゃなくてトメ兄だからね」
「もう着るの決定!? ていうか僕は彼の分身だからどっちにしろ苦痛は変わらないんですけど!」
まーまー。まだ決定とは限りませんよ。
「ここまで言ったらもう確定も同然だと思うけど」
「待て。だってさ、僕のメイド姿だぞ? そんな汚いもん見たくないって批判がくるかもしれないじゃないか。や、きっとくる。そんなときのためにこうしてハッキリしない言い方をしてるんだよ、きっと」
そうなの?
「僕に聞くなよ!! ほんとハッキリしない作者だな!」
「別にどっちでもいいじゃん留兄。どうせもうすぐわかるんだし」
「それはそうだけど……はぁ。わかったよ、とりあえず進めよ。えっと、それではお便りコーナーいきます!」
「はーい! ではではカカラジネーム『桜下死体』さんからのお便りです」
「クララちゃんファンっぽい名前だね」
「まさしく質問もクララちゃん絡みです。えー、『クララちゃんの血液型は何型?』という質問ですが」
妖型です。
「なにそれ」
オー型があるんだからヨー型もあっていいでしょう。
「……ね、なんかすごい適当に答えてない?」
「普通に桜型でO型ってことでいいんじゃないか?」
んじゃそれで。
「やっぱ適当だねー」
うるさいな。人間じゃない子に理屈ばっか当てはめてもつまんないでしょ。
「それはもっともかも……んじゃ次いこか」
「僕読むぞ。カカラジネーム『カカラジネーム』さんから」
「なんで繰り返すの」
「だってそう書いてあるんだもんよ。えっと、『クララちゃんの桜ってもしかしてソメイヨシノですか?』という質問だけど」
はい、お察しのとおりモデルはソメイヨシノです。この桜、六十年寿命説というものがありまして、成長が早く老化も早いと言われているのですが……ある意味人間とそっくりな寿命ですよね。だから校長と寄り添って生きるには最適な桜だったと言えるでしょう。
「でもクララちゃん、幼いよね」
「校長と同じ歳くらいのはずなのにな。なんで?」
趣味です。
「待て、いくらなんでも正直すぎだろう」
もちろんそれだけじゃありません。
木が意思を持つには年月と想いを重ねる必要があります。長年大事にされ続けていた桜の木が意思を持ち始めたのはつい最近のこと。だから木として積み重ねた年月は多くても、意思をもつ桜の精として生まれてからの年月は少ない。だからクララちゃんの小さい姿は精としての歳相応なのです。
こんな説はどうですか?
「や、聞かれても」
「あんた作者でしょ。ハッキリしなさいな」
うーん、あまりハッキリしすぎるのも好きじゃないんですよね。
この作品は現代が舞台です。たまーに人並みはずれた人がいますが……あくまで基本は現代の日常なのです。では実際、世の中で起きる事象は全て解明されていますか? いないでしょう。幽霊や妖精など、説は多々あれど真実はわかりません。だからこそおもしろい部分もあると思います。
この作品はフィクションであり、ある意味ファンタジーです。でも現代でもあるのです。だから少しくらい不明瞭なことがあってもいいのでは、と考えています。クララちゃんを筆頭にこれからも「ん? どうなってんの」と思われることもあるでしょう。でもそれをあーだこーだと想像するのも、また楽しみ方の一つとなるのではないでしょうか。
「作者、しゃべりすぎ」
……人がマジメに答えてるのに。
「長いっての。留兄、まとめてよ」
「ん、要は……ファンタジーな箇所は自由に想像してください、ってことだろ」
……ごもっとも。
「じゃ最初からそう言ってよ」
……すいません。
「よし、次行こうか。香加?」
「はーい。あ、そうそう聞いてよ。こないだね、変なメッセージが届いたらしいの」
「や、いくら変でもカカには負ける」
「うっさい。そういう変じゃないの。えっと……あった。これこれ。脅迫状だよ」
「なにっ!? このようなほのぼの作品にそんな過激なものが!?」
「ほら……これ見てよ」
『このメッセージは呪いのメッセージです。このメッセージを一文字でも読んでしまったら、「カカの天下」連載終了までにトメとテンカをくっつけなければなりません。それを行わなかった場合、あなたの身にとてつもない災厄がいくつも降り懸かります』
「ねっ! 怖いでしょ!?」
「……えっと」
実話です。はい続き。
『具体的な例を挙げると、
『全世界のカマドウマが自分に向かって飛んでくる』
『部屋に一人でいるとき、ほんの少し開いたドアの隙間からドナドナの合唱が絶えず聞こえてくる』
『朝起きると自室の真ん中にエクスカリバーが刺さっていて、数多くの自称アーサー王の末裔が土足で侵入してくる』
『昔着ていた服を久しぶりに着ようとしたら入らなかった』
『ご飯の炊き方を間違えれ』
etc...
これが嫌ならば絶対にトメとテンカをくっつけてください』
送られてきた内容はとことん実話です。
「どんだけテンが好きなんだよ……」
「や、留兄と天下先生のカップルが好きなんでしょ」
「カップル言うな! で、どうするんだよ作者。脅迫に屈するのか?」
屈してたら今ごろトメとテンカ先生はラブラブうっふんあっはんだよ。
「その発言も気になるが……とにかく脅迫は気にしないわけか?」
うん。だってさ、ぶっちゃけ本当に起きたらおもしろくない? とくにアーサー王。
「……そっか。そういやこの人、僕やカカのこと書いてる人だもんね」
「こんなん好きそうだよね。脅迫にならないよ」
エクスカリバーほしー。
「はいはい、ご覧の通り脅迫状はまったく効果がありません。なんとかしたかったらまたなんかおもしろいの考えて送ってくること!」
「もう送らんでいい! ったく……別に僕とテンはなんでもないのに」
「んー? でも誕生日話が終わってしばらくしたら、本編でトメ兄とテンカ先生が一波乱あるらしいよ?」
らしいよ?
「そ、それは作者に任せるけどさ……ああもう、次!」
「はいはい。えーっと……お? お便りはこれで終わりかな」
「おし、じゃあ次のコーナーだな」
「え、なになに?」
「えーっと、前回、好きな話投票で見事一位を獲得した243話、『魔法の誕生日』のアフターストーリーを公開するんだって」
「アフター、ってことは?」
「香加が、じゃなくてカカが誕生日を祝ってもらって、『私に抱きつけ!』って言った後の話かな」
「うあ、恥ずかしいこと言ってたもんだね」
「つまりは誕生日パーティーがどんな様子だったかをチラッと書くわけな。244話でも触れてるけど、半分は夢だったしな」
「なんならこれ読む前に243話と244話をもう一度読むのもいいかもね」
「あまり長くないから必要ない気もするけど、そこらへんは読者さんに任せよう。ではでは、243話『魔法の誕生日』のアフターストーリー。スタートです!」
アフターストーリー、そのいち。『主役をもみくちゃにするときのお約束』
「私に抱きつけ!」
私はそう言った。
そしてもみくちゃにされた後、みんなわいわいと料理にありついたわけだけど……
「や、喜んでもらえてよかったよかった! あたしもなんか嬉しいよ!」
「あ、みんな! せんべいは一応デザートだからな。先に料理食べろよ!」
「そうそう。でも先にろうそく――トメは捨てとこっか」
「だから僕を捨てるなっての! やめれ姉!」
「んー、おいしーねーこれ」
「お肉やわらかいわっ」
「…………」
賑やかな会場の中で、私だけが呆然と立ち尽くしていた。
そんな私に気づいたのは親友の二人。
「あれー? カカちゃんどうしたのー」
「食べないのっ、それともまだ感動してるとか?」
気が付けば私はわなわなと身体を震わせていた。
「……さっき、私にみんなが抱きついたときなんだけど」
小首を傾げるサエちゃんとサユカン。ただならぬ様子に気づいたのか、手を止めてこちらに注目するみんな。
会場中の視線を再び集め、私は言い放った。
「私の、お尻を触った人がいる」
ざわっ、と会場が揺れる。
まずみんなの視線を集めたのはタケダだった。
「へ? いや、俺は――」
弁明聞くのがめんどくさかったのでとりあえずボコった。いいでしょ、タケダだし。
「さて、本当の犯人は?」
「そんだけ殴っておいて犯人扱いしないのね……」
呆れるサユカン、その声を聞いて、私は唐突に思い出した。
「そういえばさっき、柔らかーいって言ってたよねサユカン。私のお尻のことじゃないの?」
「あれはお肉が」
「私の尻肉がそんなによかったか!?」
「違うわよ料理の話よっ!」
「私を食べる気!?」
「だ、だから違うってばっ!」
「私は煮ても焼いても美味いぞ!」
「食べてほしいのっ!?」
「ぱくー」
「ああ、サエすけがカカすけを食べた!!」
「……やん♪」
「なに喜んでのよっ」
――ことの真相。
「なぁ、トメ」
「なんだよテン」
「おまえの妹、いいケツしてるな」
「おいオッサン。犯人としてあれ止めて来い」
「んー、もうちっと見てからな」
犯人はテンカ先生でしたとさ。
おやぢEND
アフターストーリーそのに、『命令そのに』
カカです。
さっき魔女権限でトメ兄とサユカンをくっつけようと命令したんだけど(244話参照)、うまく逃げられたのでダメでした。でもこのままじゃ終わらせないからね!
「ふっふっふ、次の命令いくよ!」
「おおー、魔女様のお言葉だー」
「みんな、心して聞けよ!!」
ノリノリなサエちゃんと姉。
んー、やっぱここは意外なところで……
「テンカ先生! シュー君に抱きつけ!」
どうだ!
もぐもぐと料理をむさぼっていたテンカ先生は動きを止める。そしてシュー君は顔を真っ赤に爆発させた。おおお、これはおもしろくなるかも?
「え、えっと、えっと?」
顔を真っ赤にさせて、なぜかお姉とテンカ先生を見比べるシュー君。
「もぐもぐ」
そしてマイペースに口に入れたものを咀嚼しているテンカ先生。
やがてそれを飲み込むと、先生は小首をかしげ、ぐるりと周囲にいる人間を見渡して言った。
「なぁ。誰か『ダキ』もってないか?」
ダキって何!?
「あん? ダキをつけるんだろが」
先生。それはあまりにも強引な逃げ方です。
と、ここで姉が手をポンと打って提案を一つ。
「ね、ダキじゃなくて唾液なんじゃないの?」
「なる。ぺっ」
うあテンカ先生がシュー君に唾を吐き捨てた!?
「…………!」
なんか嬉しそう!?
歪んだ幸せEND
――と、こんな感じだったのだよ。
「なぁ、いくらなんでもこのシメ方はないんじゃないか?」
「いい話が台無しだよ。自分で言うのもなんだけど」
番外編なんですからこのくらいでいいんです。それにどうせ感動場面はあそこまでで、後はめちゃくちゃ――そんなのわかりきっていたことでしょう?
「そ、それもそっか。にしてもどっちもテンカ先生の話だね」
最近出番少なかったからね。
「なるほど」
「じゃ、ここらへんでCMいこうか」
『皆様は乳酸菌を知っていますね? ええ、お腹を守ってくれたりする菌です。しかし私達が今回提供するこの菌は、なんと乳酸菌の数万倍の威力でお腹を守ってくれるのです!
その名も――姉酸菌。
これを口にすれば鉄壁の強化! どんな弱い胃腸でも、人間のものとは思えないほどの消化器官へと進化します! その威力はなんと石をも消化するほど! これさえあれば幼稚園児のままごとで泥団子も平気で食べられます! ぜーんぶ姉さんに任せておけば安心さ! え? 副作用? 姉みたいになります。それでもよければぜひ――え、生産中止? 化け物が増えてモンスターハンターから苦情がきた? そ、そんな――プツッ』
CMがあけて。
「……なにさ、今の」
ほ、放送事故?
「これ実話なの? それとも映画とかの話?」
な、謎です。
「姉って一体……や、ファンタジーにはツッコまないんだった」
そうしたほうが無難ですね。さて、ここでお知らせです!
「おう! 暗い気分をぶっ飛ばせ!」
はい! お知らせというのは他でもありません。
第二回、カカ天キャラの人気投票を行いたいと思います!
「おー、二回目!」
「雪辱戦だー! 今度こそ留兄潰して一位になるもんね!」
今回はもっと差をはっきりと分けるため、ポイント制とします! 読者様一人が使えるのは3ポイントまで! そのポイントをどう使うかは読者様に任せます。
「ほうほう。つまり一人に3ポイント使ってもいいし、三人に1ポイントずつ使ってもいいってことだね?」
「一番好きなキャラに2ポイント、二番目に1ポイントってのもできるね」
説明ありがとう! さらに! 投票期間はきたる500話目までとします、が! 475話目を境に前半期、後半期と分けたいと思います。
「……どゆこと?」
つまり、読者様は投票のチャンスが二回あるということです。前半期に一度投票した人も、後半期でもう一度、投票できるということ!
「それ、なんか意味あるの?」
この作品の性質上、キャラの登場率の浮き沈みが激しかったりしますよね。その中で長く人気を維持できたキャラこそ本当の人気キャラだと考えます。それに、この方法だとますます差がはっきりしますしね。
「なるほど。そういや前のは教頭人気が急に上がったりしたもんね」
そのとおり。いつ私の気まぐれでどんな話ができるかわかりませんからね!
「その行き当たりばったり、いい加減なおらないの?」
今までこうだったんですし、これからもこうでいいんです!
ではでは、一応まとめて繰り返しておきますね。
えー、第二回キャラ人気投票を行います。ひとまずは前半期、475話までにお一人様3ポイントまで受付けます。ポイントの振り分けは自由。
投票方法は感想欄に書くか、作者へのメッセージ欄から書くか、のどちらかです。カカに3ポイント、とか投票内容を書くだけでも結構ですのでお気軽にどうぞ。もちろん感想やキャラに対する想いを書いていただけたら嬉しいですが!
「票ポイント、集まるかなぁ」
「うーん、なにせこれ450話だしな。ここまでたどり着いた読者さんがどれだけいるか……」
うっ、痛いところを突きますね……で、でも期間は長いしきっと大丈夫……だといいなぁ。
「ともかくやってみないと始まらないよね」
「うんうん、香加の言うとおり」
「迷ったらとりあえず私に入れとけばいいよ」
「うんう――話の流れ考えない唐突なアピールだなオイ」
票の流れがどうなるか……とりあえず475話で中間発表します! それまでに皆様、よかったら投票してみてくださいまし。
「じゃ、カカ天の未来は読者さんに託すとして……そろそろ終わりか」
「カカラジチョップどうする?」
景気付けに、前回のキャラ投票一位の脳天割るのはどうでしょうか。
「いいねー」
「え、ちょ――」
問答無用でカカラジ――
「チョップ!」
パカリ(脳天が割れた音)。
「あらま、なんてあっさりした音」
綺麗にいったね。
「留兄スイカみたい! スイカ食べたいな」
夏になったら食べる話書いてあげるよ。
「やた。ではでは、カカばい♪」
この番組は、あやしい服屋と、ane研究機関の提供でお送りしました。
「なにその機関……」
アフターストーリー、いかがでしたか? おまけなのであれくらいでいいかと思ったのですが笑
ともあれ、投票開始です。
欲張ってポイントルールなんか作ってみましたが……果たして盛り上がるほどポイント来てくれるのかなぁ、とドキドキであります^^;
気が向いたらでいいので、よかったらお願いしますねっ^^




