カカの天下432「ただいまゲームでケンカ中」
これは、前話のカカ天クエストのスキップされた場面をプレイしていたときの、カカたちの様子を描いたものです。
こんにちは、カカです。
今日はサエちゃんちに皆で集まってゲームを進めています。たまーにやってるKYクエストっていうヤツです。
「えっと、ダンジョンって村の東にあるって言ってたよね」
「よし、サエすけ! 東だから右へ行くのよ!」
「み、みぎー」
「君まで右行かなくていいんだって!」
相変わらずパソコンを前にしたサエちゃんは面白いです。
「んー、全然敵倒してないけど、一応ステータス見ておこうか」
「そうね。サエすけ、右クリックね」
「み、みぎー」
「だから右行かなくていいんだってばっ!!」
マウス握るとずーっとテンパってるんだよね、サエちゃんてば。
かぁいい。
「あ、敵さんだ」
「よし、今度こそケロリン以外のレベル上げるわよっ! いけサエすけ、敵をクリックして攻撃するのよ」
「えと、えと、敵……」
「それはトメさんでしょ!」
『サユカのこうげき! トメは死んでしまった』
「わたしになんてことさせんのよっ! ていうか味方に攻撃できるのこれ!?」
「しかもすんごい攻撃力だね」
『注! 味方相手に攻撃すると、精神的に弱い人は裏切られたショックで即死します』
「だってさ。サユカンに裏切られたのがショックだったんだね、トメ兄」
「あぁ……わたしの愛が……人生が……」
「だ、大丈夫だよー。ほら」
『サエは金にものを言わせて取り寄せた薬を使った。トメが蘇った!』
「……ねぇ、サエすけ。君ってそんなに操作とか無能なのにさ、なんでそゆとこだけ絶妙に器用なの?」
「ゲームがキャラの性格を読んでるんだね」
『トメのこうげき! サユカは死んでしまった』
「復讐させないでよっ!!」
「あああー、ごめんー」
こんな感じで大騒ぎしながらゲームしていたんだけど……
一休みにマウスを手放したサエちゃんが、何か思いついたみたいだ。
「ね、せっかくだしクララちゃんも呼んでみよっかー。こういうゲームに面白い反応しそうじゃないー?」
む、たしかに。最初に会ったときはテレビに話しかけてたもんなぁ。
「でもどうやって呼ぶの?」
「そういえばサエすけ、あの子のこと妹とか言ってたわよね。もしかして一緒に住んでるの?」
「ううん。えっとー……クララちゃーん」
「はいです!」
「「うぉあ!?」」
ど、どっから現れたの!?
「こんな風にね、呼んだらくるのー」
……つ、使い魔?
「クララに何か御用ですか? サエおねーちゃん」
「うん、一緒に遊ぼうと思ってー。こういうゲーム知ってる?」
「えっと、テレビとは何か違うですか?」
「違うよ。これは遊びでねー」
おお、サエちゃんがパソコンのことを偉そうに語ってる! そっか、いくらサエちゃんが機械にへっぽこでも、クララちゃん相手になら教えられる立場だよねー。
それにしても二人とも仲いいな。本当の姉妹みたい……
「じゃあやってみよっかー」
「はいです! 見せてください!」
『魔物Aのこうげき!』
「わー!」「ひぅ!?」
ごぃん!!
魔物のこうげきモーションに驚いた二人は、思わず避けようとしてしまったらしい。サエちゃんは左、クララちゃんは右に――並んで座ってた二人は見事に頭をゴッチンコ。
「な、なにするのー?」
「く、クララはこうげきを避けたんです!」
「私だって避けたんだよー! 右に行くなって言われたから左にー」
だからどこも行かなくていいんだってば。
「人間は右利きが多いから右に避けるべきなんです!」
おお、すごい。なんか理屈っぽいこと言ってる。あんた人間じゃないけど。
「違いますー! 左ですー! 左クリックですー!」
「じゃあクララは右クララです!」
「じゃー私は上クリック!」
「下クララです!」
「クララちゃんが下だね? 私が上だから私の勝ちー」
「じゃあクララ、白クララになります!」
「なら私は黒サエ――誰が腹黒だってー!? クララちゃんずるいー!」
「「むー!!」」
あぁ……仲のいい姉妹があっという間にケンカに……
「ね、サユカン」
「うん、カカすけ」
「「ゲームって楽しいね」」
私たちは今日も、いろんなことを楽しくやってます。
カカたちがどんな感じでゲームをしているのか書いてみました。
や。あんまりゲームしてませんけど笑
それにしてもパソコンを前にしたサエちゃんを書くのは楽しいです。今回は妹分も一緒ですが……
その妹分、別にサエちゃんと何か契約したとかじゃありませんよ? ただ桜なので暇なんです。それにサエちゃんの声はよく聞こえるので呼ばれたら現れたりするのです。
まぁ、暇なんでこれからもちょこちょこ現れることになるでしょう笑