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カカの天下  作者: ルシカ
431/917

カカの天下431「カカ天クエスト Ep5」

 注意:このお話はカカ達がゲームのキャラになりきりながらRPGを進める話です。話の内容はゲームの中ですが、『もしもカカ達が異世界にいたら』みたいな感覚でお楽しみください。

 ステータス

 カカ   ボケ勇者    レベル1 へん

 サエ   悪の魔法使い  レベル1 はらぐろ

 サユカ  手の平の踊り子 レベル1 さびしんぼう エロレベル2

 トメ   ツッコミ    レベル1 つっこみ

 ケロリン スライム    レベル2 おっさんくさい


 街を襲った魔物を退治したことにより、株が上がった悪徳芸人勇者一行。


「勇者様のお力を見込んでお願いがあります! 実は、東にある天然洞窟に魔物が住んでいるのですが、これがたいそうな暴れん坊でして……なんと、美人の生贄を毎月よこすように要求してきたのです! そして昨日、すでに一人目の生贄が向かったところ……村一番の器量良しが、ううぅ!! どうか、どうか彼女を助け出していただけないでしょうか!?」


 涙混じりの村長の言葉を聞き、カカたちは頷きあいました。


「村長」


 カカが代表してみんなの返答を伝えます。


「展開がわかりやすすぎ」


「やかぁしぃわぁ!! んなことわかっとるが仕方なかろうが!」


「お、いいね。村長がぶちキレる展開はなかなかないよ。そのまま魔物に変身でもすれば?」


「とっとと行け!!」


 そんなわけで、初のダンジョンへ挑戦することになった。


「――へぇ、ここがそのダンジョンかー」


「でっかい洞窟だねー」


「こ、ここに入るの……? こ、こわいわっ」


 三人娘はその迫力にたじろいだ。


 え?


 道中の徒歩とか戦闘?


 そんなものはスキップした!


「い、いいのかな、それ」


 最近のゲームは便利だ!


「ぶっちゃけすぎ! だいたいさ、経験とかレベルはどうなったんだよ」


 すべてケロリンが倒したため、誰も上がっていない。


「ふっ……俺様ってば強すぎるぜ」


「いいのか……それでいいのか勇者一行」


 トメは頭を抱えている。


 根暗が5上がった。


「余計なお世話だ!」


 トメのおたけびは虚しく響いた。


「もっと響けよ!」


 もっと虚しく響いた。


「だからそーじゃなくてさ!!」


「――お、ここに何か書いてあるよ」


「立て札だねー」


「何が書いてあるのよっ」


「はぁ……もうなんでもいいよ。何が書いてあるんだ?」


『天然の洞くつに入る前に。チュートリアル』


「……は?」


「初心者用のマニュアルですねっ」


『ダンジョンに入ると魔物の出現率があがります。宝箱も多いですが、中にはニセモノもあるので注意しましょう』


「親切だねー」


『特に洞窟は天然の要塞です。すべりやすい箇所や意外な落とし穴があるかもしれませんから気をつけましょう』


「あれっ、どうしたんですかトメさん」


『武器、防具は装備しましたか? レベルは充分ですか? 薬草は――』


「そんなこと教えてくれる天然洞窟があるかあああああああ!! だいたい宝箱だのなんだの、人の手が入りまくりだろうが! どこが天然だ!? それに気づかないのが天然ボケとでも言う気かこのボケ洞窟がぁ!!」


 今まで溜め込んだ疑問や不満を爆発させたトメのツッコミ!!


 ごごご……


「えっ?」


「なに、この音」


 何かが崩れているかのような地響きが聞こえてきた。


 そして。


 轟音と共に、洞窟が崩れた。


「は? なによこれっ」


「トメ兄、何したの」


「何って……ツッコミ?」


「あー、トメお兄さんに『こんな洞窟あるか』ってツッコまれて、洞窟が『それもそっかー』って納得したんじゃないですか?」


「つまり、どういうことなんだ?」


 ダンジョンをやっつけた!


「やっつけるもんなの!?」


「形あるもの、いつかは滅ぶもんだぜ……いつかわかる日がくるさ、ガキどもよ」


「偉そうなこと言うな軟体動物! だいたい、今回の僕らの目的は――」


 そのとき!


 ダンジョンの残骸から大きな影が飛び出した!!


「なにさらしてくれんじゃワレエエエエエ!!」


「うわ! なんだ、あの強そうな魔物!!」


「虎人間だー」


「しかもマッチョよっ……どうしたのよカカすけ」


「マッチョと聞いて眩暈が」


「しっかりしなさいよっ! こういうときくらい現実世界のこと忘れなさい!」


 ともあれボスが現れた!! 


「はぁ……はぁ……」


 ボスは死にそうだ。


「お疲れですねー。どうしたんですか?」


 サエちゃんの質問!


「ざけんな!!」


 ボスは怒りで攻撃力が倍になった。


「て、てめぇら、なんてことしやがんだ!? ダンジョンの一番奥で待ってたらいきなり洞窟が崩れてきてよ、必死で入り口まで全力疾走……オレが強いボスじゃなかったら死んでたぞ!!」


「そしたらめでたしめでたし」


「それで終わらせるゲームがあってたまるか!?」


「たまにはいーじゃん」


「うがー!!」


 ボスは泣きそうだ。


 哀愁が漂って攻撃力が3倍になった。 


「はっ! 忘れてた、生贄に連れてかれたっていう娘はどうしたの!?」


 カカの特技『重要なことを今ごろ思い出す』が炸裂!


「瓦礫が降ってくる中、俺様が命がけで守ったわ!」


 よくよく見れば……傷だらけなボスの腕の中には、無傷の女性がぐったりしていた。


「おぉ、身を挺して!」


「すごい! 男だねー」


「敵ながら天晴れなヤツだぜ」


「アンタよくやったわっ! よっ、男前!」


「やかましいわ!!」 


 調子のいい一行にボスはキレた。攻撃力が5倍になった。


「てめぇら勝手なことばかりぬかしおって……許さん! 成敗してくれる!」


 BGMが変わった!


「おお、ボス戦の音楽だ!」


「かっこいいねー、カカちゃん!」


「君らさ……言ってて虚しくない?」


「サユカちゃん、そこはツッコんじゃダメなとこだよ」


 注、皆様はアップテンポな音楽を聴いてる気分でお願いします。


「ごちゃごちゃうるさい! いくぞ、おりゃああああ!!」


 ボスのこうげき!!


「ふ、甘い! サユカン、ドレスアーップ!」


「へっ!? ちょっとカカすけ何を――」


 サユカはエロサンタ服を装備させられた!


「へへー!!」


 ボスはひれ伏した!!


 そして少し上目遣いでスカートのあたりを見ている!


「いやああっ! エッチ!!」


 サユカはミニスカの裾を押さえながら回し蹴りをはなった。


 ボスに1のダメージ。


「あれ、そんだけか」


「サユカン、レベル低いしねぇ。しかもあの体勢じゃ威力も出ないでしょ」


「可愛さの攻撃力は抜群なんだけどねー」


 ボスをやっつけた!


「……え、もう!?」


「崩壊するダンジョンから脱出して、すでに瀕死だったからな。敵ながら哀れなヤツだったぜ」


「で、でも倒したことには変わりないんだし、これで少しはレベルが上がるんじゃ――」


 サユカのエロレベルが3になった!


「それしか上がんないのかよ!!」


「だってそれでしか倒してないし」


 とにかく一行は生贄にされていた女の子を取り戻した! 


 ボスをもレベル1のまま倒してしまったカカたち。このまま進んでいってしまうのか? サユカの(エロ)力だけで魔王を倒すつもりなのか!? だがしかし……?


 次回、『強敵あらわる』をお楽しみに!


 ひっさびさのカカ天クエスト、どうでしたかね?

 ボスの虎男が不憫です。きっとタケダと同じような星の元に生まれたんでしょう。


 ところでスキップしたとこ、気になる人いますかね?

 

 実はそこ……とと、ナイショです笑


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