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カカの天下  作者: ルシカ
429/917

カカの天下429「サユカの任務、寝込み編」

 ど、どうしよう……っ。


 こんにちは、サユカですっ。


 どうすればいいですかっ!?


 いきなりこんなこと言ってすいません。ですが……ですがっ!


 わたしの立っている場所……それはトメさんの部屋。


 ベッドには……お昼寝中のトメさん。


 どうしろとっ!?


 えと、最初から説明しますとっ! カカすけの家に遊びにきたわけですよっ。そしたらカカすけがいなくて、入ってみたら眠ってらっしゃる無防備なトメさん発見したわけですよ説明終わりっ!


 さぁ、どうすればいいですかっ!?


 え、とりあえず寝顔を見ろ?


 了解っ!


 天からの囁きに従い、わたしはおそるおそるトメさんのベッドへと近づく。


 起こさないように、そーっと、そーっと。


「ん……」


 見えました。


 寝顔です。気持ちよさそうです。


 くぁわいいです。鼓動が加速してます。


 えと……次、どうしようかしら。


 なにやらベッドの上に一人分くらいの空間があるのですが……これは、その、ねぇ? そゆこと?


 や、やっぱりここは……添い寝、しかないのでしょうか。


 い、いいわよね? ちょこーっとの間、隣で寝転がるだけだもんねっ。それだけだもんねっ!!


「んむ……?」


 お、おおお起きられますかっ!? 起きられるならわたくしも諦めざるをえないのですが起きられないならヤらざるをえないといいますかええっとええっと!!


「……んむ」


 起きられません? 


 起きられませんね?


 それはわたしにヤれと仰っているのですねっ!?


 なんで敬語になってるかはこの際置いといて、やらねばなりませんねっ!


 で、では、ちょこっと失礼しまして……


 トメさんの隣にそーっと、コロリと寝てみます。


 枕も端っこを少しばかりお借りしまして。 


 ふー……仰向けになって一息つきます。


 ちらりと隣を見ます。


 すぐそばに横顔です。


 どうするよっ!?


 ああああああーっ!! 幸せだわ!!


 幸せすぎて太陽になりそう(注、とにかく熱いという意味です)。


「ん……」


 のそっと動いたトメさんの腕に、わたしの視線がロックオン。


 まぁ、ここまできたら……


 いいわよねっ。


 ちょこっと腕を拝借。


 わたしの頭の下に置いて……腕枕、完成!


 ふー……仰向けになって一息つきます。


 ちらりと隣を見ます。


 たくましい腕でわたしを包み込む(過大表現)男前なトメさん。


 隕石になりそう(注、どうしようもなく熱くてどっか飛んでいきそうという意味です)。


「んー」


 こっち向いた!?


 ここここっち! こっちあっちそっちどっちエッチ! じゃなくてああえっとえっとすごい目の前にトメさんの甘いフェイスがゲッチュー(混乱中です)!


 あとほんの少しで……き、き、キスできますねコレ!


 ってわたしがエッチだよ! そ、そんな、ねぇ!? この前ほら、告白したときも普通に仲良くなりたいだけって言っちゃったしっ!


 で、でも、キスしたから付き合わなきゃなんないわけでもないし、減るもんでもないし……


 ちょっと勇気を出せば、夢にまで見たことが叶うんだし……


 人は夢がないと生きていけないって偉い人も言ってたし……


 夢を叶えられない人がたくさんいる中でせっかくのチャンスがわたしに与えられたわけだし、それを逃すのは世界の可哀想な人に失礼よね(注、かなり混乱中です)。


 し……しちゃおっか……な。


 少しずつ、少しずつ顔を近づけてみる。


 トメさん……


 格好いい……


 可愛い……


 どっちだろ……


 どっちでもいいや……


「……ん」


 カタ。


「ひぅっ!?」


 首がもげる勢いで音がした方へ振り向く!


 すると――押入れの中からカカすけが現れた!? もしかしてずっと覗いてたのっ!?


「あー、ごめん! ほんっとごめん! もう少しで……ああもう!!」


 なんで君がそんなに悔しそうなのよっ!!


「ほんとだよー、カカちゃんのバカー」


 そんなこと言いつつベッドの下から這い出てくるサエすけも充分バカよっ!!


「とても衝撃的な場面でした……クララしょっくです」


 出たな妖怪!?


「いい青春を見せてもらいました! あ、どうも。私キリヤと申します」


 どなたっ!?


「トメ父も見てたぞ!!」


 お久しぶりですっ!!


 あぁ……見られてたのね、全部。


「う」


『う?』


「うああああああああああああああああんっ!!」


 久々に泣きながら大脱走っ!!


「さ、サユ――」


 ずどどどどどどどどどどどどどどどどどどどど!!


 恥ずかしさに任せるままに爆走しながら……


 実は、あんまり気にしてなかったり。


 実は、それどころじゃなかったり。


「……えへ」


 実は、ニヤけてたり。


 だって……ほんの少しだけ、触れたもん。


 今日、寝れるかな?


 無理ねっ。


 ……少しでも寝れるように、疲れるまで走っとこ。




 ――その日、ものすごいスピードでスキップする少女のことが街中で噂になったとかならなかったとか。

 寝込み、襲っちゃいましたね……サユカちゃん。

 やー。

 書くの恥ずかしかったー笑

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