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カカの天下  作者: ルシカ
425/917

カカの天下425「第十三回、カカラジ!」

「こんカカ! 春の訪れと共にやってきました桜の妖怪、KU! LA! LA! いやー可愛いですねちっこいですね、いいとこ持ってきましたねチキショーってな展開のままカカラジに突入してしまいましたスイマセンスイマセンってなんで私が謝ってんの謝るのは作者でしょ! ってちょっと怒ってる香加です」


「テンションたけー。あ、最近ちょっと出番が少なめな留です」


 あんた普段が出すぎなんだから、たまにはいいでしょうが。ともあれ第十三回カカラジ! スタートです。


「や、今回はファンタジーだったね。妖怪だよ妖怪」


「そんな風に連呼するなよ。可哀想だろクララちゃん」


「そうです、クララもそう思います」


「ほら、本人もそう言って――本人?」


 あら、いつの間にか留と香加の間にクララちゃんがいますよ?


「……なんで、いるの?」


「はっ!? そうです、ここはどこですか。なんでクララこんなとこにいるんでしょう。せっかくお母さんのしぼんだ胸の中にいたのに!」


 しぼんだとか言うな。


「というかさ、なんで名前が漢字じゃないんだ?」


「あ、そうだよ。名前! 本編と同じじゃん。もしかして……ほんとに本人?」


 はい。クララちゃんはちょこっとだけ幽霊に近い存在です。だから神出鬼没です。こんなところにも出てきます。


「クララ帰っていいですか?」


「待った! せっかく来たんだから今回のゲストになってくれよ」


「そうだよクララちゃん。あとでデザートに桜のアイスもらえるよ?」


「クララを凍らせるつもりですか!?」


 あ。そういやクララちゃんって桜だった。


「氷漬けにされて保存されて、気がついたら未来の世界に……とても楽しそうです! ぜひお願いします」


「食べるんだよ?」


「クララしょっくです! やめておきます」


 ほんとテンポいいなーこの子。


「クララ帰っていいですか?」


「だからそう急がずに!」


「やっぱりクララを食べる気ですか! クララおいしくないですよ。だってクララのお腹の中には世界各地の糞尿とどっかの誰かが埋めた死体が――」


「はい! この番組はね、ネット小説『カカの天下』を盛り上げるため、ぶっちゃけトークや読者さまのご意見などを放送する情報ラジオのようにしてみたい番組だよ。クララちゃん以外の出演者は本編と関係ないから気をつけてね!」


 香加はなんでいきなり喋りだしたんだろう。


「桜の木には死体が埋まってる、とかよくある話の片鱗を感じて怖くなったんじゃないかな」


 なるほど、さすがはお兄ちゃん。


「死体、美味しいです」


「た、たしかに養分はある……のか?」


「しーえむ! しーえむいくのー!!」


 この話は禁句みたいですね。では香加のお望みどおり、CMへ。




『最近、KYシステムなんつうもんが流行ってるらしいな? ったく、誰が考えたか知らねーが、んなもんあるわけねーだろ。ためしにそのシステムの占いでもやってみせようか? あーっと……出たぞ。水難の相? はっ、ここはグラウンドのど真ん中だぜ? 水なんかどこにも――お、あそこのねーちゃん眩いじゃねぇか。ミニスカがいいねーって突風! ラッキー! 水玉模様が見え――』


『見いいいいたああああぁぁぁなああああああぁぁぁぁ!!』


『げっ、こっちに向かっ――なんて速さだ! ば、バケモ――』


 ぐちゃ。


 ――皆さんもKYシステムには気をつけましょう。当たりますから。




 CMが明けて。


「ね、いまのCMの……」


「待て。ツッコんでいいところなのかな、そこは」


「や、やめたほうがいいよね。ミニスカで水玉模様のパンツなんて……ないない。私は何も見てないよー」


「こないだの特攻服の人でした」


「クララちゃん言うなああああ!! しいぃぃーっ!」


「いまの人みたいにぐちゃってなるよ!? あ、あんな、あんなのお姉じゃないよ!」


 ギャラにつられたらしいよ。


「……あぁ、そこはすごく姉っぽい」


「留兄、深く考えないでいこう?」


「そだな」


 そですね。


「それでは、おたよりのコーナーでーす。クララちゃんもやろうね」


「クララ何すればいいですか?」


「これ読んでみな」


「クララ字は読めないです」


「あ、そっか……まぁ今回は投票結果発表もあるからそんなに紹介できないし、いっか。僕が読むよ。えー、『カカ天の皆さんの血液型を教えてください』だって」


「この質問って結構前からいくつかきてたよね」


 はい。本当は作中で紹介しようとしてたのですが……


「サユカンの話のときにいっぺん出たよね。トメ兄とサユカンはA型でしょ」


 その通り、そして他の方々ですが……せっかくですし、KY診断のお返事つきで紹介しましょう。


「ほほう! じゃ私から行こうか。私の血液型はね、AB型だよ」


 お、KY診断のお返事がきました。えーっと。


『やっぱりな』


「なんかムカつくんだけど」


 まーそれだけ突拍子もない行動ばっかりしてればね。


「AB型って何を考えてるのかわかんないっていうし」


「むー、だからこそ面白いんでしょ!」


「それはそうだが……自分で言うなよ」


「じゃ次は留兄やってよ!」


「僕? 僕はもう結果が出てるんだけど……ま、いいか。A型、っと」


『だから?』


「……なぁ、こいつケンカ売ってないか?」


「いえ、こちらの方の仰ることはごもっともだと思います。同じことを繰り返されたら『だから何?』って思うでしょう」


「く、クララちゃん。結構言うね」


「当然です。クララ、字は読めませんが人の心は読めるつもりです」


 ……嘘とか冗談はわかんないくせに。


「……ま、いいや。じゃ次……他の人のいこうか」


 ほい、あらかじめインタビューしておきましたので、流しまーす。


 沙由歌ちゃんの場合。


『なによっ、わたしはA型って言ってるでしょ。まったくもう、面倒くさいわね……はい、これでいいんでしょっ』


『B型っぽいこと多々あり。落ち着け』


『余計なお世話よっ!』


 括弧の場合。


『あたしの血液型? B型だけど?』


『B型すぎる』


『うっさい』


 酒井さんの場合。


『わたしー? A型だけどー』


『やろうと思ったことはとことんやる。やらないと決めたことはとことんやらない。そんなあなたはA型です』


『知ってることを説明されただけなんですけどムカつきますねー』


 タケダの場合。


『俺はもちろん、完璧主義のA型だ!』


『あっそ』


『あ、あの、もう少しなにか――』


 カット。はい次、シュー君。


『あ、えっと――』


 時間ないからさらにカット。次は留父と結菜さん!


『俺はAB型だ!』


『わたしはA型ですよ♪』


『はいはい、バカップルバカップル』


『……なぁ。この診断返してくるやつ、なんか嫌なことでもあったのか?』


 さぁ? さて、次はイチョウさん。


『わたくしはO型ですよー』


『意外だ。しっかりしてそうなイメージが』


『あら、そんな。ありがとうございます』


 なんかイチョウさんにだけ優しいなコイツ。次は沙羅さん。


『私はB型です』


『最近あんま出番ないけど頑張れ』


『診断もしないで励まされるとスゴイ落ち込むんですけど!?』


 最後に校長先生!


『おほほ、わたくしはB型ですわ!』


『おほほ』


『おほほ』


 なんだこのやりとりは。


 ……以上です。


「や、意外とおもしろかったね。単に血液型を発表してるだけなのに」


「そだな……可哀想なのが何人かいたが」


 はいはい、ではおたよりコーナー終了で――


「はやっ!」


「また残りは本編中に、とか言い出す気か?」


 だってまいてるんだもん。


「ま、またぶっちゃけた理由を……」


 お次はいよいよ、好きな話投票の結果発表に移りたいと思います!


「わー、どんどんぱふぱふー」


「どんな結果になったんだ?」


 それがですね……予想以上に、票がバラけました!


「と、いうと?」


 投票されたどの話も、大して票の差はないということです。これからベスト3を発表しますが、それほどダントツというわけではありません。 


 ランキング結果としては熱い接戦とかはなく、微妙かもしれません。しかし! 読者さまがどの話をどういう目で見てくださっているのかがすごく伝わってきました。


 この読者さんはこんな話が好きなんだ、あ、この話も、この話にも票が――そう思いながら集計してますと、なんだかカカ天という作品自体に投票されているようで、すんごく嬉しかったです。


 おかげさまでこれからも書いていこうという意欲がわきまくってまいりました。投票してくださった方々、本当にありがとうございます!


「よかったねー。作者だけ」


「よかったな、作者だけ」


「よくわかりませんが、作者さんだけ得してますか?」


 はい、では発表します!(無視)


 まずは惜しくもランクインを逃した話を並べます。


 「チェンジ!」「探しモノと見つけたモノ」「クリック」「お楽しみ劇話」「桜、舞い散る中で」「幸せな病気」「カカの創作話シリーズ」です!


 他の話にもたくさんの投票をいただきましたが、その中でも目立った話たちです。


 さぁ、いよいよ第3位!


 同じ票数の話が二つあります!


 一つは――65話、「ついていい嘘、悪い嘘」です。


「う……私の恥ずかしい過去が」


 カカ天最初のシリアス話ですかね。この話だけじゃなく他のシリアス話にもかなりの票が入っていました。シリアス話シリーズとして票をまとめでもすればダントツ一位だったでしょうね。


「コメディがそれでいいのか?」


 えっと……コメディな日常があるからこそシリアスが引き立つとか、そういう意見が多かったですね。たまに分野を無視して書いてるかいがあるというものです。


「ほんと好き勝手やってるよね……それで、この話書こうと思ったきっかけは? いきなりシリアス書くなんて、理由あるんでしょ」


 理由ですか。そうですね……今日は何を書こうかなーと考えてたら、急に私の中の姉が怒り出しまして。


「へぇ、姉がカカのことを怒ってる場面が浮かんだんだ」


 や、あたしに家族っぽいことさせろーって私に怒ってきたの。


「なんじゃそら!?」


 ほら、姉って長女のくせに格好いいこと何もしてないじゃん。だからたまには格好つけさせろーて。


「そんな理由で私は怒られたのか……」


 あくまできっかけですけどね。家族っぽいことってなんだろう……家族ってなんだろう……そう考えてたら、どうしてもコメディ枠には納まらなくて、いつの間にかあんな話が浮かんできて……すいません。上手く言えません。


 ただ言えるのは、ときどき書くシリアスの話の大半は、私の中のカカたちが誰かに何かを伝えたいと思ったときに浮かんでくるんだと思います。その誰かは私自身かもしれませんし、読者さまかもしれません。カカ天の中の誰かなのかもしれません。


 また突拍子もない話を書くこともあるかもしれませんが、カカ天はカカ天なので、またお付き合いしていただけると嬉しいです。


「んー、よくわかんないけど、まとまったのかな」


「この人の頭の中はよくわかんないってことでオッケーですか?」


「クララちゃん。君いいね、わかりやすい!」


 はいはい、どうせ私もAB型ですよ。さ、もう一つの3位です!


 なんと、がんばれタケダシリーズ!!


「うそ、なんで?」


 なんか……タケダが可哀想で好き、という意見がわりかしたくさんいっぱい。


「みんな苛めるのがそんなに好きなのですか! に、人間って怖いです……」


 苛めがいがあるんだろうねー。


「それで作者さん。これを書こうと思ったきっかけは?」


 誰かを苛めたかったから。


「なんて直球な理由!」


「でもこの上なくわかりやすいな」


 さて、次いきますかー。


「もうですか?」


「まぁ、タケダだからじゃない?」


「タケダだしなぁ」


 それだけで説明も何も不要と思います。


 さぁ、二位の発表です!


 これは予想できた人も多いでしょう……サユカちゃんの告白話シリーズです!!


「あー、あれは萌えたね」


「ノーコメント」


「燃えたのですか? 熱い展開だったのですか?」


「そうとも言うかな。ね? 留兄」


「ノーコメント!!」


 サユカちゃん好きな方はあれでかなり悶えたらしいです。感想やメッセージを読むのが楽しくて仕方ありませんでした。


「ではでは作者さん。そのお話を書こうと思ったきっかけは?」


 えー、実はあとがきにも書きましたが……デートの話を書いている最中も、サユカちゃんが告白するという展開は考えてませんでした。 


「え、じゃあなんで告白したの?」


 だって……デート話の中編書いたあとの読者さまの応援があまりに熱かったから、サユカちゃんが頑張っちゃったんだもん!


「つまりはノリまかせに書いちゃったのですね」


 仕方ないじゃないですか!


 サユカちゃん頑張ってたし!


 応援すごいし!


 トメはムカつくし!


「最後の関係ないだろ!」


 うるさい、いい加減ラブコメの主人公みたいな立場をなんとかしろ!


「なんとかしてるだろ、あんたが!」


「あー、最近は留兄の株、落ちてるよね」


「落ち目なのですか」


「ううう、うるさい!」 


 やっぱ上がったら下げないと。何に関しても。


 ともかく――このお話は私の中でもかなり大きいですね。本当の意味でトメとサユカちゃんに話の流れを任せましたから……ちゃんとひと段落するまで書ききれて、本当によかったです。


 もちろんサユカちゃんの恋はまだまだ終わっていません。まだまだ書きます。そのときは――また二人に話の展開を任せてみたいと思いますので、温かく見守ってくれたら嬉しいです。


 さてさてさて!


 いよいよ第一位の発表です!


 予想できた方もいらっしゃるようですが……このお話が頂点に立ちました。


 243話、「魔法の誕生日」です!!


「おー! 私がはめられた話だ!」


「いい意味で、な」


 そう。みんなで寄ってたかってうちの看板娘を祝ってくれたこのお話が、堂々の第一位でした!


「聞くまでもない気もするけど、この話を書こうと思ったきっかけは?」


 もちろんカカの誕生日が決まってて、それを祝おうと思って書いたのですが……誕生日を盛大に祝うって子供のころしかできないじゃないですか。大人になるとつい適当になりがちで……そんな中で子供を書いてる身としては、できる限り盛大に、カカ天っぽく祝ってあげたいと思いまして、あんな感じになりました。


「そのときに登場してたほとんどの人が出てたよな」


 そうなのです。やっぱり皆に祝ってもらったほうが嬉しいじゃないですか。だから読者の皆さんにも祝ってもらえるようなノリでいきたいと思いまして。


「おめでとうってメッセージもいっぱいあって嬉しかったよー!」


「おめでとうございます!」


「や、クララちゃん。別に今日が香加の誕生日なわけじゃないから」


「そうなのですか? では一位おめでとうございます!」


「あ、ありがとう」


 一位に輝いたからにはイロイロと話したいところではありますが……あえて詳しく語るのも無粋な気がします。このお話に投票してくださった方々、そしてこのお話に目を留めてくださった方々には余計な話をする必要もないでしょう。感じたままを想ってください。そして香加を祝っていただけたなら……それほど嬉しいことはありません。


 ……そして読者様が望むなら、今度のカカラジでこの誕生日の語られてないアフターストーリーなんか書いてみようかなーなんて思ってます。どうでしょうか?


 それでは、この辺でおひらきにさせていただきたいと思います。


 CMへ!


 


「みんな、上を見ろ!」 


「あれはなんだ?」


「鳥か?」


「飛行機か?」


「いいや、姉だ!」


「違う。あれは」


「あれは――KY姉だぁ!!」


 世界の姉は、KYシステムを応援、サポートします。




「や、だからさ。なんなのこのCM」


「そうだよ。なんで空気の読めないお姉がこんなCMしてんの」


 や、だからギャラがいいから。


「他に頼める人いるでしょ?」


 ヘリから空中に放り出しても生きてるような人って姉しかいないから。


「……言われてみれば、パラシュートもなにもつけてなかったね。お姉」


「そら姉にしかできんな、たしかに」


「うん、とことんアレな存在だねお姉は……って、あれ。そういえばクララちゃんは?」


 ん、あそこ。


「何してるの?」


「ああ、さっきの発表であまり話についてこれなかったのがつまんなかったらしくてな、今までのカカの天下を読んでるらしいぞ」


 自分の話題が出たからか、ふと顔をあげるクララちゃん。


 彼女は読んでいたカカ天と香加の顔を見比べながら、言いました。 


「香加さん、あなた変です」


「……クララちゃんには言われたくないなぁ」


 さてさて、宴もたけなわ、そろそろチョップでしめますかね。


「今日は誰が誰にやるの?」


 特に決めてませんが……


「では僕から一つ、チョップでツッコミを」


「お? なんかあるんだ」


 ではお願いします。


「よし。じゃあ言わせてもらう」


 コホンと咳払いを一つして。


 留は言いました。


「最近のカカラジ――作者が喋りすぎだカカラジチョーップ!!」


 ああああごめんなさーい!!


「それでは、カカばい!」




 この番組は、不思議なKYシステム委員会(謎だらけ)がお送りしました。



 投票していただいたたくさんの方々、本当にありがとうございました^^

 何度もしつこいようですが、感謝してもしきれません。

 これからもカカたちを見守っていただけたら嬉しいです!

 

 明日からはまたのほほんといきまーす^^

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