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カカの天下  作者: ルシカ
410/917

カカの天下410「おらおらショッピング」

「今度はあそこのお店いこー」


「ごーごーサエちゃん」


「待ちなさいよっ」


 ども、いつもの三人で騒がしく歩いてるカカです。


 せっかく春休みなんだから、それを満喫しよう! ということで、今日は三人でお昼から商店街へと赴いています。といっても何か目的があるわけでもなく、ウィンドウショッピングというやつです。


「小物屋さんだねー」


「お、ここにサングラスがいっぱいあるよ。安いやつ」


「カカすけこういうの似合いそうねっ。かけてみなさいよ」


 言われるままに、ちょっと逆三角形気味のサングラスをかけてみる。


「おー、悪そー」


「おらおらって感じねっ」


 あ、そう? よーし。


「おらおら。ねーちゃん可愛いじゃねぇか。こんな野郎ほっといてオレっちと遊ばねーか」


「ねーちゃんって私ー?」


「わたしは野郎っ!?」


 漫画とかでよくある場面だよね、不良がカップルに絡むとこ。


「サユカちゃん、これをかけて対抗だよー」


 あ、サユカンもサングラスかけた。


「お、おらおらっ。人の女に手ぇ出してんじゃねーよっ」


 あれ、サエちゃんもかけた。


「おらおらー、勝手にオレっちを取り合うんじゃねぇー、面倒くせーから全員オレのもんだー」


「おらおら、喜んで!」


「おらおらっ、優しくするのよっ」


 なんだこれ。


「あ、あのお客様? もう少しお静かにお願いします」


 あらあら、店員さんに怒られちゃった。


「おらおらー。ごめんなさいー」


「おらおら、すいません」


「おらおらっ、すぐやめますっ」


 三人そろってペコリと頭を下げる。


「い、意外に素直……しかも可愛い……っ! あ、いいのいいの、ちょっと静かにしてくれれば」


 わ、いい人だ。


「おらおら、ありがとー」


「おら感激しただ、おねーさんも一緒にやるべさ?」


 あれ、いつの間にか意味変わってるような。


「あらー、やりたいのは山々だけど、お姉さんもお仕事あるから。ごめんね」


「仕方ないわねっ、おらおら」


「ふふ、ごめんなさい、じゃあね。おらおらー」


 にこやかに手を振ってお別れする。うん、ほんといい人だった。


「じゃー次はなにするのよ、おらおら!」


「サユカちゃん、何おらおら言ってるの?」


「変だよ?」


「たった今まで君らもやってたでしょうが!」


 さて、サユカンをからかったところで……次は何するかな。


 とりあえず手に取ったサングラスをまじまじと見つめてみる。


「んー、これどこで作られたサングラスだろ」


「えとねー、メイドインチャイナって書いてある」


「メイドイン、ってそこで作られたって英語よねっ、たしか」


 サエちゃんは私を見た。


「カカちゃんはメイドイン、何星?」


「あはは、私が地球人じゃないみたいな言い方だね。サエちゃんメイドイン魔界」


「あはー、それどういう意味かなーカカちゃんメイドインおらおら星」


「おらおら!」


「ま、まぁまぁっ、カカすけサエすけ」


「うるさいな、サユカンメイドイン普通」


「そうだよーサユカちゃんメイドインしょせんはチャイナ」


「普通って言うなっ、しょせんとかつけるなっ! それにわたしは日本製よっ! おらおら!」


「サユカン……まだおらおらとか言ってるの?」


「変なのー」


「あんたらさぁっ!」


 再びサユカンをいじって満足した私たちは、別の場所に移動した。


 ミニぬいぐるみ売り場だ。


「あっ、ねぇねぇあれ!」 


 何かを見つけたらしいサユカンは、一つのぬいぐるみを手に取って嬉しそうに微笑んだ。


「ほら、オラウータンのぬいぐるみよっ。おらおら」


「このオラウータンめ!!」


「誰がよっ! おらおら!」


 なんだか気に入ったらしい。


「ねーサユカちゃん。そのぬいぐるみに名前つけるとしたらー?」


「……オランダかしら」


 国?


「そのぬいぐるみは誰のー?」


「オラんだっ!!」


 サエちゃんもサユカンもノリで言ったんだと思う。


 しかし。


「お買い上げ、ありがとうございます!」


「……へっ?」


 いつの間にか傍に来ていた店員さん。バッチリ聞こえたね、サユカンの「買います」宣言が。


「ささ、レジはこちらですよ」


「え、あっ、ちがっ……ちょっと待ってよ、おらおら!」


「あん? 早く買いやがれ! オラオラ!」


「お……オラわかっただ……じゃなくて、あのっ」


 キレるとオラオラのプロになるっぽい店員さんに引っ張られていくサユカン。


 それをにこやかーに見守る私たち。頑張って逃げてきなよー。


 うーん、サユカンの慌てた声を聞きながら、サエちゃんとのんびり過ごす。


 平和だ……


「二千円になります」


「おらおら! もうちょっと安くなんないのっ!?」


 あ、買うんだ。

  

 いつもの三人の、なんでもなーい日常をお送りしました。

 なんかいろいろあったけど彼女達の中では解決したらしく、いつもの雰囲気です^^


 どうでもいいけどオラオラのプロっぽい人がなぜぬいぐるみ屋の店員やってるんでしょうねぇ……

 あ、今回出てきた店員さん、商店街の人AとBで終わる予定ですのであしからず笑 

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