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カカの天下  作者: ルシカ
401/917

カカの天下401「春。カカの恋」

「春休み!!」


「あー、そだね。おめおめ」


 そんなわけでトメです。


 どんなわけか? ああ、カカの言ったとおりですよ。お楽しみ会が終わった翌日にすぐに修了式があるのです。そしてさっき学校から帰ってきたカカは、晴れて春休みに突入したというわけですよ。


「春休みに入ると春を実感するよね」


「小学生のカカはそうだろうけど、僕には春休みなんかないからな。別に春なんか感じないよ」


「む……それは可哀想な。いつまで冬眠してんのさトメ兄」


「してねーよ」


「なんとかして春を感じさせてあげないと、トメ兄はずっと寝たきりに」


「人をおじいちゃんみたいに言うな」


「名前にピッタリじゃん」


「あぁそうですねコンニャロー」


「んー、春といえばコレ! って感じのって何かないかな」

 

 なんだかよくわからないけど春を演出したいらしい。と言っても桜とかまだ咲いてないから花見もできないしなぁ。


『春といえば――』


 そんなときに聞こえてきたのが、つけっぱなしにしていたテレビのこんなフレーズ。


『恋の季節!!』


「こい、かぁ……トメ兄、してくれば?」


「や、いきなりそんなこと言われても……」


「仕方ないなぁ。じゃあ私がしてくるよ」


「あっそ」


 恋、ねぇ……こい、こいか……


 そんなの気軽にできないよなぁ。


「お、あの男の人がいいかな。じゃ、いってきまーす」


「気をつけてなー」


 そうか、カカが恋ねぇ。


 ……恋?


 鯉じゃなくて?


 故意でも乞いでもなくて?


 恋?


「ちょっと待ちなさい! そんな軽い気持ちで恋することなんて、お兄さん許しませんよ!!」


 慌ててカカを追いかける。しかしカカはすでに玄関を出て、外を歩いていた二十代前半くらいの男性に話しかけようと――


 まずい! そんな髪の毛を染めたチャラチャラしたどこの誰とも知らない男と、恋を――


「来い!!」


「え、あ、はい……」


 テクテクとこちらに男を連れてくるカカ。


「してきたよ、こい」


「あぁ。すげぇなおまえは」


 全然予想できなかった。カカの考えることはまだまだわからん。


「え、あの、それで……俺はなんで連れてこられたので?」


 さー?


「おにーさん、『こい』してる?」


「え、あ、うん。一応……同じバンド仲間の子が、その、ね」


 頬を赤らめて答えるあんちゃん。派手な髪の毛してるわりには純情そうだ。


「へー。じゃその子とどこいくの?」


「え、いや、別に、どこかに行く予定はないけど……」


「それじゃ『来い』してないでしょ!!」


「えええ!?」


 んな無茶な。


「そ、そうなんでしょうか……」


「そうだよ! おにーさん『来い』をなめてるよ」


「そうなのかな……『恋』ってやっぱり、もっと積極的にならないとダメなのかな」


「当たり前だよ。どっか行かなきゃ『来い』にならないよ」


「うん、わかったよ。もっと頑張って『恋』してみる。誘ってみるよ」


 なんだこの会話は。


「ありがとう、おかげでちょっと勢いがついたよ」


「いいのいいの。頑張ってね男の子」


 なんでちょっといい話になってんだ。


 朗らかにバイバイと手を振り合う二人を見て思った。


 この和み具合。ちょっと春っぽいかも。


「さて、トメ兄」


「なんだよ」


「来い!!」


「どこにだ」


 んーと……と考えながらカカは居間に戻る。僕もそれについていく。


 そしてテレビを見た。誰かが歌っていた。


『はるばる〜きたぜ、函館〜♪』


「はる――函館に来い!」


「いかねーよ」


 多分カカの頭ん中は年がら年中春なんだと思った。 


 ……サブタイトルでちょっとビビった人、挙手(笑


 恋じゃなくて来い。結局はいつもの感じのカカでしたとさ。

 しかし久々にふつーな感じの話書きました。 

 最近長いのばっかり書いてたので短いような気もしますが、カカ天は基本的にこのくらいの長さなんですよねぇ。


 春……私にとっては眠くなる季節です笑

 桜はやく咲かないかなぁ……桜の下でお昼寝とか最高ですよねっ。


 来い!!(なにが

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