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カカの天下  作者: ルシカ
373/917

カカの天下373「いないほうが悪い」

「サユカン、出てっちゃったね」


「トメお兄さん、追いかけていっちゃったねー」


 こんにちは、前回の続きをカカがお送りします。


 前回のあらすじ!


 始めに言ったとおり、以上!


 簡単すぎ? まぁつまり私とサエちゃんは部屋に取り残されちゃったわけですよ。


「サユカちゃん、前とあんまり変わらなかったねー」


「ん、だね」


 サユカンの告白がどういう結果になったのか、私もサエちゃんも大まかに本人から聞いていた。もっと仲良く、そんな結果に終わったと。でも好きって告白したことには変わりないんだし、てっきりトメ兄と話すときはもっと落ち着くもんだと思ってたんだけど……


「サユカちゃんっぽいね」


「ん、よかったよかった」


 考えてみれば、急に大人なお付き合いされても困る。サユカンはサユカン。ちょっと安心した。


「さてー、サユカちゃんはいなくなっちゃったし、仕方ないから二人で会議しよっかー」


「そだね。んじゃ皆の意見をまとめた紙だそっか」


「コタツでやろー」


「サエちゃんコタツ好きだねー。私の部屋にも一応ホットカーペットとかあるんだけど」


 ランドセルから出した紙束を二人で分けて抱え、私とサエちゃんはよっこらせーっと居間へと移動。


 今日の朝、私とサエちゃんはクラスの皆に改めてアンケートをとった。『お楽しみ会の劇に何を望みますか?』っていう質問を書いた紙を印刷して配りまくったのだ。


 今までは適当に意見を聞いて回っていただけだった。そのせいでどういう台本にすればいいのかまとまらず、こんがらがってた私たちに「紙にまとめろ」と助言してくれたのはテンカ先生だった。腐っても先生だね。


「よし、じゃ順番に読んでこうか」


「うんー。はいノート、意見はここに書いていこー」


「うんうん」


 スイッチいれたコタツに足をもぐりこませ、スタンバイおっけー!


「えっと、じゃあまずは一枚目」


 君はどんなことをお楽しみ会に望むのかな?


 なになに?


「消費税をなくしてほしい」


 ……?


 …………はて?


 送るとこ間違ってない?


 ま、まぁいいや。二枚目は……


「税金が高すぎる」


 ……はてな?


 や、だからさ。そんなこと小学校のお楽しみ会に望まれても困るんだけど。


「さ、サエちゃん。そっちはどんなこと書いてあった?」


「お楽しみ会に望むことー」


 サエちゃんはいつもの笑顔よりちょっと困ったニコニコ風味で言った。


「飛べ」


 無茶言うな。


「これはサユカちゃんを飛ばすとしてー、次」


 こほん、と咳払いするサエちゃん。


「僕は車が好きです」


 そんな好み聞いてないから。


「これはサユカちゃんを車でひくとしてー、次は」


「待ってサエちゃん! なんでサユカンをそんなに」


 サエちゃんは「あははー、なに言ってるのカカちゃん」となぜ私がわからないのか不思議そうに笑った。


「だってさー、サユカちゃんたら、きっと今ごろトメさんに追いつかれて――」




「サユカちゃん、捕まえた!」


「と、トメさん……!」


「あのさ、気にすることないよ? 一応、その、自分で言うのもなんだけど、さっきサユカちゃんが言ってたの、もう知ってるし」


「そっ、なっ、はっ、そっ……そそそう、ですよねっ。で、でも恥ずかしくてっ」


「うん、実は僕も、恥ずかしい」


「あ、あはは……おそろいですねっ」


「……うん」


 真っ赤になりながらも微笑みあう二人。


 しかし、そのとき!


「ちょっとそこの君たち」


「通りすがり、見ず知らずの私たちが言うのも忍びないが」


「ここは一言、言わせてもらおう」


 口元をひくひくさせた買い物客の皆様が、ずらぁりと二人を囲んだ。


「夕日が照らし、まだまだ賑わう商店街の、道のど真ん中」


「周り気にせず自分達の世界へ入り込み、頬を染め、しまいには恥ずかしいときたもんだ」


 皆さんご一緒に。


「「「おまえら、付き合ってんのカ!?」」」


「なぜそれをっ!?」


「サユカちゃん、その返答の仕方違う!」


「すすすいません動揺して!」




「――とかいうことになってるに違いないんだよー!」


「そう言われるとそんな気がしてきた」


 や、いいんだよ? そんなの。別にどうでもいい。


 ただまぁ、決めるときにいないほうが悪いってことで。


「歌って踊りたい、これはアヤちゃんだね」


「サユカンはバックダンサーだね」


「フリフリの可愛い服が見たい」


「もちろん着るのはサユカンだね」


「よらば斬る」


「サユカン斬られる役ね。あ、そういえば私の意見書いてなかった。あのね、渋いのがいい」


「しぶいー?」


「うん、これはもう手を打ってあるから大丈夫。あと……あ、カレーを出せ、だって」 


「じゃーサユカちゃん食べる役ね」


「……いいなー」


「たまにはいい役ないとねー」


 サエちゃんは優しいのか悪魔なのか、よくわかんない。 


 ともあれ、こんな感じでクラスの皆の意見をまとめていった。


「あれー、そういえばカカちゃんが主役じゃなかったっけー?」


「そだよ」


「サユカちゃん、脇役にしては出すぎじゃないかなー?」


「じゃー敵役ってことで」


 これならたくさん出てもいいでしょう。


 ぽんぽんと決まっていく役柄。


 自分がいったいどんな役をやることになるのか、サユカンはまだ知らない。


 出てったサユカちゃんとトメは本当は何をしていたのか!?


 まぁ、サエちゃんの想像通りだったりします笑 このあと二人は落ち着こうと喫茶店でお茶してから帰ったそうですよ。おまえら付き合ってんのカ!?

 さて、お楽しみ会ですが……誕生日のときよりカオスになってますね笑


 私……どんなん書くんだろ(いつもいきあたりばったり

 

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