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カカの天下  作者: ルシカ
363/917

カカの天下363「バレンタインゲーム おまけそのさん」

 おはようございますー……ふわぁ、起きぬけでねむねむなサエですー。


 今日は不思議と目覚ましが鳴る前に目が覚めましたー。うーん……頭がほにゃほにゃしますー。目覚ましが鳴る前ということは、まだ時間があるということですよねー。


 というわけで、もう一度おやすみですー……


「あれ、せっかく起きたのにまた寝ちゃうのか?」


「はいー……私は眠いのですー」


「とと、そんなに抱きつくなよサエちゃん。僕は抱き枕じゃないんだぞ?」


「うるさいですー、おとなしくしてくださいトメお兄さんー」


 ぎゅっとすると……体温が伝わってきて安心するー。


 安心……? 


 重たいまぶたを一生懸命上げてみる。


 すぐ目の前にトメお兄さんの顔。


 あぁー、安心……


 できるかー!!


 ガバッと身を起こす!


「なっ、な、な、なー!?」


「ん、どしたのサエちゃん」


「ななななんでトメお兄さんがここにー?」


「なんでって……僕がサエちゃんのお兄さんだからさ」


「へ……?」


「サエちゃん、チョコおいしかったよ」


「わ、私はあげてませんがー」


 お姉さんに全部食べられた、はず。


「あれ、そうだったかな」


「そそ、そうですそうですー……なんでそんなに顔を近づけるんですかー!?」


「え……チョコ、食べようかと思って」


「そ、そこはチョコじゃないですー! あ、ちょっと、トメお兄さ――」

 

 


 ガバッ!!


「……今の夢、なにー?」


 ここは見慣れた自分の部屋、ベッドの上、跳ね除けた布団。窓の外は真っ暗……そう確認するまでもなく今のが夢だと私はわかっていた。


 そう、夢なのはわかっている。


 わからないのは内容だ。


「……なんで私があんなー」


 あんな……あんなサユカちゃんが毎日見ていそうな夢をー!


「……いいやー」


 夢は夢。たまにはそんな意味不明な夢を見ることもあるでしょー。


「ねよねよー」


 恥ずかしさの名残でまだ熱い頬を押さえながら、私はもう一度布団に入った……




「と、トメお兄さん……どうですかー?」


「おいしいよ、サエちゃんのチョコ」


「それはよかったー! ほら、もっとここも」


 よーくーなーいー!!




 ガバッ!!


「なんで続きを見るのー!?」


 どういうことー!? もしかしてチョコを渡せなかったの実はすごく悔しかったとかー? 私がー? ありえなーい!


「もう! 寝るー!」


 ふてくされてもう一回布団に!




「サエちゃん、あーん」


「ぱくり♪」


「次は僕に頼むよ」


「はーい。ほら、あーん」


 あぁーん!?




 ガバッ!!


「なんで別バージョンに発展してるのー!?」


 なんで……? 私そこまでトメお兄さん好きじゃないのにー……いや、好きっていえば好きだけど、近所のお兄さんって感じでー、チョコを用意したのもカカちゃんとサユカちゃんの反応見るためだしー。


 だから……そこまで……チョコを、渡せなかったのが……悔し、かった、わけ、じゃ……むにゃ。




「サエ」


「トメ」


「サエ!」


「トメ!」


「サ――」


 無意味に呼び合うなー!! 




 ガバッ!!


「寝たらダメなのー!?」


 ううう、これ以上トメお兄さんの夢を見たらダメだー……なんだか本当に恋してるみたいになっちゃうでしょー! そんなのダメでしょー!


 夢を見ないようにするにはどうすればー……むにゃ。




「サエりゃん♪」


「トメりん♪」


 何語ー!?



  

 ガバッ!!


「なんだかどんどんスゴイ方向にいってるようなー」


 ……仕方ない。


 当日を過ぎてから、ってすごい恥ずかしいけどー、ううー……まだチョコの材料余ってたよねー。はぁ……作ろー。


 寝るために。そう、寝るためにねー。


 別に本当に渡せなくて悔しかったわけじゃないんだからねー!


 ううー! トメお兄さんめー!


 許さないからねー!


 


 バレンタイデーの次の日。サエちゃんの場合でした。




 さて、こちらはさらにおまけ。


 バレンタイデーの夜、飲み後のトメの場合。


「うぃー……酔った、もうだめ、ただ、いま――」


 ぐでぐでになったトメが玄関のドアを開け中に入った瞬間、ボカンと爆発。


「……けほ」


 口から煙を吹き、膝をついた途端にもう一度ボッカンさらにズドンときたらチリンチリンとなにかが鳴ってヴァンヴォンと電気っぽいものがビューティフルかつワンダホーに炸裂したかと思いきやグリングリンとアレが回ってナニがドウしてDoなってにゃんにゃんルーでチャンピオンラーメン――(以下略)――した後、一枚の紙が落ちてきた。


『モテた数だけ、死ねばいい。by父』




 おまけのおまけ。


「それで息子を殺しかけたの? パパ君」


「え……っと」


「パパ君、今年のチョコは抜き!」


「そ、そんなぁ!!」


 とある場所でのとある夫婦の会話でしたとさ。


 はい、なんだか詰め合わせっぽいおまけ話がこれで終わりです^^サエちゃんのお話は、サエ→トメが投票数二位だったので書きました笑 健闘賞ということで^^

 あと、モテすぎなトメに鉄槌をという票(?)も多かったので笑 一応生きてたみたいですよ?


 さて、バレンタイン話と同時にラブコメっぽい路線もこれでひと段落とします笑 明後日からは元のカカ天に戻る予定ですので、またお楽しみに^^


 え、明日?

 明日はちょっと……いい加減書いてあげないといけない話があるので、ね^^;


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