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カカの天下  作者: ルシカ
354/917

カカの天下354「鬼を招く日」

「おいでませ、節分大会!! どんどんぱふぱふ〜」


 口ラッパでうるさい姉が近所にご迷惑をおかけしております。トメです。


「よーし、みんな集まったね! 節分やるよ! 豆まきやるよ!!」


 場所は近所の公園。鬼のお面と豆まきセットを手にした姉は、意気揚々と叫んだ。


「……なぁ、姉。なんでいまさら節分なんだ? 二月三日はとっくに過ぎてるぞ」


「だってあんたらその日は忙しいとか言って相手してくれなかったじゃん」


 う……たしかに忙しかったけどさ、サユカちゃんとのことで。


 でもだからっていきなり節分大会はないと思う。


 や、別に豆まきがしたくないわけじゃない。それが問題じゃないんだ。問題は――姉が文字通り、みんな集めてしまったということ。


 そう。


 いるんですよ、サユカちゃんが。


 ベンチにいつもの三人で座って、話しながらチラチラとこっち見てるんですよ。


 き、ま、ず、い!!


「ほらほらみんなー! 集まりな! 豆まきするよ!」


 デートまでは会わないでいようと思ってたのに……この姉は空気読めないから厄介だ。そりゃ今回のことに関してはまったく知らないんだろうし、仕方ないけどさ――


「じゃー各自、鬼役と豆まき役とペアになって投げあってね。ペアはね、うーんと……カカちゃんとサエちゃん。トメとサユカちゃんでいってみよ!」


 空気読まないにもほどがあるぞ!!


 ……や、待て。


 こいつまさか、知っててやってる?


「にやり」


「わざわざ口で言いやがったなこんにゃろ」


「にやにや」


「やかましい!」


 誰だコイツに余計なこと教えたのは!! それにしてもこうやって笑いを口に出されると一層ムカつきが増すな、くそぅ。


「よし! やろうサエちゃん」


「やろー」


 僕が心で嘆いているうちに準備を完了したカカとサエちゃんが早速始める。今回は僕とサユカちゃんのことは放っておく方針のようだ……むぅ、今はちょっかい出してくれたほうがありがたいんだが。


「あ、あのっ……と、トメ、さん」


「う、うん」


「はい、これ、鬼のお面ですっ」


「うん、あ、ありがとう」


 受け取るとき、微かに僕の手とサユカちゃんの手が触れた。


「――っ! ごめんなさいっ! そのっ」


「や、そんなことで謝らなくても!」


「あ、あの! 豆を投げちゃってもいいんでしょうかっ」


「そ、そりゃね。僕は鬼だし、うん、遠慮なく」


「はいっ! で、でも、その、痛かったら言ってくださいね」


 鬼に対してなんて謙虚な、というかなんだこの恥ずかしい照れ照れオーラは!! 小学生か僕らはっ!!


 あ、向こうは小学生か。


 同レベルか僕は!? 


 気恥ずかしさに耐えられず、僕はサユカちゃんから目を逸らした。一足早く始めているカカサエペアを見てみる。


「鬼はそとー! 福はうちー!」


 ぱくっ、ぱくっ、ぱくっ。


 サエちゃんが投げた豆のことごとくをカカが食べてる。鬼のお面を額にしてはいるが……豆まきじゃなくて餌をやってるようにしか見えない。


「えい、えーい!」


 ぱくっ、ぱくっ! もぐもぐごっくん。


「ハッハッハッハッハ」


 餌待ちの犬かおまえは。


「鬼は……うち、くる?」


「ワン!」


 なんだこの捨て犬を拾ったみたいな光景は。


「ほらほらそこのラブラブチーム、さっさと始めろ」


「黙れ貴様!!」


 やっぱ知ってやがるこのアマ。


「え、えっとサユカちゃん!」


「ひゃいっ!」


「やろうか!」


「……えっ、こ、こんなところで――あ、豆まきですねっ」


 なんだと思ったの。


「よし、鬼のお面おっけー! さーどうぞ!」


 半ばヤケクソになって叫ぶ。それに触発されたのかサユカちゃんも気合を入れて「はいっ!」と答えた!


 よし、こい!


「鬼は外っ! トメさんは内っ!!」


 どっちも僕やん。


 どうすりゃええねん。


「トメさんはうちっ!」


「あの、サユカちゃん?」


「トメさんは……うち」


 そ、そんな熱っぽく見つめられても。


「うち、きませんかっ」


「え、や、その……」


 気まずい。なんか喋らないと。や、でも何と答えれば。


「――だぁ!! サエちゃんといいサユカちゃんといい、あんたらなんで鬼をうちに招いてんのさ! ちゃんとやれ!」


 戸惑ってるところにちょうどよく姉の雄たけびが轟く。助かった……へタレとか言うなソコ。


「そういう姉だって毎年『鬼は内』って言ってんじゃんか」


「あたしのは違う! 『鬼は内にこいブチノメス! 福は外へ逃げろツカマエル!』だよ!」


 なんでもかんでもアクティブすぎるんだよアンタ。




 ……なんにせよ、その場はごまかすことができた、でも。デートまで日はないし、ちゃんとしないとな、ホント。


 空気を読めない(ある意味読んでる)姉のおかげでデート前にこんなことに。

 でもまぁデート話が長引いて節分できなかったのでちょうどよかったです笑 

 さて、明日はいよいよデート話! 

 ……にしよっかなー。明後日にしよっかな←決めてない人

 まぁどうなるかは明日の気分次第で(ぉぃ


 あ、そうそう。感想の返信遅れてごめんなさい^^;なるべくすぐに返していきますのでもう少しお待ちを! こんなにたくさん書いてもらえて嬉しい限りです!! これはバレンタイン、いい加減なものは書けませんね^^;

 感謝しつつ、それではまた明日^^

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