カカの天下314「カカやコンコン」
「ふわぁ……おはよ」
「おはようトメ兄」
おはようございます皆様、休日に感謝しながら惰眠を貪って今起きたとこのトメです。さーて顔洗うか……って、ん?
「なにやってんだ、カカ」
カカは玄関のほうでなにやらゴソゴソしていた。
「雪降らそうと思って」
「はぁ、なんでまた」
「今年はホワイトクリスマスじゃなかったでしょ。だからホワイトお正月になってほしくて」
「正月に雪。なんか幸先悪そうじゃないか? その時期に雪降るといろいろ不便になること多いだろうし」
「でも真っ白な気持ちで新年をスタートできるよ?」
お、おお! 珍しくマトモなことを!
「それはそうかもしれないな。で、どうやって降らすつもりだ?」
「フレフレ坊主ってあるじゃん」
「ああ、テルテル坊主を逆に吊るして雨降らすやつな」
「それの雪バージョンでユキユキ坊主つくってみました」
玄関のほうを見ると、たしかにそこにはテルテル坊主らしきものがいくつか逆さに吊るされていた。
「普通のとどう違うんだ?」
「凍らせたの」
なるほど……って、溶けてるんですけど。
「なんか水がにじんでインクがぼやけて、雪どころか災厄でも降りそうな顔になってるんだが」
いつぞやのノロノロ坊主を思い出すなぁ。
「あとね、居間に来て見てー」
「まだなんかあるのか……ってナニコレ」
「雪やコンコン、あられやコンコン♪ っていうじゃない?」
「あ、ああ」
「コンコンっていうのがよくわかんないから、適当にコンコンっぽいもの吊るしてみました」
コンコン……あぁ、そういうことか。
居間の壁際に紐で吊るされまくってるのは『ダイコン』やら『レンコン』やらの根野菜だ。何屋だよこの家。
「どう? 朝市で買ってきたの」
なぜそんなに頑張る。
しかも吊るされているのは根野菜シリーズだけではない。リモコンやらコンサートのちらしやら……
「このリコン届けなんかどっから持ってきたんだ?」
「サカイさんち」
なぜ持ってる!
「あとね、『コンパニオン』っていうの吊るしたいんだけど何なのかわかんなくてさ」
「それは吊るすな!!」
サービス料取られすぎる――じゃなくて捕まるから!
「むー、んじゃ他に吊るせるものないかな」
そう言いながら窓の外に身を乗り出し、周囲を見渡すカカ。
「あ、あの二人新婚さんかな。シンコン! 吊るさねば」
「人生の新たな旅立ちに不吉な影を落とすな!」
「あのおっさん『根性』って書いてあるTシャツ着てる! 吊るさねば」
「いい根性してるのはおまえだカカ!」
「あのじいさん頭ツルッツル! 吊るさねば!」
「もう雪関係ないだろが!!」
暴走するカカをなんとか落ち着かせる。まったく寝起き早々騒がしいったらないな……や、僕が寝坊しただけなんだけどさ。
「ゆ〜きやコンコン♪ あ、『雪やコンコン』だから、雪と一緒に私の吊るしたコンコンも降ってくるのかな」
想像してみましょう。
ダイコンやレンコンがミサイルのように降り注ぎ、はらはらと離婚届が舞い降りたあとに、コンパニオンと新婚さんとTシャツ着たおっさんとハゲたじいさんが降ってくる様子を。
よーわからんが世界は終わりだと思う。
「そういえばトメ兄ってシスコンだよね」
シスコンも降ってくるのか。宇宙も終わりだな。
……ん? 足が何かに掴まれ――
「吊、る、さ、ね、ば♪」
「うああああああああああああああ!!」
景色は反転した。
僕の意識は暗転した。
「ぼ……ぼ、くは……シス、コン、じゃ……がくっ」
逆さ吊りって……結構、クる、ね。
どうでもいいけど私の地元は本当にホワイト正月になりそうです^^;さむさむ……
あと、先日あとがきに「仕事忙しくて感想欄の返信が遅れます」と書いたのですが、なにやらそれで感想欄に書くのを遠慮してくださった読者様から「返信しなくてもいいですよー」って感じでいくつかメッセージで感想送っていただきまして……なんというか気遣っていただけて恐縮です。
でもですね、いまは時間がないだけで、感想に返信するのは苦痛でもなんでもないのですよ!? むしろ感想読むだけで何でも頑張れるのですから!
なのでメッセージくださった方のほかにも遠慮してくださった方がいましたら、どうぞ遠慮なく感想をお書きください笑
私は喜びまくります!
それから。とうとう明日は年末ですね^^
年越しっぽいお話書こうと思ってますので、せっかくですし23時すぎくらいに更新しようかなーと思います。
そのあたりから読んでもらえたほうが一緒に年越し、みたいな感じになるかなーと笑
ではでは。また明日です!
心配してくださった方、本当にありがとうございました☆