カカの天下30「地震の対処?」
「ねぇ、トメ兄」
「なぁ、カカ」
「ゆれて、ない?」
「ゆれて、るな」
こんにちわ、なんて挨拶してる場合じゃありません。
揺れてる!!
地面が!!
アースクエイク!!
家でのほほんとお茶を飲んでいた僕ら兄妹はどんどん強くなっていく揺れに思わず立ち上がった!!
「ど、どうするよカカ!?」
「と、とりあえずジャンプしてみよう!!」
相当混乱していたんだろう。僕はカカの言葉に従って、揺れまくる大地の震動から逃げるためにジャンプしてみた。
バランスを崩した。
ゴツン!!!
カカと頭をぶつけた。
「い、痛い……なにやってんだ僕らは」
「とりあえずテーブルの下にもぐればいいんじゃ」
「それだ!!」
僕らは急いでテーブルの下へ滑り込んだ。
ゴッツン!!!
同時にもぐりこんだカカと僕の頭が衝突事故を起こした。
「痛い……うぅ……」
二人して涙目でじっとしていると、やがて揺れは収まっていった。
「とりあえず、外に出ておくか」
余震があるかもしれない。
僕とカカはテーブルの下から抜け出し、前触れもなく襲ってきた地震の恐怖に怯えながら慌てて玄関へと向かった。
ドアに手をかけようとしたとき、
「トメさん、カカさん大丈夫ですかー!?」
ゴッッツンン!!!!
いきなり開いたドアに、僕とカカは仲良く顔面を強打した。
「い、い、痛い、よう」
「さ、サカイさん……」
「ああ、ごめんなさい二人ともー、私心配で」
うう……今日は何度頭をぶつければ――
「あ、また揺れる!!」
ぐらり、と地面が大きく揺れた。
ガン!!
ゴン!!!
グァン!!!!
バランスが崩れた三人は仲良く頭をぶつけあった。
い、痛い……
「恐るべし、地震の被害……痛いよぅ」
「おのれ地震め……これほどピンポイントで人を狙えるなんて、侮れないやつだ!」
「なにせ相手はー、地球ですからー」
「地球……さすがに強いね。相手にとって不足はないわ」
ぐらり。
グゥアン!!
ドゴン!!!
ガッツァン!!!!
「あ、相手には余りあると思うんだけど!」
「うぅぅ……な、なんの……ぶるぶる震えてるだけの地球なんか私が――」
ぐらり以下略。
「ほ、ら、カカが、余計なこと言う、から」
「ご、ごめん、なさ」
ぐら以下略。
「もう、だめ、だ……頭が悪くなる……なんか耳から出そう……」
「頭がー、頭がー、なんか鳴ってるー」
「いた、い……ごめんなさい、地球……私、地球に優しくなるから……エコとかにも気をつけるから……エコひいきになるから……」
度重なる強打に頭が朦朧とした三人は、ふらふらと地面に倒れた。
……ああ、最初からこうして伏せてればよかったのに。
悔やんでる間に、余震は収まったようだった。
みんな、地震が起きたら……とりあえずあんま動かないほうがいいぞ、痛い目みるから。
……でも、痛いってだけで済んで、ほんとよかったぁ。
しかし、次の日。
僕は戦慄した。
「カカの頭が変になった!?」
元からでした。すいません。
そんなに大きい被害じゃなかったけど、最近地震を体験しまして……この程度のお話で済むところが少しでも多いことを本気で祈りました。
実際に地震があったときは、すぐにガスの元栓をしめたり、ブレーカーを落としたり、玄関の鍵を開けたり、ガラスから離れたりと……事態が大事にならないように対処しましょう。