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カカの天下  作者: ルシカ
299/917

カカの天下299「お鍋の達人(になりたい)トメ」

「夕飯まだー?」


「おう、もうすぐできるから待ってろ」


 急かす妹の声に答えつつ、おたまを動かしているトメです。ぐーるぐーる、まーぜまぜ。


 ただいま夕飯の準備中。メニューはというと、クリスマスに使う鍋の出し汁を決めるための試作品です。さすがに候補全てを一度に鍋するわけにはいかないので、それぞれのお出しで適当にお肉と野菜をいれて煮込みました。


 キムチ、醤油、味噌、豆乳と、欲張って四種類も作ってしまったので、台所のコンロ二つでは少々時間がかかってます。でも味噌と醤油の煮込みはもうできたから、キムチと豆乳をあと少し煮込めば完成です。まぜまぜ。


「トメ兄ってさ、おたまを動かしてる姿似合うね」


「そうか?」


「うん、なんかおばあちゃんが料理してるみたい。ハマッてる」


「……嬉しくないな」


「のうトメばあさんや、飯はまだかいな」


「久々に聞いたな、それ」


 どうせおばあさんみたいな名前ですよーだ。


「でも似合うのは確かだよ、おたま」


「自分じゃよくわからんが」


「じゃあ誰にでもわかるように、あだ名をつけてあげるよ」


 カカは僕をビシッと指差し、言いはなった。


「おマタの達人、トメ!」


「誰が股の達人か!?」


「あ、間違えた。失敗失敗」


 たまたまにしてはハマリすぎな間違いである。でも本当にたまたまなのだろうか。おたまだけに。


 そこ、しらけるな。


「じゃあ僕もカカにあだ名つけてやるよ」


 えーと、カカが使えそうな調理器具は……


 ああ、あった。


「まな板娘、カカ」


「ものすんごく不愉快だからやめてくれる!?」


「や、まな板がそこにあったからつい」


「まな板はさっき戸棚にしまったでしょ? ……トメ兄の視線の先には私の胸しかないんだけど」


「なんて調理しやすそうな板だろう」


「包丁ってどこやったっけ?」


「ちょっと待った! 冗談だ嘘だタチが悪かったな謝るよ! だから僕を調理するのはやめてくれ!」


「……まったくもう」


 やれやれ、と手に持った包丁をおろすカカ。


「ふぅ……いくら胸元にまな板があるからって」


「包丁仕事人、カカ参上!」


「参上せんでいい!」


 と、そんなやりとりを続けているうちに煮込みは完成。「早く早く」とうるさい妹の声を聞き流しながら皿に盛る。


 そして保温状態の空の炊飯器の中にラッピングした食器ごと突っ込んでおいた味噌と醤油の煮物も取り出す。うん、温かいままだ。


 ラップをはずして一緒にテーブルに並べ、別のミニ炊飯器で炊いておいたご飯をよそえばカンペキだ。


「おー……今日の夕飯は豪勢だ」


 なにせ煮物が四種類もあるからな。


「これを食べ比べて、クリスマスの鍋を決めよう」


「りょーかい! あ、クリスマスといえばさ、コタツどうなったの?」


「一つは確保した。これで参加できる人数は八人だな」


「私とサエちゃんとサユカン、トメ兄は決定だよね。あとテンカ先生も混ざりたいって」


「こっちはあと二人決まってる。だから、あと一人だな」


「へー、その二人って誰?」


「それはな――」


 ピンポーン、と僕の言葉を遮るようにチャイムが鳴った。


「誰だろ、こんな夕食どきに」


「私いくー」


「僕も行くよ」


 一人だけ食卓に残っても寂しいだけだし、と二人して玄関へ行くと。


「突撃、友達の晩御飯だよー!」


「今日のメニューはなんですかっ!」


「サエちゃんサユカン?」


「なんだ、飯でもたかりにきたのか」


 妙なノリで登場する二人。はて、さっき帰ったはずなのに。何しにきたんだろ。


「むむむー、夕飯どきならいると思ったのですが、いませんねーカカちゃんのお母さん」


「「……は?」」


 首を傾げる僕とカカ。


「まーいいです、いずれ会ってみせますからねー!」


「え、えっと。お邪魔しましたっ」


 慌ただしく帰っていく二人。なんだったんだ、一体。


「お母さんなんて話、どっから出てきたんだろ……まぁいいや。食べようよトメ兄」


「ん、おう」


 居間へと戻っていくカカ。僕は戻らずに玄関に立ったまま、カカに聞こえないようにボソッと呟いた。


「父さん、いる?」


「ここに」


 即座に天井から返事が返ってきた。


「最近母さんが帰ってきた、なんてことある?」


「む? いや。先日帰ってきたときに半年間は帰ってこれないと言っていたから、まだのはずだぞ。そろそろ帰ってこれるだろうが」


「だよ、な」


 はて。


 じゃあサエちゃんは誰のことを言っているんだろう。


「うーん……や、考えてもわかんないもんはわかんないか。あ、父さん。お鍋の試作あるけど食べてく?」


「遠慮しておく」


「……まだカカに顔を見せるの恥ずかしいのか」


「むぅ、面目ない。隠れてばかりの仕事だと、なかなか赤面症が治らなくてな」

 

 忍者っていうのは便利なんだか不便なんだかよくわからない。


 さて、食べるかな。


 どれが一番うまいかな?


 お鍋のお出し、果たしてどれになるのでしょうか。もちろん私の好みで選びます(ぇ


 お母さんの謎については、あえてまだノーコメントにさせていただきます♪ 

 あ、でも明らかになる日は近い、とだけ言っておきます!


 それから、ついに明日が人気投票の結果発表です! 

 投票を出し惜しみしている人はいますぐ投票を! もれなく作者が大喜びします(それだけかい笑

 キャラへのメッセージもまだまだ受け付けております。もしかしたら明日載せる話のタネになるかもしれませんよ! 

 心よりお待ちしております^^

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