カカの天下295「クリスマスの予定は?」
おはようございます、カカです。今日も今日とて飽きずにサエちゃんと登校中です。お、向こうからやってくるのはサユカンだ。
「カカすけ、おはようっ」
「おはよーサユカちゃん」
「おはよ。ねえねえサユカン、実は昨日ね――」
サラさんって人がトメ兄にデートの誘いを、と言いかけて止めた。
だってさ、デートだよデート。そんな話聞いたらサユカン発狂しちゃうよ!
デート当日に聞こうものなら大爆発だよ!
……いいね、それ。
うん、詳細を調べてから当日に教えてあげよう。大爆発希望。
「昨日がなによっ」
「ああ、えっと、そうそう! あのさ、昨日トメ兄と話してたんだけど……クリスマスって二人とも空いてる?」
「私はカカちゃんたちと遊ぶために空けてあるよー」
「トメさんと過ごせるならもちろん空けるわよ」
む、サユカンの返事が気に入らない。
「なにさーサユカン。トメ兄だけいればいいみたいな言い方じゃん?」
「ええ、そうねっ。できればトメさんと二人がいいな。君らは邪魔よ、邪魔」
「ガーン!」「ガガーン!」
む、ズレた。
「サエちゃん、もう一回ね」
「うん。せーのー」
「ガーン!」「ガガーン!」
またズレた!
「サエちゃんさ、ガガーンって言ってるよね」
「そっちのほうがショックっぽくないかなー?」
「んー、それもそっか。じゃそれで」
「よし、いくよー、せーの!」
「あ、あのさっ! わたしを放っておかないでよっ」
むぅ、言いかけたのを止められた!
「サユカン、邪魔」
「今忙しいんだよー」
「ガガガガーン!」
あれ、立場が逆転してる。
「朝からガンガンガンガンうるせぇな、二日酔いじゃあるまいし」
「あ、テンカ先生」
「おはようございまーす」
「おはようございますっ」
私たちの挨拶に、手をひらひらさせながら適当に応える先生。
「カカ、てめぇも挨拶しろ」
前言撤回、妙なとこだけ細かい。
「おはようございます。テンカ先生はやっぱりクリスマスの予定はないんですか?」
「……悪いか」
う? な、なんか予想以上に怖い顔が。
「悪いか……悪いのか!? あぁんっ? クリスマスに予定がないのがそんなに悪いのか! 何が聖なる夜だよ何が恋人たちのクリスマスだよ! あぁ悪かったなどうせオレは『病院』で盛なる夜だよ酔っ払った変人たちのクリスマスだよ!!」
ちゅどーん! と背景が爆発してそうな勢いで叫ぶテンカ先生。
「な、なんだか痛いところを突いちゃったみたいねっ」
「病院の変人ってあたりが重症っぽいねー」
なんか嫌な思い出でもあるのかなクリスマス。
「あ、あの、テンカ先生? 実は私たち、クリスマスにみんなでお鍋しようって言ってたんですけど……先生も来ませんか?」
恐る恐る聞いてみると、天高らかに吼えていた先生はピタリと動きを止めた。
「鍋?」
「は、はい」
「……変人どもと過ごすには違いないが、寂しい飲んだくれどもに付き合うよりはマシか。よし、のった!」
「はーい、じゃあ詳しく決まったら教えますね」
これで参加者は五人、っと。
「他には誰がくるんだ?」
「まだわかりません。でも鍋会場が私の家の居間なんで、そんなに人数を集めるわけにはいかないんですけど」
トメ兄がもう一個コタツ確保したとして、八人くらいかな?
あと三人……誰にしよっかな。
「ね、せっかくクリスマスなんだしー、お鍋以外も何かしようよー」
「何か……って、前の誕生日みたいに仮装でもする?」
「いいね。参加者全員仮装決定! クリスマス関係の格好ね」
「自分で言っといてなんだけど、この前トメさんにサンタやるって言っちゃってたし、ちょうどいいわっ」
「私くつしたやるー」
それ、仮装?
「オレもすんのか?」
「こないだみたいな手抜きだめですよー」
釘を頭に刺してフランケンやってたっけ、先生。
「んー、仮装なんてする歳じゃねぇんだがな」
「トメ兄はやりますよ?」
「あいつは子守係だから仕方ない。幼稚園の先生みたいなもんだ」
「じゃあ小学校の先生もやらないと仕方ないですね」
「……しまった」
んふふ、あげ足とった!
さー楽しみになってきましたクリスマス。
他にはなにしよっかなー♪
クリスマス計画が始まってきました…限定八人のパーティーになりますが、はてさてどんなメンバーになるのでしょうか。
まだ書いてないので作者もわかりません(笑)




